生活保護申請8カ月連続増加の原因は何か?コロナ禍の影響とその他の要因を分析

生活保護申請8カ月連続増加について

 

生活保護とは、国や地方自治体が、生活に困窮した人々に必要な経済的援助や福祉サービスを提供する制度です。生活保護の目的は、憲法で定められた「健康で文化的な最低限度の生活」を保障することです。生活保護の受給者は、収入や財産が一定の基準以下であること、自力で生活できないこと、他の援助を受けられないことなどの要件を満たす必要があります。

最近、生活保護の申請者数が増加しています。厚生労働省によると、2023年9月末時点での生活保護の受給者数は約170万人で、前年同月比で約3.5%増加しました。また、生活保護申請件数は8カ月連続で増加しており、2023年9月には約4万件に達しました。これは、2011年3月の東日本大震災以降、最も高い水準です。

生活保護の申請者数が増加している背景には、何があるのでしょうか。

一つは、新型コロナウイルス感染症の影響です新型コロナウイルス感染症は、2020年から世界的に流行し、日本でも多くの感染者や死者を出しました。政府は、感染拡大を防ぐために緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などを発令しましたが、これにより経済活動や社会活動が制限されました。特に、飲食業や観光業などの接客業やイベント関連業などは大きな打撃を受けました。多くの企業が倒産やリストラを余儀なくされ、失業者や非正規雇用者が増加しました。また、在宅勤務やオンライン授業などの新しい働き方や学び方に対応できない人も出ました。こうした人々は、収入が減少したり、生活費が増加したりして、生活に困窮するようになりました。政府は、給付金や持続化給付金などの経済対策を実施しましたが、それでも十分ではないと感じる人も多かったようです。

 

もう一つは、高齢化や少子化の影響です。日本では、高齢者の割合が増加しており、2023年時点で65歳以上の人口は約3700万人で全人口の約29%を占めています。高齢者は、健康状態や介護状況によっては自立した生活が困難になる場合があります。また、少子化によって子供や孫などの家族が少なくなり、支え合いや助け合いが減少しています。さらに、年金制度や医療制度などの社会保障制度も財政的に厳しくなっており、将来に不安を感じる人も多いでしょう。こうした高齢者は、生活保護を申請する場合があります。実際、生活保護の受給者の約6割は65歳以上です。

生活保護の申請者数が増加していることは、社会的な問題です。生活保護は、最後の砦としての役割を果たしていますが、それだけでは根本的な解決にはなりません。生活保護の申請者数を減らすためには、新型コロナウイルス感染症の収束や経済の回復はもちろんですが、それだけでは不十分です。生活に困窮する人々に対しては、生活保護だけでなく、就労支援や教育支援などの総合的な支援を行う必要があります。また、高齢者に対しては、年金制度や医療制度などの社会保障制度の改革や充実を行う必要があります。さらに、家族や地域社会とのつながりや協力を強化することも重要です。生活保護の申請者数が増加していることは、私たち一人一人にとっても無関係ではありません。私たちは、生活に困窮する人々に寄り添い、共に支え合い、共に生きる社会を目指すべきだと思います。

生活保護は最後の生きる砦だと思います。

行政がその生活保護を受けないとアウトだという人々を

見逃してはならぬ、また見殺しにしてはならぬ。