MT車がAT車より安いについて
MT車とAT車の価格差は、どの程度あるのだろうか。国土交通省の「自動車統計年報」によると、2022年度の新車販売台数に占めるMT車の割合は、1%になっている。このように、AT車に比べてMT車の需要は少なくなりつつある。
出典https://www.carsensor.net/contents/editor/category_849/_67454.html
もくじ
1 部品点数や構造がシンプル
1-1 製造工程が簡略化できる
1-2 需要が少ない
2 メリットデメリット
2-1 メリット
2-2 デメリット
3 MT車の未来
まとめ
1 部品点数や構造がシンプル
1-1 製造工程が簡略化できる
AT車の製造工程では、クラッチ、トランスミッションなどの部品を取り付ける必要がある。そのため、製造工程が複雑化し、製造コストがかさむ。
一方、MT車の製造工程では、クラッチやトランスミッションなどの部品を取り付ける必要がないため、製造工程が簡略化でき、製造コストを抑えることができる。
具体的には、AT車の製造工程では、以下のような工程が追加される。
- クラッチの組み付け
- トランスミッションの組み付け
- オートマチックトランスミッションコントロールユニット(ATCU)の組み付け
- セレクトレバーの組み付け
- シフトレバーの組み付け
- シフトインジケーターの組み付け
これらの工程を省略することで、製造工程の時間を短縮し、製造コストを削減することができる。
また、AT車では、クラッチやトランスミッションなどの部品が組み付けられた状態で車体に搭載されるため、車体と部品の調整や検査などの工程も追加される。
一方、MT車では、車体に部品を取り付けた後にクラッチやトランスミッションを組み付けるため、これらの工程を省略することができる。
1-2 需要が少ない
AT車の普及に伴い、MT車の需要は減少している。国土交通省の「自動車統計年報」によると、2022年度の新車販売台数に占めるMT車の割合は、1%となっている。
MT車の需要が減少している理由としては、以下の点が挙げられる。
- 運転操作が難しい
MT車は、シフトチェンジやクラッチ操作などの運転操作がAT車に比べて難しい。そのため、特に初心者や高齢者などには、AT車の方が操作しやすいと感じる。
- 渋滞などでの運転が疲れる
MT車は、渋滞などでの運転がAT車に比べて疲れやすい。シフトチェンジを頻繁に行う必要があるため、足や腕に負担がかかる。
- 車両の価値が下がりにくい
AT車に比べてMT車の需要が少ないため、中古車市場ではAT車よりも価値が下がりにくい。そのため、車を売却する際の下取り価格が低くなる可能性もある。
このような理由から、MT車の需要は今後も減少していくと考えられる。
2 メリットデメリット
2-1 メリット
MT車には、以下のメリットがある。
- 車両価格が安い
MT車は、AT車に比べて部品点数や構造がシンプルであるため、部品代や組み立て費用が安く、車両価格に反映される。
- 燃費がよい
MT車は、AT車に比べてエンジンブレーキが利きやすく、燃料を効率的に使用できる。そのため、燃費がよい傾向にある。
- 運転の楽しさがある
MT車は、クラッチ操作やギアチェンジを自分で行うため、車を操縦している感覚をより強く味わうことができる。また、自分の意志で車の走行状態をコントロールできるため、運転の楽しさをより深く味わうことができる。
これらのメリットは、MT車を選ぶ際の大きなポイントとなる。
2-2 デメリット
MT車には、以下のデメリットがある。
- 運転操作が難しい
MT車は、クラッチ操作とシフト操作を自分で行う必要がある。そのため、AT車に比べて運転操作が難しい。特に、渋滞などで頻繁にクラッチ操作を繰り返す場合、疲労やストレスが溜まりやすい。
- 渋滞などでの運転が疲れる
MT車は、AT車に比べて渋滞などでの運転が疲れやすい。クラッチ操作を頻繁に繰り返す必要があるため、足や腕が疲れる。また、クラッチ操作を誤ると、エンストやエンジンのダメージにつながる可能性がある。
- 車両の価値が下がりにくい
AT車に比べてMT車の需要は少ないため、車両の価値が下がりにくい。そのため、中古車として売却する際、AT車に比べて損をする可能性がある。
これらのデメリットは、MT車を検討する際に考慮すべき点である。
3 MT車の未来
MT車の未来は、不透明である。
MT車がAT車に比べて安いなどのメリットはあるものの、運転操作が難しいなどのデメリットもある。また、AT車の技術革新により、燃費や走行性能が向上し、MT車のメリットが薄れつつある。
一方で、MT車には、運転の楽しさや、クラッチ操作やシフト操作を自分で行うことで得られるダイレクト感などの魅力もある。そのため、一部のユーザーには、AT車にはない魅力を評価する声もある。
今後、MT車の未来は、以下の2つの要因によって大きく左右されると考えられる。
- AT車の技術革新
AT車の技術革新がさらに進み、燃費や走行性能が大幅に向上した場合、MT車のメリットがさらに薄れ、AT車の普及がさらに進む可能性がある。
- ユーザーのニーズ
運転の楽しさを追求するユーザーや、クラッチ操作やシフト操作を自分で行うことで得られるダイレクト感を重視するユーザーが増えた場合、MT車の需要が維持される可能性がある。
以上のことから、MT車は、一部のユーザーのニーズに応える形で、一定の需要を維持していくと考えられる。ただし、AT車に比べて販売台数は減少していくと考えられる。
まとめ
MT車がAT車より安い理由は、部品点数や構造がシンプル、製造工程が簡略化できる、需要が少ないなどの要因が挙げられる。MT車には、車両価格が安い、燃費がよい、運転の楽しさがあるなどのメリットがあるが、運転操作が難しい、渋滞などでの運転が疲れる、車両の価値が下がりにくいなどのデメリットもある。MT車の未来は不透明だが、一部の車種では、AT車にはない魅力を評価するユーザーも多く、今後も一定の需要が見込まれる。
補足
電気自動車になってもMT車は存在するか
電気自動車になってもMT車は存在する可能性はあります。ただし、AT車に比べて需要が少ないため、販売台数は減少していくと考えられます。
電気自動車のMT車が存在する理由は、以下の2つが挙げられます。
- 運転の楽しさを追求するユーザーのニーズ
MT車は、クラッチ操作やシフト操作を自分で行うことで、運転の楽しさを味わうことができます。そのため、運転の楽しさを追求するユーザーの中には、電気自動車でもMT車を希望する人がいます。
- コスト削減の観点
電気自動車は、エンジンやトランスミッションなどの部品が不要なため、MT車ではさらに部品点数や製造工程を簡略化することができます。そのため、コスト削減の観点から、MT車を採用するメーカーも出てくる可能性があります。
一方、電気自動車のMT車が存在しない理由は、以下の2つが挙げられます。
- AT車の技術革新
近年、AT車の技術革新が進み、燃費や走行性能が向上しています。そのため、MT車のメリットが薄れ、AT車の普及が進む可能性があります。
- 需要の減少
MT車の需要は、AT車の普及に伴い、年々減少しています。電気自動車になっても、この傾向は続くと考えられます。
以上のことから、電気自動車になってもMT車は存在する可能性はありますが、AT車に比べて需要は少ないため、販売台数は減少していくと考えられます。
マニアの方が購入するのでしょう。
いずれにせよ希少な存在になっていくようです。