中国脱出日本企業の今後の展望と課題

中国脱出 日本企業について

中国からの撤退を検討している日本企業は少なくありません。新型コロナウイルスの感染拡大や米中貿易戦争の影響、人件費の高騰など、中国でのビジネス環境は厳しさを増しています。しかし、中国脱出は簡単なことではありません。中国市場の巨大さや成長性、現地でのノウハウや人脈、政治的な圧力など、様々な要因が日本企業の判断を難しくしています。この記事では、中国脱出を進める日本企業の事例や背景、課題や展望について解説します。

 


中国脱出を進める日本企業の事例

中国脱出を進める日本企業は、主に以下の3つのパターンに分けられます。

1. 中国市場から完全に撤退する企業
2. 中国市場から一部撤退し、他の国や地域に生産拠点を移す企業
3. 中国市場に残りながら、生産拠点を多角化する企業

以下では、それぞれのパターンにおける日本企業の事例を紹介します。

1. 中国市場から完全に撤退する企業

中国市場から完全に撤退する日本企業は、比較的少数ですが、存在します。例えば、以下のような企業があります。

- パナソニック:2020年3月に、中国でのテレビ事業を終了しました。テレビ事業はパナソニックの主力事業の一つでしたが、中国では赤字が続き、競争力が低下していました。パナソニックは今後、テレビ事業を日本や東南アジアに集中させる方針です。
- ユニクロ:2020年9月に、中国での子会社であるファーストリテイリング(上海)商貿有限公司清算しました。この子会社はユニクロの店舗運営や物流管理などを担っていましたが、ユニクロは今後、中国での事業展開を別の子会社に移管することにしました。ユニクロは中国市場から完全に撤退するわけではありませんが、経営体制を変更することでコスト削減や効率化を図る狙いがあります。
- サントリー:2020年12月に、中国での飲料事業から撤退しました。サントリーは2009年に中国で飲料事業を開始しましたが、売上高は伸び悩み、赤字が続きました。サントリーは今後、中国での酒類事業に注力する方針です。

これらの企業は、中国市場での競争力が低下したり、利益性が悪化したりしたことが撤退の理由となっています。また、新型コロナウイルスの影響で需要が減少したり、供給網が混乱したりしたことも追い打ちをかけました。これらの企業は、中国市場から完全に手を引くことで、リスクを回避し、他の市場に資源を集中させることを選択しました。

 

2. 中国市場から一部撤退し、他の国や地域に生産拠点を移す企業