最低賃金以下で働いていても違法ではないのか?知っておくべき法律と罰則

最低賃金以下で働いていても違法ではないのかについて

 

最低賃金以下で働いていても違法ではないのか

最低賃金以下で働くことに関する法的な観点は、労働者の権利を守るために非常に重要です。本稿では、最低賃金法の基本的な内容と、最低賃金以下で働くことが違法とされる理由について詳しく解説します。また、特例として最低賃金以下で働くことが許可されるケースについても触れます。

最低賃金法とは?概要/計算方法などをわかりやすく解説

https://roudou-pro.com/columns/104/

 目次

1. 最低賃金法の概要
   - 最低賃金の定義
   - 最低賃金の適用範囲

2. 最低賃金以下で働くことの違法性
   - 法律に基づく罰則
   - 労働者の権利と保護

3. 特例・例外ケース
   - 精神または身体の障害による場合
   - 試用期間・研修期間中の労働
   - 認定職業訓練を受けている場合
   - 軽易な業務に従事する場合

4. 最低賃金を下回る場合の対処法
   - 相談窓口
   - 労働基準監督署への通報

5. まとめ
   - 最低賃金の重要性と今後の展望

 

1. 最低賃金法の概要  
最低賃金法は、労働者が受け取る賃金の最低基準を定める法律です。この法律により、使用者は地域別最低賃金以上の賃金を支払うことが義務付けられています。最低賃金は、都道府県ごとに異なり、例えば東京都では時給932円(令和元年時点)とされています[1][4]。

- 最低賃金の定義  
最低賃金とは、労働者が雇用契約に基づいて受け取る賃金の中で、法律によって定められた最も低い額を指します。これは、労働者の生活を保障し、適正な労働条件を維持するために設けられています[3][4]。

- 最低賃金の適用範囲  
最低賃金法は、すべての労働者に適用されます。これは正社員だけでなく、アルバイトやパートタイムの労働者にも当てはまります。また、地域別最低賃金と特定最低賃金があり、両方が同時に適用される場合には高い方が適用されます[2][3]。

2. 最低賃金以下で働くことの違法性  
最低賃金法では、使用者が労働者に対して最低賃金以下の賃金を支払うことは違法とされています。この法律は雇用形態にかかわらず適用されるため、すべての労働者が保護されています[2][5]。

- 法律に基づく罰則  
使用者が最低賃金未満で労働者を雇用した場合、罰則として50万円以下の罰金が科せられます(最低賃金法第40条)[1][3]。これは、地域別最低賃金や特定最低賃金に違反した場合にも適用されます。

- 労働者の権利と保護  
労働者は、自身が受け取るべき最低限の賃金を保証される権利があります。もし最低賃金未満で支払われた場合、その差額を請求することができます。また、労働基準監督署への通報も可能です[2][5]。

3. 特例・例外ケース  
特定の条件下では、最低賃金以下で働くことが認められる場合があります。これにはいくつかの例外があります。

- 精神または身体の障害による場合  
著しく労働能力が低いと認められる障害者については、都道府県知事の許可を得て、減額された最低賃金が適用されます[1][4]。

- 試用期間・研修期間中の労働  
試用期間や研修期間中は、通常の労働力を期待されないため、最低賃金以下で働くことが許可されることがあります[2][6]。

- 認定職業訓練を受けている場合  
職業能力開発促進法に基づく認定職業訓練を受けている一部の方も同様に特例として扱われます[1][2]。

- 軽易な業務に従事する場合  
特に短い所定労働時間や軽易な業務に従事する場合も、都道府県知事の許可によって減額された最低賃金が適用されることがあります[3][4]。

4. 最低賃金を下回る場合の対処法  
もし最低賃金以下で働いている場合には、適切な対処が必要です。

- 相談窓口  
労働者は、自身の状況について相談できる窓口があります。例えば、各都道府県に設置された労働相談センターや市町村役場などで相談できます[2][5]。

- 労働基準監督署への通報  
違法な賃金支払いについては、労働基準監督署へ通報することで問題解決を図ることができます。監督署は調査を行い、不当な扱いについて是正措置を講じます[2][6]。

