介護難民化リスクについて
介護難民化リスクとは、高齢化の進展に伴い、介護が必要な高齢者が増加し、介護に必要な人材が不足することによって、介護を受けられない高齢者が増加するリスクを指す。
介護難民化リスクの原因
介護難民化リスクの原因は、主に以下の3つが挙げられる。
- 高齢化の進展
日本は、世界に先駆けて超高齢社会に突入しており、今後も高齢化はますます進んでいく。2025年には、65歳以上の人口が75歳以上の人口を上回る「超高齢社会」に突入すると予測されており、2050年には、22.5%が65歳以上になると予測されている。
高齢化の進展に伴い、介護が必要な高齢者が増加する。2025年には、約700万人、2050年には約940万人が介護が必要になると予測されている。
- 介護人材の不足
介護人材の不足も、介護難民化リスクの原因のひとつである。2025年には、介護に必要な人数が約530万人になると予測されているが、そのうち約210万人が不足すると予測されている。
介護人材の不足の原因としては、以下のようなものが挙げられる。
* 少子化による労働人口の減少
* 介護職の低賃金や労働環境の厳しさ
* 介護職の魅力度の低下
- 核家族化や共働き世帯の増加
核家族化や共働き世帯の増加も、介護難民化リスクの原因のひとつである。核家族化や共働き世帯では、家族で介護を担う人が減少するため、介護に必要なサービスを利用せざるを得ない高齢者が増加する。
介護難民化リスクの現状
介護難民化リスクは、すでに現実のものとなっている。2022年には、介護サービスを受けられずに、自宅で孤独死した高齢者が約3万人に上ると推計されている。
また、介護難民化リスクは、高齢者だけでなく、介護をする側にも大きな負担となっている。介護を担う家族の精神的・肉体的負担は大きく、介護離職や介護虐待などの問題も発生している。
介護難民化リスクへの対策
介護難民化リスクへの対策としては、以下のようなものが挙げられる。
- 介護人材の確保・育成
介護人材の確保・育成は、介護難民化リスクを解消する上での最も重要な課題である。
介護人材の確保・育成を進めるためには、以下のようなものが必要である。
* 介護職の賃金や労働環境の改善
* 介護職の魅力度の向上
* 介護職の育成・教育の充実
- 地域包括ケアシステムの推進
地域包括ケアシステムとは、地域の住民が、住み慣れた地域で、いつまでも自分らしく暮らしていけるよう、医療・介護・福祉の連携を図った地域包括的なサービスシステムである。
地域包括ケアシステムを推進することで、介護に必要なサービスを地域で受けられるようにし、介護難民化リスクを軽減することができる。
- 介護予防の推進
介護予防を推進することで、介護が必要になる高齢者を減らし、介護難民化リスクを軽減することができる。
介護予防を推進するためには、以下のようなものが必要である。
* 健康増進・疾病予防の取り組み
* 介護予防サービスの充実
* 介護予防の意識啓発
まとめ
介護難民化リスクは、高齢化の進展に伴い、ますます深刻化していく問題である。介護難民化リスクを解消するためには、介護人材の確保・育成、地域包括ケアシステムの推進、介護予防の推進などの対策を総合的に進めていく必要がある。
なぜ介護職員が不足するのでしょうか?
介護職員が不足する理由は、大きく分けて以下の3つが挙げられます。
- 採用の困難さ
介護職員の採用が困難な理由は、主に以下の2つです。
- 他産業と比べて労働条件が良くない
- 同業他社との人手獲得競争が激しい
介護職員の給与水準は、他産業と比べて低い傾向にあります。また、残業や夜勤が多く、休みが取りにくいという労働条件も、採用が難しい要因となっています。さらに、介護業界は人手不足が深刻化しているため、同業他社との人手獲得競争も激しくなっています。
- 離職率の高さ
介護職員の離職率は、他産業と比べて高い傾向にあります。厚生労働省の調査によると、介護福祉士の離職率は約30%となっており、製造業(13%)やサービス業(18%)と比べて高い水準となっています。
介護職員の離職率が高い理由は、主に以下の3つです。
- 肉体労働の負担が大きい
- 精神的負担が大きい
- キャリアアップの機会が少ない
介護の仕事は、身体的・精神的に負担が大きいため、体力的に限界を感じて離職する人が少なくありません。また、介護職員は、利用者の命や生活を預かる責任が重く、精神的なストレスも大きいため、心身ともに疲弊して離職する人も少なくありません。さらに、介護職員のキャリアアップの機会は、他産業と比べて少ないため、やりがいを感じにくく、離職につながるケースもあります。
- 介護業界に対するマイナスイメージ
介護業界に対するマイナスイメージも、介護職員の不足につながる要因の一つとなっています。介護職員は、肉体労働がきつい、給与が低い、人間関係が悪いなどのイメージを持たれていることが少なくありません。このようなマイナスイメージが、介護職を志望する人のハードルを高め、不足につながっていると考えられます。
これらの要因を解消するためには、以下のような対策が考えられます。
- 労働条件の改善
- 離職率の低下
- 介護業界に対するイメージの改善
労働条件の改善については、給与水準の引き上げや残業・夜勤の削減などの対策が必要です。離職率の低下については、職場環境の改善やキャリアアップの機会の拡大などの対策が必要です。また、介護業界に対するイメージの改善については、介護の仕事の魅力ややりがいを積極的に伝えるなどの対策が必要です。
これらの対策を講じることで、介護職員の不足を解消し、持続可能な介護サービスを提供することが可能になると期待されます。
分かっているのに改善されないんだね。
日本経済をけん引した75歳前後の団塊の世代、その子供
団塊ジュニア(就職氷河期の人たち)が介護する当事者になってきた。
今の50歳代だ。
不遇な団塊ジュニア、自分のことで精いっぱいなのに
介護まで回らないが世代が介護を担う時期になってきた。
非常に憂慮する時代に入る。