築40年で固定資産税が下がらない?評価額や減税制度で賢く節税する方法

築40年でなぜ固定資産税が下がらないについて

 

築40年でなぜ固定資産税が下がらない

築40年住宅、固定資産税が下がらない? 原因と対策を徹底解説!

マイホームを構えてから40年。長年住み慣れた我が家も、さすがに経年劣化が気になる頃ですよね。そんな中、ふと固定資産税の明細書を見てみると、あれ? 築40年なのに、まだこんなに固定資産税が高いの? と疑問に思ったことはありませんか?

実は、築40年経過した住宅でも、固定資産税が下がらない理由はいくつかあります。この記事では、その原因と、固定資産税を少しでも下げるための対策について詳しく解説していきます。

築40年住宅にお住まいの方、固定資産税が高くてお困りの方、ぜひ最後まで読んでみてください。



もくじ
1. 築40年住宅でも固定資産税が高い3つの理由
 1.1 固定資産税評価額の減価率に上限がある
 1.2 地価の上昇
 1.3 評価替えのタイミング
2. 固定資産税を下げる5つの対策
 2.1 耐震改修を行う
 2.2 省エネ改修を行う
 2.3 土地の形状変更を行う
 2.4 固定資産税減免制度を利用する
 2.5 自治体に相談する
3. まとめ
4. 参考情報

 

築40年でなぜ固定資産税が下がらない? 原因と対策を徹底解説

1. 築40年住宅でも固定資産税が高い3つの理由

 1.1 固定資産税評価額の減価率に上限がある

固定資産税は、固定資産税評価額に基づいて課税されます。固定資産税評価額は、基準地価と家屋価格を元に算出されますが、家屋価格については、耐用年数に応じて減価率を乗じて算出されます。

しかし、この減価率には上限が設けられており、木造家屋の場合で20%、**鉄筋コンクリート造の場合で10%**となっています。築40年以上の木造家屋は既に減価率の上限に達しているため、家屋価格が下がっても固定資産税評価額が大きく下がることはないのです。

具体的には、例えば築40年の木造家屋の場合、取得価格が1,000万円だったとしても、減価率20%が適用されるため、家屋価格は800万円となります。そして、基準地価が1㎡あたり10万円だった場合、土地面積100㎡であれば、土地評価額は1,000万円となります。よって、固定資産税評価額は合計1,800万円となり、これが固定資産税の課税基準となります。

このように、築40年以上の木造家屋の場合、家屋価格が下がっても、減価率の上限によって固定資産税評価額が大きく下がることはないという点に注意する必要があります。

 1.2 地価の上昇

固定資産税評価額は、基準地価と家屋価格を元に算出されますが、近年は都市部を中心に地価が上昇傾向にあります。そのため、たとえ家屋価格が下がっても、地価の上昇によって固定資産税評価額が下がらなくなるケースもあります。

地価上昇の影響は地域によって大きく異なり、特に東京圏などの大都市部で顕著です。例えば、国土交通省の「令和4年地価調査」によると、東京圏の住宅地の平均地価は前年比1.4%上昇しており、これはバブル期以来の高水準となっています。

地価上昇は、固定資産税だけでなく、相続税贈与税などの課税にも影響を与えます。資産価値が高くなると、これらの税金も高くなるため、注意が必要です。

対策

地価上昇による固定資産税の負担軽減には、以下の対策が考えられます。

耐震改修や省エネ改修を行う:これらの改修を行うことで、家屋の評価額が上がり、固定資産税が下がる可能性があります。
土地の形状変更を行う:土地の形状によっては、固定資産税評価額が下がる可能性があります。
固定資産税減免制度を利用する:低所得者や高齢者など、一定の条件を満たす場合は、固定資産税が減免される制度があります。

これらの対策について、詳しくは自治体に相談することをおすすめします。

 1.3 評価替えのタイミング

固定資産税評価額は、3年ごとに評価替えと呼ばれる手続きによって見直されます。評価替えの年に、建物の状態や周辺環境の変化などを考慮して評価額が算定されるため、築年数が経過していても、周辺環境が良好だったり、建物が丁寧にメンテナンスされている場合には、評価額が大きく下がることは必ずしもありません。

しかし、評価替えの年に築40年を迎えたとしても、必ずしも評価額が大幅に下がるわけではありません。これは、前述の通り、家屋価格の減価率に上限があるためです。

固定資産税の負担を軽減するためには、評価替えのタイミングを意識することも重要です。ご自身の住まいの状況に合わせて、次回の評価替えの年に合わせて対策を検討することをおすすめします。

