認知症の疑いがある? 簡単なチェックリストで確認しよう

認知症か確認方法について

 

認知症の確認方法

認知症は、脳の神経細胞の働きが低下することで、記憶力、判断力、理解力、計算力、言語能力、注意力、視空間認知などが障害される病気です。


認知症の症状は、人によってさまざまですが、一般的には以下のようなものが挙げられます。

  • 物忘れ(特に最近の出来事)
  • 判断力の低下(金銭の管理や買い物の失敗)
  • 言葉が出てこない(失語)
  • 時間や場所の見当識の障害
  • 計算力の低下
  • 失行(日常生活動作の障害)
  • 幻覚や妄想

認知症は、早期に発見・治療することが大切です。早期に発見できれば、進行を遅らせたり、症状を軽減したりする効果が期待できます。

認知症の確認方法には、大きく分けて以下の2つがあります。

  1. セルフチェック
  2. 専門医による診断

セルフチェック

セルフチェックとは、自分で認知症の症状があるかどうかをチェックすることです。

インターネットや書籍などには、認知症の症状をチェックするためのチェックリストが多数公開されています。

また、自治体や民間団体などが実施している認知症の早期発見検査を受けることもできます。

セルフチェックや早期発見検査で、認知症の疑いがあると判断された場合は、専門医による診断を受ける必要があります。

専門医による診断

専門医による診断では、以下のような検査が行われます。

  • 問診:本人や家族から、認知症の症状や生活状況などについて聞き取ります。
  • 神経心理学検査:記憶力、判断力、理解力、計算力、言語能力、注意力、視空間認知などを評価する検査です。
  • 脳画像検査:MRIやCTなどを使って、脳の構造や機能の異常を調べる検査です。
  • 血液検査:認知症の原因となる病気の有無を調べる検査です。

これらの検査の結果から、認知症の診断が下されます。

認知症の診断基準

認知症の診断には、日本老年医学会が定めた「認知症診断基準」が用いられます。

この基準では、認知症の診断には以下の3つの要素が必要であるとされています。

  • 認知機能の低下
  • 日常生活動作の障害
  • 認知機能の低下が脳の器質性変化によるものである

認知機能の低下とは、記憶力、判断力、理解力、計算力、言語能力、注意力、視空間認知などの認知機能が、同年齢の健常者と比べて著しく低下していることを指します。

日常生活動作の障害とは、食事、入浴、排泄、着替え、洗濯、買い物、移動、金銭管理などの日常生活動作が、困難になったり、援助が必要になったりしていることを指します。

認知機能の低下が脳の器質性変化によるものであるかどうかは、神経心理学検査や脳画像検査などの結果から判断されます。

認知症の種類

認知症には、大きく分けて以下の4つのタイプがあります。

アルツハイマー認知症

アルツハイマー認知症は、認知症の原因の約60~70%を占める最も一般的なタイプです。

脳内にアミロイドベータやタウという異常なたんぱく質が蓄積することで、神経細胞が死滅し、認知機能が低下します。

症状としては、記憶力障害、判断力の低下、言語障害、失行、幻覚や妄想などがみられます。

血管性認知症

血管性認知症は、脳の血管が詰まったり、破れたりすることで、脳の血流が不足し、神経細胞が死滅することで発症します。

血管性認知症の予防

血管性認知症の予防には、以下のことに気をつけることが大切です。

  • 高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病を予防する
  • 禁煙する
  • 適度な運動をする
  • 健康的な食事をする

これらのことに気をつけることで、血管性認知症のリスクを減らすことができます。

具体的には、以下のことに取り組みましょう。

高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病は、血管の老化や硬化を促進し、脳卒中のリスクを高めます。これらの病気を予防・コントロールすることで、脳卒中を予防し、血管性認知症のリスクを減らすことができます。

  • 禁煙する。

タバコの煙には、血管を収縮させる成分が含まれています。喫煙は、脳卒中のリスクを高めるだけでなく、認知機能の低下にもつながります。禁煙することで、脳卒中認知症のリスクを減らすことができます。

  • 1日30分以上の適度な運動を、週に3回以上行う。

運動は、血行を促進し、血管を健康に保つ効果があります。また、運動は認知機能の向上にも役立ちます。1日30分以上の適度な運動を、週に3回以上行うようにしましょう。

  • 野菜や果物、海藻類、大豆製品などの、栄養バランスの良い食事を心がける。

野菜や果物、海藻類、大豆製品などの食材には、血管の健康に役立つ栄養素が含まれています。バランスの良い食事を心がけましょう。

また、血管性認知症の予防には、以下のようなことも有効と考えられています。

  • ストレスを溜め込まない

ストレスは、血管の老化を促進すると言われています。ストレスを溜め込まないように、適度なリフレッシュやストレス発散を心がけましょう。

  • 十分な睡眠をとる

睡眠不足は、血管の収縮や血流の悪化を引き起こす可能性があります。十分な睡眠をとり、心身の疲れを回復しましょう。

脳トレは、脳の血流を改善し、認知機能の向上に役立ちます。簡単なクイズやパズルなど、自分に合った脳トレを日常に取り入れましょう。

認知症は、早期発見・治療が大切です。また、認知症の予防にも、早めの対策が重要です。ご自身の健康状態や生活習慣を振り返り、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

血管性認知症の進行を遅らせる

血管性認知症の進行を遅らせるためには、早期発見・治療に加えて、以下のことに取り組むことが大切です。

認知機能の維持・向上のためには、認知リハビリテーションが有効です。認知リハビリテーションでは、記憶力や判断力、計算力、言語能力、注意力などの認知機能を鍛え、日常生活をより自立して送れるようにサポートします。

血管性認知症の原因となる脳卒中の再発を予防することも、認知症の進行を遅らせるために重要です。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病を適切にコントロールし、禁煙を継続するなど、脳卒中を予防するための対策を徹底しましょう。

血管性認知症は、生活習慣病を予防し、健康的な生活を送ることで、そのリスクを減らすことができます。ご自身の健康状態や生活習慣を振り返り、早めの対策を心がけましょう。