5. まとめ  
最低賃金制度は、全ての労働者が公正な報酬を受け取るために重要な役割を果たしています。今後もこの制度が強化されることで、より多くの人々が適正な給与で生活できる環境が整うことが期待されます。また、特例や例外ケースについても理解し、自身の権利を守るために積極的な行動が求められます[1][5]。

Citations:
[1] https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-09.htm
[2] https://baito.mynavi.jp/times/baito/system/20180727-3567/
[3] https://hcm-jinjer.com/blog/jinji/labor-standards-act_minimum-wage/
[4] https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/01/s0107-2b.html
[5] https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/rule.pdf
[6] https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/chingin/saiteichingin.html
[7] https://roudou-pro.com/columns/104/
[8] https://www.fmclub.jp/blog/risk/37

 

補足

最低賃金以下で働かせた場合の罰則規定については、以下のように定められています。

1. 罰則の概要
最低賃金法第40条に基づき、使用者が地域別最低賃金または船員に適用される特定最低賃金を下回る賃金を支払った場合、50万円以下の罰金が科せられます[1][4]。これは、法律が求める最低限の賃金を守らなかった場合の厳しい措置です。

2. その他の違反行為に対する罰則
さらに、最低賃金法第39条では、他の規定に違反した場合には6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられることがあります[1][2]。また、第41条では、報告義務を怠ったり虚偽の報告をした場合にも30万円以下の罰金が適用されます。

3. 法人への罰則 
法人がこれらの違反行為を行った場合、その法人の代表者や従業員も個別に処罰される可能性があります。具体的には、法人に対しても同様の罰金が科せられることがあります[1][2]。

このように、最低賃金法は労働者を保護するために厳格な罰則を設けており、使用者には法律を遵守する責任があります。

しかしながら罰則が安い。

2024年10月から実施される全国の最低賃金について、厚生労働省の発表によると、全国平均で時給1,054円に引き上げられる見込みです。これは過去最高の引き上げ幅で、全国で50円の増額が目安とされています[1][4][3]。

具体的には、東京都の最低賃金は1,163円、神奈川県は1,162円、大阪府は1,114円になる見込みです。また、最低賃金が1,000円を超える都道府県は15カ所に達する見込みです[1][4]。

この改定は毎年7~8月に決定され、10月から適用されるため、詳細な金額は各都道府県で順次発表されますが、すでに多くの地域で具体的な金額が決定済みです[4][5]。

Citations:
[1] https://www.neo-career.co.jp/humanresource/knowhow/a-contents-parttime-saiteichingin2022_220824/
[2] https://baito.mynavi.jp/times/baito/system/20180727-3567/
[3] https://mynavi-ms.jp/magazine/detail/001322.html
[4] https://nalevi.mynavi.jp/solving_problems/20192/
[5] https://www.fmclub.jp/blog/risk/37
[6] https://www.ieyasu.co/media/minimum-wage-by-region-to-be-raised-by-record-high-in-fy2024/
[7] https://taxlabor.com/2023%E5%B9%B410%E6%9C%88%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E9%83%BD%E9%81%93%E5%BA%9C%E7%9C%8C%E5%88%A5%E3%81%AE%E6%9C%80%E4%BD%8E%E8%B3%83%E9%87%91%E4%B8%80%E8%A6%A7%E3%82%92%E7%B4%B9%E4%BB%8B%EF%BC%81/
[8] https://recop.jp/laboratory/recruit_topics9/

Citations:
[1] https://www.rodo.co.jp/laws/116898/
[2] https://hourei.net/law/334AC0000000137
[3] https://baito.mynavi.jp/times/baito/system/20180727-3567/
[4] https://hcm-jinjer.com/blog/jinji/labor-standards-act_minimum-wage/
[5] https://www.fmclub.jp/blog/risk/37
[6] https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/rule.pdf
[7] https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/jirei_toukei/saitei_chingin/saitei/bassoku.html
[8] https://yamanashi-labor.com/news/news-1387/