参考情報

https://www.city.matsumoto.nagano.jp/soshiki/15/3614.html
https://www.homes.co.jp/cont/money/money_00481/

2. 固定資産税を下げる5つの対策

 2.1 耐震改修を行う

築40年を超えた木造住宅の場合、耐震性能が不足している可能性があります。大地震が発生した場合、倒壊や損壊の危険性が高く、住まいの安全を確保するためにも、耐震改修を行うことが重要です。

耐震改修を行うことで、以下のメリットが期待できます。

建物の耐震性能を向上させ、地震による倒壊や損壊の危険性を軽減
固定資産税評価額をアップさせる可能性
住宅の安全性を高め、資産価値を維持・向上
助成金制度を利用できる場合がある

一方、耐震改修には費用がかかります。具体的な費用は、建物の構造や規模、耐震改修の内容によって異なりますが、一般的には数百万円から数千万円程度と見積もられます。

耐震改修を検討する際は、まず専門業者に診断してもらい、建物の状態や耐震性能を把握することが重要です。その上で、どのような耐震改修が必要か、費用はどのくらいかかるのかを検討し、必要に応じて自治体の助成金制度などを活用しましょう。

耐震改修の費用目安

木造戸建て住宅:約200万円~500万円
鉄筋コンクリート造マンション:約500万円~1,000万円

耐震改修の助成金制度

国の耐震改修促進事業
都道府県の耐震改修促進事業
市区町村の耐震改修助成制度

耐震改修は、住まいの安全を守るための重要な投資です。費用はかかりますが、将来の地震への備えとして、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

 2.2 省エネ改修を行う

築40年経過した住宅は、断熱性能が低く、夏は暑く、冬は寒いという問題を抱えています。また、古いエアコンや給湯器などの設備を使用している場合、電気代やガス代が高くなる可能性があります。

省エネ改修を行うことで、これらの問題を改善し、光熱費を節約することができます。具体的には、以下のような改修が考えられます。

断熱材の施工:壁や屋根、床などに断熱材を施工することで、室内の熱の出入りを抑え、冷暖房効果を高めることができます。
高効率な設備機器への交換:エアコンや給湯器などの設備機器を、省エネ性能の高いものに交換することで、電気代やガス代を節約することができます。
太陽光発電システムの設置:太陽光発電システムを設置することで、日中に発電した電力を自家消費し、電気代を節約することができます。

省エネ改修には費用がかかりますが、光熱費の節約効果や、省エネ住宅に対する補助金制度などを活用することで、費用対効果を期待することができます。

省エネ改修を検討する際は、専門業者に相談し、最適な改修内容を検討することをおすすめします。

省エネ改修のメリット
光熱費の節約
快適な室内環境の実現
CO2排出量の削減
住宅の資産価値向上
省エネ改修の費用
断熱材の施工:約50万円~100万円
高効率な設備機器への交換:約10万円~30万円
太陽光発電システムの設置:約100万円~200万円
省エネ改修の補助金制度
国の「省エネ住宅改修促進事業」
地方自治体の補助金制度
省エネ改修を検討する際のポイント
専門業者に相談する
複数の業者の見積もりを取る
補助金制度を利用する
長期的な視点で考える

省エネ改修は、光熱費節約や快適な住環境の実現だけでなく、環境保全にも貢献することができます。築40年経過した住宅にお住まいの方は、ぜひ省エネ改修を検討してみてはいかがでしょうか。

 2.3 土地の形状変更を行う

土地の形状変更とは、土地の境界線を変更したり、区画整理などを行ったりする行為を指します。固定資産税評価額は、土地の形状によって左右されるため、形状変更を行うことで評価額を下げることが可能になる場合があります。

形状変更が有効なケース

旗竿地などの変形地の場合:形状変更によって整形地にすることで、評価額がアップすることがあります。
空き地を複数に分筆する場合:分筆することで、それぞれの土地の評価額を適正化することが可能になります。
道路に接する部分を増やす場合:道路 frontage が評価額に反映されるため、接する部分を増やすことで評価額をアップすることができます。

形状変更を行う際の注意点

土地形状変更には、測量や登記などの手続きが必要となります。
場合によっては、行政の許可が必要となる場合があります。
土地形状変更によって、建物の配置が制限される場合もあります。

