水分過剰摂取と血圧上昇リスクについて
水分は、人間の生命維持に欠かせないものです。体内の約60%が水分で構成されており、体温調節や代謝、老廃物の排泄など、さまざまな役割を担っています。
しかし、水分を過剰に摂取すると、血圧が上昇するリスクがあることが知られています。
水分過剰摂取が血圧上昇につながるメカニズム
水分過剰摂取が血圧上昇につながるメカニズムは、主に以下の2つです。
- 血液量の増加
水分を過剰に摂取すると、血液量が増加します。血液量が増えると、血管内の圧力が高まり、血圧が上昇します。
- 血中のナトリウム濃度の低下
水分を過剰に摂取すると、血中のナトリウム濃度が低下します。ナトリウムは、血液を濃縮する働きがあります。ナトリウム濃度が低下すると、血液が薄まり、血圧が上昇します。
水分過剰摂取による血圧上昇のリスク
水分過剰摂取による血圧上昇のリスクは、以下のとおりです。
- 高血圧の悪化
すでに高血圧の治療を受けている場合、水分過剰摂取によって血圧がさらに上昇し、治療の効果が不十分になる可能性があります。
- 心臓病や脳卒中のリスク増加
高血圧は、心臓病や脳卒中のリスクを高める主要な危険因子のひとつです。水分過剰摂取によって血圧が上昇すると、心臓病や脳卒中のリスクも高まります。
- 腎臓病のリスク増加
腎臓は、水分やナトリウムなどの体液を調整する役割を担っています。水分過剰摂取によって血液量が増加すると、腎臓の負担が大きくなり、腎臓病のリスクが高まります。
肝臓病の症状とは
腎臓病の症状
腎臓病の症状は、腎機能の低下とともに現れます。腎機能が低下すると、尿から不要な老廃物や水分を排泄する力が弱まり、体内に蓄積されていきます。そのため、腎臓病の症状は、主に以下の3つに分けられます。
尿の症状
腎臓は、尿を作る役割を担っています。腎機能が低下すると、尿の中の老廃物や水分が排泄されにくくなり、以下の症状が現れることがあります。
- タンパク尿
尿中にタンパクが混じる症状です。タンパクは、尿中に本来は存在しないものです。タンパク尿が出ていると、腎臓の濾過機能が低下していることを示します。
- 血尿
尿中に血液が混じる症状です。血尿は、腎臓の病気だけでなく、膀胱炎や尿道炎などの泌尿器系の病気でも起こることがあります。
- 尿量の変化
多尿(尿量が増える)や少尿(尿量が減る)、無尿(尿が出なくなる)などの症状が現れることがあります。
全身症状
腎機能が低下すると、体内に老廃物や水分が蓄積され、以下の症状が現れることがあります。
- むくみ
顔や手、足などのむくみです。むくみは、腎臓が体内の水分量を調節する機能が低下していることを示します。
- だるさ
全身倦怠感や疲労感です。
- 貧血
腎臓は、赤血球を作るのに必要なホルモンを分泌しています。腎機能が低下すると、赤血球が作られにくくなり、貧血になることがあります。
- 高血圧
腎臓は、血圧を調節するホルモンを分泌しています。腎機能が低下すると、血圧を調節する機能が低下し、高血圧になることがあります。
- 食欲不振
食欲不振や吐き気・嘔吐などの症状が現れることがあります。
- 頭痛
頭痛やめまいなどの症状が現れることがあります。
- 合併症
腎機能が低下すると、心不全や脳卒中、骨粗しょう症などの合併症を引き起こすことがあります。
症状の現れ方
腎臓病の症状は、腎機能の低下とともに現れます。しかし、初期段階ではほとんど症状が現れないこともあります。また、症状の現れ方は人によって異なります。
腎臓病の早期発見・早期治療
腎臓病は、早期に発見・治療することで、進行を遅らせたり、予後を改善したりすることができます。そのため、定期的に健康診断や尿検査を受けることが大切です。
尿検査でタンパク尿や血尿が検出された場合は、精密検査を受け、腎機能の状態を把握する必要があります。
タンパク尿や血尿は要注意ですね。
水分過剰摂取を避けるためのポイント
水分過剰摂取を避けるために、以下のポイントを押さえましょう。
- 1日の水分摂取量の目安を守る
1日の水分摂取量の目安は、体重1kgあたり30mlから35mlです。体重60kgの人であれば、1800mlから2100mlとなります。
- のどが渇く前に水を飲む
のどが渇く前に水を飲むことで、脱水症状を防ぐことができます。ただし、のどが渇いたからといって、一度に大量の水を飲むのは避けましょう。
- カフェインやアルコールの摂取を控える
カフェインやアルコールは、利尿作用があるため、水分不足につながる可能性があります。
- 激しい運動や暑い環境では、水分補給をこまめに行う
激しい運動や暑い環境では、汗を大量にかくため、水分補給をこまめに行う必要があります。
まとめ
水分は、人間の生命維持に欠かせないものです。しかし、水分を過剰に摂取すると、血圧が上昇するリスクがあることを知っておく必要があります。
1日の水分摂取量の目安を守り、のどが渇く前に水を飲むなど、水分過剰摂取を避けるためのポイントを押さえましょう。