死後離婚のメリット・デメリットとは?

死後離婚とは、配偶者が死亡した後に、生存者が離婚届を提出することで、配偶者との婚姻関係を解消することです。死後離婚のメリットとデメリットについて、書いてみました。


死後離婚のメリット

死後離婚のメリットは、主に税金や相続に関するものです。以下に具体的な例を挙げます。

- 配偶者が多額の借金を残していた場合、死後離婚をすることで、その借金を相続しなくて済みます。また、配偶者の遺族に対しても、借金の返済義務が発生しません。
- 配偶者が不動産や株式などの資産を持っていた場合、死後離婚をすることで、その資産の相続税を節税することができます。配偶者からの相続は、基礎控除額が高く、税率も低いですが、死後離婚をすると、配偶者からではなく、配偶者の遺族からの相続となります。遺族からの相続は、基礎控除額が低く、税率も高いですが、その分だけ贈与税の控除額が高くなります。つまり、配偶者から直接相続するよりも、遺族から贈与される方が税負担が軽くなる可能性があります。
- 配偶者が年金受給者だった場合、死後離婚をすることで、その年金を受け取ることができます。配偶者からの遺族年金は、生存者が再婚しない限り支給されますが、死後離婚をすると、再婚しても支給されます。また、生存者自身が年金受給者だった場合、死後離婚をすることで、自分の年金に加えて配偶者の年金も受け取ることができます。

死後離婚のデメリット

死後離婚のデメリットは、主に心理的や社会的なものです。以下に具体的な例を挙げます。

- 配偶者が亡くなったことに対する悲しみや罪悪感を感じることがあります。死後離婚をすることで、配偶者との思い出や愛情を否定したり、裏切ったりしたように感じるかもしれません。
- 配偶者の遺族や友人との関係が悪化することがあります。死後離婚をすることで、配偶者に対する敬意や感謝を欠いていると思われたり、財産目当てや自分勝手だと非難されたりするかもしれません。
- 社会的な評判や信用が失われることがあります。死後離婚はまだ一般的ではなく、理解されにくい行為です。死後離婚をすることで、周囲から冷たいや不道徳な人だと見られたり、差別や偏見に遭ったりするかもしれません。

死後離婚をするかどうかは、個人の判断によります。配偶者の死後に自分の生活や将来を考えることは、決して悪いことではありません。しかし、死後離婚にはメリットだけでなく、デメリットもあります。死後離婚をする前に、配偶者の遺志や感情、遺族や社会の反応などを十分に考慮する必要があります。