形状変更の費用

土地形状変更にかかる費用は、変更内容や測量費用、登記費用などによって異なりますが、一般的には数十万円から数百万円程度となります。

形状変更を検討する際のポイント

固定資産税評価額がどの程度下がるのかを事前に試算する必要があります。
土地形状変更によって、将来的にどのようなメリット・デメリットがあるのかを検討する必要があります。
専門家(土地家屋調査士、税理士など)に相談することをおすすめします。

土地形状変更は、固定資産税評価額を下げる有効な手段の一つですが、費用や注意点も理解した上で検討することが重要です。専門家に相談しながら、自分に合った方法を検討しましょう。

 2.4 固定資産税減免制度を利用する

築40年経過した住宅であっても、一定の条件を満たせば固定資産税が減免される制度があります。代表的な制度は以下の2つです。

1. 住宅用地等の軽減措置

対象者:所有する住宅用地の面積に応じて、固定資産税が3分の1または6分の1に軽減される
条件:
申請者がその住宅地に居住していること
住宅が耐火構造であること
その他、市町村によって定められた条件を満たすこと
申請方法:毎年1月31日までに、お住まいの市区町村の役所へ申請

2. 高齢者等特別軽減措置

対象者:70歳以上の方、所得が一定額以下の方、その他、市町村によって定められた条件を満たす方
条件:
申請者が所有する固定資産の全部について居住していること
その他、市町村によって定められた条件を満たすこと
申請方法:毎年1月31日までに、お住まいの市区町村の役所へ申請

上記以外にも、災害被災者や生活保護受給者等を対象とした固定資産税減免制度があります。詳細は、お住まいの市区町村の役所にお問い合わせください。

固定資産税減免制度は、住宅所有者の負担軽減に役立つ制度です。該当すると思われる方は、お住まいの市区町村の役所へ相談してみてはいかがでしょうか。

制度の注意点

固定資産税減免制度は、市区町村によって制度内容や申請方法が異なります。
申請には、必要書類を揃える必要があります。
申請期限を過ぎると、減免を受けることができません。

参考情報

固定資産税の減免措置の あり方について: https://kwansei.repo.nii.ac.jp/record/19028/files/66-3_03.pdf
固定資産税が免除・減税になる条件まとめ【節税方法はあるの?】: https://vs-group.jp/real-estate/exemption-cut/
固定資産税を減税!知っておきたい申請方法や基本知識を解説: https://goldtrust.co.jp/blog/column/39/1384/

 2.5 自治体に相談する

お住まいの市区町村の役所では、固定資産税に関する様々な相談を受け付けています。

固定資産税評価額について疑問がある
固定資産税減免制度の適用について知りたい
その他、固定資産税に関することで困っていることがある

上記のような場合は、ぜひお住まいの市区町村の固定資産税担当窓口に相談してみてください。

担当者は、個別の状況に合わせて、固定資産税に関するアドバイスや、減税申請のサポートなどを提供してくれます。

固定資産税は、住宅を所有する上で避けて通れない税金ですが、自治体に相談することで、負担を軽減できる可能性があります。

わからないことがあれば、一人で抱え込まずに、ぜひ自治体に相談してみましょう。

相談窓口

お住まいの市区町村の役所 固定資産税担当窓口
電話番号:[市区町村の固定資産税担当窓口
ホームページ:[市区町村の固定資産税担当窓口

その他

固定資産税に関する情報は、総務省のホームページでも確認できます。

総務省 固定資産税ポータルサイトhttps://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_08.html

固定資産税について、わからないことがあれば、上記の情報も参考にしてみてください。

3. まとめ

築40年経過しても固定資産税が下がらない理由は、固定資産税評価額の減価率に上限があること、地価が上昇していること、評価替えのタイミングが関係している複合的なものです。

しかし、耐震改修や省エネ改修、土地の形状変更、固定資産税減免制度の利用、自治体への相談など、状況に応じて検討できる対策があります。

固定資産税は住宅を所有する上で避けて通れない税金ですが、上記のような対策を講じることで、ある程度負担を軽減することができます。ご自身の状況に合った方法を検討し、賢く固定資産税を対策しましょう。

4. 参考情報

固定資産税減免制度について詳しく知りたい方
総務省ホームページ:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_08.html
国土交通省ホームページ:https://www.mlit.go.jp/page/content/001712685.pdf
家屋の評価額について詳しく知りたい方
財務省ホームページ:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_08.html
国税庁ホームページ:https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishishiken/point2015/11.htm
固定資産税に関する相談窓口
お住まいの市区町村の役所