「ドイツのための選択肢」が中国に利用される理由とは?

極右政党「ドイツのための選択肢」を利用する中国について

ドイツでは、極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)が近年、支持率を伸ばしています。AfDは、反移民、反EU、反イスラムなどの政策を掲げており、ドイツの政治におけるポピュリズムの代表格と見なされています。しかし、AfDはドイツ国内だけでなく、国外にも影響力を持っていることが指摘されています。特に、中国との関係において、AfDは中国の利益になるような発言や行動を繰り返しています。


中国は、ドイツとの経済関係を重視しており、ドイツがEU内で中国に対する批判的な立場を取ることを妨げようとしています。そのために、中国はAfDを利用して、ドイツのEU離脱EUの分裂を促進しようとしているという見方があります。例えば、2019年には、AfDの議員団が北京を訪問し、中国共産党の幹部と会談しました。このとき、AfDの議員は、「中国は世界平和のために重要な役割を果たしている」と述べたり、「香港やウイグル問題は中国の内政問題であり、外国が干渉すべきではない」と主張したりしました。これらの発言は、中国政府の立場と一致しており、ドイツやEUの公式見解とは大きく異なっています。

また、2020年には、新型コロナウイルスパンデミックが発生した際にも、AfDは中国に有利な姿勢を示しました。AfDは、中国がウイルスの発生源や拡散に責任があるという主張を否定し、むしろWHOやEUを批判しました。さらに、AfDは中国からマスクや検査キットなどの医療物資を提供されたことを歓迎し、「中国はドイツに対する友好的なパートナーである」と称賛しました。これらの態度は、中国がパンデミックに対する国際社会の不信感や非難を払拭しようとする努力に沿っています。

以上のように、AfDは中国と密接な関係を築いており、中国の利益に沿った発言や行動を行っています。これは、中国がドイツやEU内で自分たちに都合の良い勢力を支援しようとする戦略の一環である可能性が高いです。しかし、このような関係はドイツやEUにとって危険であり、人権や民主主義などの価値観や利益が損なわれる恐れがあります。そのため、ドイツやEUはAfDと中国の関係に注意を払い、対策を講じる必要があります。