消防団員が過去最少!地域の防災力が低下する恐れ

消防団員が過去最少について

 

消防団員が過去最少となった背景

総務省消防庁の調査によると、令和5年4月1日時点の全国の消防団員数は76万2670人で、前年比2万908人減の過去最少となった。この減少は、消防団員の担い手である若年層の減少と、消防団活動への負担感の高まりが主な要因と考えられる。


若年層の減少

20歳から39歳までの消防団員数の推移については、具体的な数字はまだ不明ですが、ただし、年齢階層別の入団者数を見ると、20歳代と30歳代の入団者数は減少傾向にあり、一方で40歳代以上の入団者数は増加傾向にあると報告されています。

若年層の減少は、少子化や若者のライフスタイルの多様化が背景にあると考えられる。また、近年は消防団活動への負担感の高まりも、若年層の消防団離れに拍車をかけている。

消防団活動への負担感

消防団活動は、火災や救急などの災害現場への出動や、消防署の業務支援など、多岐にわたる。近年は、消防団の活動範囲が拡大するとともに、災害の規模や複雑性も増加している。そのため、消防団員は、より多くの時間と労力を消防団活動に費やす必要に迫られている。

また、消防団活動は、地域住民の安全を守るという重要な役割を担っている一方で、無償で行われており、消防団員は、仕事や学業などのほかに、消防団活動にも時間を割かなければならない。そのため、消防団活動への負担感が高まり、消防団離れにつながっていると考えられる。

消防団員の減少がもたらす影響

消防団員の減少は、地域の防災力を低下させる懸念がある。消防団は、消防本部の消防隊と協力して、地域の消火や救急などの防災活動を担っている。消防団員が減少すると、消防本部の消防隊だけでは、地域の防災活動を十分に担うことが難しくなる。

また、消防団は、地域の防災教育や広報活動にも重要な役割を果たしている。消防団員の減少は、地域の防災意識の向上や、防災に関する知識や技術の普及にも影響を与えると考えられる。

消防団員の減少を防ぐための対策

消防団員の減少を防ぐためには、若年層の消防団への入団を促進し、消防団活動への負担感を軽減する必要がある。

若年層の消防団への入団を促進するためには、消防団活動の魅力や意義を積極的に伝えることが重要である。また、消防団活動の負担を軽減するためには、消防団員の待遇改善や、消防団活動の効率化などの取り組みが必要である。

具体的には、以下のような対策が考えられる。

  • 消防団活動を体験できるイベントやプログラムの充実
  • 消防団活動に対する社会的な理解の促進
  • 消防団員の待遇改善(手当の増額や休暇制度の拡充など)
  • 消防団活動の効率化(消防署との連携強化や、女性や高齢者など、新たな担い手の活用など)

これらの対策を講じることで、消防団員の減少を食い止め、地域の防災力を維持・向上させていくことが重要である。

消防団の待遇改善

消防団員の減少が深刻な問題となっている中、消防団員の待遇改善に関する検討が行われています。

消防団員の待遇改善では、報酬等の処遇改善が焦点となっています。具体的には、消防団員に直接支給すべき経費(年額報酬や出動報酬等)と、消防団や分団の運営に必要な経費(装備や被服に係る経費、維持管理費、入団促進や広報に係る経費等)について検討されています。

年額報酬や出動報酬の増額は、消防団員の収入を増やし、消防団活動への参加意欲を高める効果が期待されています。また、装備や被服の更新、維持管理費の増額は、消防団員の安全確保と活動の効率化につながります。入団促進や広報に係る経費の増額は、若年層や女性などの新たな担い手を獲得するために必要です。

政府の有識者会議では、報酬や手当が個人に支給されないことで家族の理解が得られないとの声が上がっていることが報じられています。消防団員の待遇改善を図るには、消防団員の家族の理解も必要不可欠です。

消防団員の待遇改善は、地域の防災力を維持・向上させるために不可欠です。政府や自治体は、消防団員の声を丁寧に聞き、効果的な待遇改善策を検討していく必要があります。

具体的な待遇改善策

消防団員の待遇改善策として、以下のようなものが考えられます。

  • 年額報酬の引き上げ
  • 出動報酬の引き上げ
  • 災害派遣手当の支給

これらの待遇改善策を実施することで、消防団員の収入や労働環境を改善し、消防団活動への参加意欲を高めることができます。また、消防団員の家族の理解も得られやすくなるでしょう。

消防団の待遇改善は、地域の防災力を守るためにも、早急に実現すべき課題です。

今後の課題

消防団員の減少は、今後も続くことが予想される。そのため、消防団員の減少を防ぐための対策を早急に検討し、実施していく必要がある。

また、消防団員の減少を補うために、消防本部の消防隊の強化や、民間事業者やNPOなどの協力を得た新たな防災体制の構築なども検討していく必要がある。

消防団員の減少は、地域の防災力を低下させる大きな課題である。この課題を解決するために、関係者の連携と協力が不可欠である。