トランプ元大統領は大統領選に出れる?

トランプ大統領は大統領選に出れるのでしょうか?この問いに答えるためには、アメリカの憲法や法律、そして政治的な状況を考える必要があります。このブログでは、それらの要素を分析して、トランプ氏の再出馬の可能性や課題について考察します。

 

出典

https://www.yomiuri.co.jp/column/matsurigoto/20230808-OYT8T50055/2/

 


まず、憲法的な観点から見てみましょう。アメリカの憲法は、大統領の任期を4年と定めていますが、同一人物が何度でも再選されることを禁じていませんでした。しかし、1933年から1945年まで4期16年にわたって大統領を務めたフランクリン・ルーズベルト氏の例を受けて、1947年に第22条修正案が提案され、1951年に批准されました。この修正案は、大統領が2期以上(最大10年)務めることを禁止するものでした。つまり、トランプ氏は2016年と2020年の2回大統領選に出馬しており、2020年の選挙では敗北しましたが、憲法上は2024年の選挙に再び立候補することができます。

次に、法律的な観点から見てみましょう。トランプ氏は現在、多くの訴訟や捜査に直面しています。例えば、ニューヨーク州では、トランプ氏のビジネス帝国や財団に関する刑事捜査や民事訴訟が進行中です。また、ジョージア州では、トランプ氏が2020年の選挙結果を覆そうとしたとして、州法に違反した疑いで刑事捜査が行われています。さらに、連邦議会では、2021年1月6日に起きた連邦議会議事堂への暴動に関する委員会が設置され、トランプ氏の関与や責任について調査が始まっています。これらの訴訟や捜査がどのような結果になるかはまだ分かりませんが、もしトランプ氏が有罪判決を受けたり、罷免されたりした場合は、大統領選に出馬することができなくなる可能性があります。

最後に、政治的な観点から見てみましょう。トランプ氏は依然として共和党内で強い影響力を持っており、支持者も多くいます。2020年の選挙では約7400万票を獲得しましたし、世論調査でも共和党員の約8割がトランプ氏を支持しています。また、トランプ氏は自身の政治活動資金を集めるために「Save America」という政治行動委員会(PAC)を設立しました。このPACは2020年11月から2021年6月までに約7500万ドル(約83億円)を集めましたが、その使途はほとんど公開されていません。一部の報道では、トランプ氏はこの資金を自身の生活費や弁護士費用に使っているとも言われていますが、もしトランプ氏が再出馬を決めた場合は、この資金を選挙運動に活用することができます。しかし、トランプ氏には反対勢力も存在します。共和党内では、トランプ氏の政治姿勢や言動に批判的な議員や指導者もいます。例えば、上院のリチャード・バー氏やミット・ロムニー氏、下院のリズ・チェイニー氏やアダム・キンジンガー氏などです。また、民主党やメディア、司法機関などからもトランプ氏は敵視されており、彼らはトランプ氏の再出馬を阻止しようとするでしょう。

以上のことから、トランプ大統領は大統領選に出れるのでしょうか?答えは「出れるかもしれないし、出れないかもしれない」ということになります。憲法上は問題ありませんが、法律上や政治上の障害が多くあります。トランプ氏自身は2024年の選挙に向けて動き始めているようですが、それが実現するかどうかは今後の展開次第です。私たちはその動向に注目していく必要があります。

しかしながら3つの訴訟のうち1つは有罪が確定し収監される確率が高そうですが、先のことは分かりません、見守っていくしかないようです。