子どものいる女性のほうが幸福度が低く、多く産むほど不幸について
子どものいる女性の幸福度
子どもを持つことは、人生において大きな喜びをもたらすものである。しかし、その一方で、子どもを持つことで女性の幸福度が低下するという研究結果が、国内外で報告されている。
日本の研究
日本においては、拓殖大学の佐藤一磨教授が、1987年から2017年までの国民生活基本調査のデータを用いて、子どものいる女性の幸福度を分析した研究を行っている。その結果、子どものいる女性の幸福度は、子どもを持たない女性よりも低いことがわかった。また、子どもの数が増えるほど、幸福度は低下する傾向にあった。
具体的には、子どもを持たない女性の生活満足度は6.3点(満点は10点)であったのに対し、子どものいる女性の生活満足度は5.9点であった。また、子どもが1人いる女性の生活満足度は5.7点、子どもが2人いる女性の生活満足度は5.5点、子どもが3人いる女性の生活満足度は5.3点であった。
この研究結果は、日本だけでなく、欧米諸国でも同様の傾向が見られる。
子どものいる女性の幸福度が低下する理由
子どものいる女性の幸福度が低下する理由としては、以下のようなものが挙げられている。
- 子育てによる時間的・経済的負担
子育ては、子どもの世話や教育など、多くの時間と労力を必要とする。また、子どもの医療費や教育費などの経済的負担も大きい。これらの負担は、女性の自由な時間や経済的な余裕を奪い、幸福度を低下させると考えられる。
- 社会的な支援の不足
日本では、子育てを家庭で担うという考え方が根強く、社会的な支援が十分に整っていない。そのため、子育てをする女性は、孤立感や不安感を抱きやすく、幸福度が低下すると考えられる。
- 女性の社会進出の遅れ
日本では、女性の社会進出が遅れている。そのため、子育てをしながら仕事を続ける女性は、仕事と家庭の両立に苦労し、幸福度が低下すると考えられる。
子どものいる女性の幸福度を高めるためには
子どものいる女性の幸福度を高めるためには、以下のようなものが考えられる。
- 子育てへの社会的な支援の充実
子育てを家庭で担うという考え方から、社会的な支援が十分に整うようにする必要がある。具体的には、保育サービスの拡充や、育児休業制度の充実などが挙げられる。
- 女性の社会進出の促進
女性の社会進出を促進し、子育てと仕事の両立を支援する必要がある。具体的には、女性の職場環境の改善や、男性の育児参加の促進などが挙げられる。
少子化との関係
子どものいる女性の幸福度が低下することは、少子化の原因の一つと考えられる。子どもを持つことが幸福につながらないと考える女性が増えれば、子どもを持ちたいという意欲が低下し、少子化が加速する可能性がある。
そのため、子どものいる女性の幸福度を高めることは、少子化対策の一環としても重要である。