スクラップ廃材置き場の火災はなぜ起きる?自然発火・放火・電気火災の原因と対策を解説

スクラップ廃材置き場の火災の理由について

 

スクラップ廃材置き場の火災の理由

スクラップ廃材置き場での火災は、毎年のように発生しています。スクラップ廃材置き場の火災は、人命や財産に大きな被害をもたらすため、その原因と対策について理解しておくことが重要です。

もくじ

1.スクラップ廃材置き場の火災の原因

2.スクラップ廃材置き場の火災対策

3.そもそも自然発火する元素はなんでしょうか?

4.雨水、水に反応して燃える元素は何でしょう。

5.まとめ

 

1.スクラップ廃材置き場の火災の原因

スクラップ廃材置き場の火災の原因は、大きく分けて次の3つに分けられます。

自然発火

自然発火とは、廃材が自己発熱によって燃える現象です。廃材は、鉄くずや廃プラスチックなど、可燃性物質が混在しています。これらの物質は、空気中の酸素と反応して発熱し、温度が上がると自然発火することがあります。

自然発火の原因としては、次のようなものが挙げられます。

* 廃材の保管方法が不適切であること
* 廃材に水分が含まれていること
* 廃材に可燃性物質が混入していること

 

放火

放火とは、故意に火を放って火災を起こすことです。スクラップ廃材置き場での放火は、近年増加傾向にあります。放火の原因としては、次のようなものが挙げられます。

* 犯行の愉快犯
* 保険金詐欺
* 組織犯罪

 

電気火災

電気火災とは、電気器具の故障や誤使用によって火災を起こすことです。スクラップ廃材置き場では、電気器具の使用が不可欠です。そのため、電気火災のリスクは高いと言えます。

電気火災の原因としては、次のようなものが挙げられます。

* 電気器具の老朽化や故障
* 電気器具の誤使用
* 電気配線の劣化

2.スクラップ廃材置き場の火災対策

スクラップ廃材置き場の火災を防ぐためには、次の対策が有効です。

自然発火の防止

自然発火の防止には、次の対策が有効です。

* 廃材をこまめに整理して、通気性を良くする
* 廃材を適切な温度で保管する
* 廃材に水分を吸収する物質を混入させる

 

放火の防止

放火の防止には、次の対策が有効です。

* 敷地内に防犯カメラを設置する
* 敷地周辺を明るくする
* 従業員に防火教育を行う

 

電気火災の防止

電気火災の防止には、次の対策が有効です。

* 電気器具を定期的に点検する
* 電気配線を定期的に点検する
* 電気器具の誤使用を防止する

 

消防法

また、スクラップ廃材置き場を設置する際には、消防法に定められた基準を満たす必要があります。具体的には、次の基準が定められています。

敷地の面積
壁や屋根の構造
消火設備の設置

これらの基準を満たすことで、火災の被害を最小限に抑えることができます。

3.そもそも自然発火する元素はなんでしょうか?

自然発火する元素は、次のようなものが挙げられます。

アルカリ金属:リチウム、ナトリウム、カリウムルビジウムセシウム
アルカリ土類金属マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムバリウムラジウム
アルミニウム
チタン
マンガン

ニッケル
コバルト
水銀
硫黄
リン

これらの元素は、空気中の酸素と反応して発熱し、温度が上がると自然発火することがあります。

具体的な例としては、次のようなものが挙げられます。

リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属は、空気中の酸素と反応して水酸化物と金属酸化物を生成します。この反応は、大量の熱を発生するため、自然発火することがあります。


マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属も、アルカリ金属と同様に空気中の酸素と反応して水酸化物と金属酸化物を生成します。


アルミニウムは、空気中の酸素と反応してアルミナを生成します。この反応も、大量の熱を発生するため、自然発火することがあります。


チタン、マンガン、鉄、ニッケル、コバルトなどの金属も、空気中の酸素と反応して金属酸化物を生成します。この反応は、比較的穏やかな反応ですが、長時間、空気にさらされると自然発火することがあります。


水銀は、空気中の酸素と反応して水酸化水銀を生成します。この反応は、水銀が微粉末の状態で起こると、自然発火することがあります。


硫黄は、空気中の酸素と反応して硫黄酸化物を生成します。この反応は、比較的穏やかな反応ですが、長時間、空気にさらされると自然発火することがあります。


リンは、空気中の酸素と反応してリン酸を生成します。この反応は、比較的穏やかな反応ですが、長時間、空気にさらされると自然発火することがあります。

 

自然発火を防止するためには、これらの元素を空気に触れないように保管することが重要です。また、保管場所は、通気性の良い場所を選ぶことも大切です。

本当に通気性の良き環境に置いて欲しいものです。

4.雨水、水に反応して燃える元素は何でしょう。

雨水、水に反応して燃える元素はいくつかありますが、代表的なものは以下の3つです。

 

1. ナトリウム (Na)

常温の水と反応して水素ガスを発生し、発熱しながら燃えます。
反応式:2Na + 2H2O → 2NaOH + H2↑
燃焼時の炎の色:黄色
注意点:非常に危険な反応なので、絶対に真似しないでください。

2. カリウム (K)

ナトリウムと同様に、水と反応して水素ガスを発生し、発熱しながら燃えます。
反応式:2K + 2H2O → 2KOH + H2↑
燃焼時の炎の色:淡紫色
注意点:ナトリウムと同様に、非常に危険な反応なので、絶対に真似しないでください。

3. リチウム (Li)

水と反応して水素ガスを発生し、発熱しながら燃えます。
反応式:2Li + 2H2O → 2LiOH + H2↑
燃焼時の炎の色:赤色
注意点:ナトリウムやカリウムよりも反応性が低く、常温の水ではゆっくりと反応しますが、加熱すると激しく反応する可能性があります。

 

これらの元素以外にも、マグネシウムやカルシウムなどの元素も水と反応して水素ガスを発生しますが、常温の水では反応速度が遅いため、燃焼することはありません。

 

雨水と反応して燃える元素の注意点

これらの元素は水と反応すると爆発する可能性があるので、絶対に水に触れさせてはいけません。
これらの元素を扱う場合は、必ず保護眼鏡や手袋などの安全装備を着用してください。
万が一、これらの元素が皮膚や目に触れた場合は、すぐに水で洗い流してください。

これらの元素は非常に危険なので、取り扱いには十分注意が必要です。

参考資料

Wikipedia 元素の周期表
消防研究センター ものはなぜ燃えるのか: 

5.まとめ

スクラップ廃材置き場の火災は、人命や財産に大きな被害をもたらすため、その原因と対策について理解しておくことが重要です。自然発火、放火、電気火災の3つが主な原因であり、それぞれの原因に応じた対策が必要です。また、スクラップ廃材置き場を設置する際には、消防法に定められた基準を満たすことも重要です。