「減額返還制度、返還期限猶予制度とは」について
「減額返還制度、返還期限猶予制度とは」
減額返還制度および返還期限猶予制度は、日本の奨学金制度において、経済的な困難を抱える人々が奨学金の返還を行う際に利用できる重要な制度です。これらの制度は、返還が困難な状況にある奨学生を支援し、経済的負担を軽減することを目的としています。本稿では、これらの制度の概要と具体的な内容について詳しく解説します。
https://www.jasso.go.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2023/06/30/gengaku_yuyo_1.jpg
目次
1. 減額返還制度
- 概要
- 適用条件
- 適用期間
- 留意点
2. 返還期限猶予制度
- 概要
- 申請手続き
- 適用期間
- 留意点
3. 減額返還制度と返還期限猶予制度の比較
4. まとめ
1. 減額返還制度
概要
減額返還制度は、経済的な困難により奨学金の返還が難しい場合に、返還月額を減額できる制度です。この制度では、返還月額を2分の1または3分の1に減額し、返還期間を延長することが可能です[1]。
適用条件
この制度を利用するためには以下の条件を満たす必要があります:
- 災害、傷病、その他経済的理由により奨学金の返還が困難であること。
- 願出および審査の時点で延滞していないこと。
- 口座振替(リレー口座)に加入していること。
- 月賦返還であること[1][5]。
適用期間
減額返還制度は、1回の願出につき12か月まで適用されますが、適用期間終了前に再度願い出ることで延長が可能です。通算適用期間は15年(180か月)が限度です[1][5]。
留意点
- 減額返還は毎月の返還金を減額するものであり、返還予定総額が減少するわけではありません。
- 返還期間が延長されても、利子の総支払額には変更がありません。
- 減額返還適用中に振替ができなかった場合、適用取消となる可能性があります[1]。
2. 返還期限猶予制度
概要
返還期限猶予制度は、奨学金の返還が困難な状況にある場合に、その期限を猶予することができる制度です。この制度により、一定期間の間は奨学金の返還を一時的に停止できます[2][4]。
申請手続き
申請には「奨学金返還期限猶予願」とマイナンバー提出書を記入し、返還困難な事情を証明する書類を添付します。これらを日本学生支援機構に提出する必要があります。審査中は口座振替請求や督促通知が行われるため注意が必要です[2][4]。
適用期間
返還期限猶予は通算で10年(120か月)が限度ですが、特定の理由(災害や傷病など)によってはその期間中も猶予を受けることができます。延滞している場合は、延滞開始から1年ごとに再申請が必要です[2][4]。
留意点
- 申請内容や証明書類に不備があると申請が却下される可能性があります。
- 返還期限猶予中は元金や利子の免除はなく、猶予終了後に再び返還が開始されます[4]。
3. 減額返還制度と返還期限猶予制度の比較
両制度とも経済的な支援を目的としているものの、その内容や適用条件には明確な違いがあります。利用者は自身の状況に応じてどちらかを選択することが重要です[3][4].
4. まとめ
減額返還制度と返還期限猶予制度は、日本の奨学金制度において重要な支援策です。経済的困難によって奨学金の返済が厳しい場合には、それぞれの制度を理解し、自身の状況に最も適した方法で申し込むことが大切です。これらの制度を活用することで、経済的負担を軽減しながら教育資金を管理することが可能になります。
Citations:
[1] https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/gengaku/seido.html
[2] https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/about.html
[3] https://financial-field.com/loan/entry-361761
[4] https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/teishutsu.html
[5] https://green-osaka.com/sh-knowhow/saimuseiri/want-to-reduce-scholarship.html
[6] https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/index.html
[7] https://www.jasso.go.jp/faq/shogakukin/henkan_konnan/ippan/1190625_2724.html
[8] https://www.cr.mufg.jp/mycard/beginner/23032/index.html
[9] https://saimubengo-line.com/shogakukin-hensai-menjyo/
補足
返還しない奨学金とは違うものか
返還しない奨学金は、一般的に「給付型奨学金」と呼ばれるものであり、これは返済の義務がない奨学金です。給付型奨学金は、特定の条件を満たすことで支給され、学生が卒業後に返還する必要がありません。これに対して、貸与型奨学金は借りたお金を将来的に返還する必要があるため、返還しない奨学金とは異なります。
給付型奨学金の代表例として、日本学生支援機構が提供する「給付奨学金」が挙げられます。この制度は、住民税非課税世帯やそれに準じる世帯の学生を対象にしており、一定の条件を満たすことで支給されます。ただし、退学や成績不良などの場合には返還が求められることもあります[2][4]。
一方で、貸与型奨学金には減額返還制度や返還期限猶予制度があり、これらは経済的な理由で返還が困難な場合に利用できる支援策です。これらの制度では、返還そのものが免除されるわけではなく、返還額を減少させたり、期限を延長したりすることが可能です[1][3]。
したがって、「返還しない奨学金」は給付型奨学金を指し、貸与型奨学金とは異なる性質を持っています。
Citations:
[1] https://2base.jp/scholarship-debt-exemption
[2] https://shinronavi.com/newcolumn/scholarship/01
[3] https://gaxi.jp/article/z4pZwn6djLRbmqBv
[4] https://www.jhsu.ac.jp/befriend/trivia/102/