岸田首相消費税増税による景気への影響と対策

岸田首相消費税増税を検討

岸田文雄首相は、消費税率を現在の10%から12%に引き上げることを検討していると報じられています。この増税案は、新型コロナウイルスの感染拡大による経済危機に対応するための財源確保と、社会保障制度の改革と財政健全化の両立を目指すものです。しかし、この増税案には賛否両論があります。一方で、増税は必要不可欠であると主張する声がありますが、他方で、増税は景気を冷え込ませるだけでなく、低所得者や若者などの負担を増やすと反対する声もあります。この記事では、岸田首相の消費税増税案について、その背景や目的、メリットとデメリット、影響などについて詳しく解説します。


消費税増税案の背景と目的
消費税は、日本の主要な税収源の一つです。消費税は、国と地方自治体に分配され、社会保障や公共事業などに使われます。消費税率は、1989年に3%から導入されて以来、1997年に5%に、2014年に8%に、2019年に10%に引き上げられてきました。消費税率の引き上げは、主に社会保障費の増加に対応するために行われました。日本は高齢化が進み、医療や介護などの社会保障費が年々増えています。2020年度の社会保障費は119兆円で、国の一般会計予算の約40%を占めます。社会保障費は今後も増え続ける見込みであり、2025年度には137兆円に達すると予測されています。一方で、日本の人口は減少傾向にあり、労働力人口や納税者も減っています。これにより、社会保障制度の財源が不足する問題が深刻化しています。また、日本の国債残高は1,100兆円を超えており、国内総生産GDP)の約2倍に相当します。国債残高が高いことは、国の信用力や金利水準に影響を与える可能性があります。したがって、日本は社会保障制度の改革と財政健全化を同時に進める必要があります。

岸田首相は、このような状況を踏まえて、消費税率を12%に引き上げることを検討しているとされています。岸田首相は2023年10月から始まる次期臨時国会で法案を提出する意向だと言われています。岸田首相は消費税増税案について、「コロナ禍で経済が大きな打撃を受けた中で、国民にさらなる負担を求めることは容易ではないが、将来世代への責任として、社会保障制度の改革と財政健全化を両立させるためには必要な措置である」と述べています。岸田首相は、消費税増税の収入の一部を、低所得者や若者などの支援策に充てることも検討しているとしています。