温熱治療法「ハイパーサーミア」とは

温熱治療法「ハイパーサーミア」とは。

ハイパーサーミアとは、がん細胞に高温を与えて死滅させる治療法の一つです。がん細胞は正常細胞よりも熱に弱いという特徴があります。

ハイパーサーミアでは、がん細胞の周囲の温度を40度以上に上げて、がん細胞の代謝や増殖を阻害し、アポトーシス(自然死)や壊死(変性死)を誘導します。また、ハイパーサーミアは放射線抗がん剤と併用することで、それらの効果を高めることもできます。

出典

https://www.suedkurier.de/ueberregional/wissenschaft/Krebs-mit-Waerme-bekaempfen-Hyperthermie-als-Therapieform-mit-Zukunft;art1350069,10001838

 


ハイパーサーミアには、局所的なものと全身的なものがあります。

局所的なハイパーサーミアでは、がんの部位に直接高温を与えます。

高温を与える方法には、電磁波や超音波などがあります。電磁波を使う場合は、がんの部位に電極を貼り付けたり、コイルやアンテナで電磁波を照射したりします。超音波を使う場合は、がんの部位に超音波プローブを当てたり、超音波発生装置で超音波を照射したりします。局所的なハイパーサーミアは、主に皮膚がんや乳がんなどの表在性のがんや、頭頸部や肛門などの局所進行性のがんに用いられます。

全身的なハイパーサーミアでは、体全体の温度を上げます。

体全体の温度を上げる方法には、水温調節装置付きのマットレスやブランケットで体を包む方法や、人工血液透析装置で体内の血液を温める方法などがあります。全身的なハイパーサーミアは、主に多発性の転移性がんや再発性がんに用いられます。

ハイパーサーミアは、一般的に安全な治療法ですが、副作用や合併症も起こり得ます。副作用としては、皮膚の赤みや水ぶくれ、痛みや腫れなどがあります。これらは通常軽度で一時的ですが、重度になる場合もあります。合併症としては、心臓や血圧の異常、脱水や電解質異常、感染や出血などがあります。これらは稀ですが重篤になる場合もあります。

ハイパーサーミアを受ける際は、医師や看護師から十分な説明と指示を受けてください。

ハイパーサーミアは、保険適用に。 治療の回数に制限はありますが、基本的には保険適用となります。 保険が適用になるのは2カ月で8回の治療までです。 その制限を超えて治療を受ける場合は、基本的に自由診療になります。 ただし、経過によっては最大で3クールまで保険で治療可能な場合もあります。 医療機関によって1クールの期間や回数が異なるので、事前に費用や期間などを確認しておきましょう。 保険適用を前提として、自己負担はどれくらいになりますか? 腫瘍が浅在性か深在性かによって治療費が異なります。 自己負担割合が1割だと、浅在性の腫瘍の場合6000円、深在性の腫瘍の場合は9000円となります。 これらはいずれも2カ月8回分の治療費です。出典

medicaldoc.jp/m/column-m/202205p2400/

 

近年では多くの臨床試験や研究が行われており、その有効性や安全性が確認されてます。ハイパーサーミアは、がん治療の新たな選択肢として期待されています。