認知症は治療できるのかについて
認知症は、脳の機能が低下することで、記憶力、注意力、判断力、理解力、計算力、言語能力、空間認知などの認知機能が障害される病気です。
認知症の原因は、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、脳血管性認知症、前頭側頭型認知症、混合型認知症など、さまざまな病気が考えられます。
認知症は、現在のところ根本的に治癒する治療法はありません。しかし、進行を遅らせたり、症状を緩和したりする治療法は確立されています。
認知症の治療法
認知症の治療法は、大きく分けて薬物療法と非薬物療法の2つに分けられます。
薬物療法は、認知機能の低下や行動・心理症状の改善を目的に行われます。
認知機能の低下を改善する薬としては、アルツハイマー型認知症に対してアセチルコリンエステラーゼ阻害薬やNMDA受容体拮抗薬が、レビー小体型認知症に対してドパミン作動薬が用いられます。
行動・心理症状の改善を目的とした薬としては、せん妄や幻覚・妄想などの精神症状に対して抗精神病薬や抗不安薬が、抑うつや不安などの感情症状に対して抗うつ薬や抗不安薬が用いられます。
非薬物療法
非薬物療法は、認知機能の維持や向上、行動・心理症状の改善、生活の質の向上を目的に行われます。
認知機能の維持や向上を目的とした非薬物療法としては、認知リハビリテーションや運動療法などがあります。
認知リハビリテーションは、脳の機能を活性化させることを目的とした訓練です。ゲームやパズル、計算ドリルなどの脳トレや、音楽や絵画などの芸術活動、手芸などの作業活動などが行われます。
運動療法は、脳の血行を改善し、認知機能を向上させることを目的に行われます。ウォーキングや水泳などの有酸素運動や、筋力トレーニングなどのレジスタンス運動などが有効です。
行動・心理症状の改善を目的とした非薬物療法としては、認知行動療法や家族療法などがあります。
認知行動療法は、認知の歪みや行動パターンの改善を目的とした心理療法です。
家族療法は、認知症の患者さんとその家族が、認知症を理解し、共に生活していくための支援を行う療法です。
認知症の治療の展望
認知症の根本的な治療法の開発に向けた研究が世界中で進められています。
アルツハイマー病の原因であるアミロイドβやタウタンなどの異常タンパク質の蓄積を抑制する薬や、脳の神経細胞の再生を促す薬などの開発が進んでいます。
また、認知症の早期発見・早期治療の重要性が認識され、認知症のスクリーニング検査や早期診断法の開発が進められています。
これらの研究の成果が実用化されれば、認知症の治療法や予防法の開発が進み、認知症の患者さんの生活の質の向上が期待されます。
認知症の予防
認知症の予防には、以下のことが重要です。
- 健康的な食生活
- 適度な運動
- 禁煙・節酒
- ストレスを溜めない
- 社会的な交流を深める
また、アルツハイマー病のリスクを高める可能性がある遺伝子を持つ人は、早期から予防対策を行うことが重要です。
薬物療法の薬を深堀すると
認知症の治療には、薬物療法が一般的に使用されます。認知症の主な治療薬としては、以下のものが挙げられます
- ドネペジル塩酸塩(アリセプト®など): コリンエステラーゼ阻害薬で、軽度~重度のアルツハイマー型認知症の患者に処方されます。
- メマンチン塩酸塩(メマリー®): 記憶や学習に関わる神経伝達物質の過剰分泌による脳神経細胞の死滅を防ぐ治療薬で、中等度~重度のアルツハイマー型認知症の患者に処方されます。
- ガランタミン臭化水素酸塩(レミニール®): コリンエステラーゼ阻害薬で、軽度~中等度のアルツハイマー型認知症の患者に処方されます。
これらの薬は、認知症の中核症状を一時的に改善し、認知症の進行を遅らせる効果があるとされています。また、認知症の治療には他にも睡眠導入剤、漢方薬、抗不安薬、抗精神病薬、抗てんかん薬などが使用され、行動や心理状態の変化といった周辺症状を軽減するためにも利用されます。
ここで言いたいことは
現在のところ根本的に治癒する治療法はありません。
認知症になったら今のところ治せないのです。
認知症になるまでに20年くらいかかりますから70歳で発症しても
かかり始めは、40代からなのです。
予防が大事と自分はおもいます。
じつは発症する人はもう進行しているのです。
その進行を遅らせるしかないと思います。
年齢を重ねればだれでも脳が無傷ではいられない、
しかしながら努力で進行を遅らせたいものですね。