肥満症治療薬「ウゴービ」が保険適用で、食欲を抑える効果が期待される

肥満症治療薬「ウゴービ」の保険適用(2023年11月22日改定)について

2023年11月22日、厚生労働省は、肥満症の治療薬「ウゴービ」の保険適用を決定した。保険適用の対象となるのは、BMIが35以上、またはBMIが27以上で肥満に関連する健康障害が2つ以上ある患者である。

ウゴービの特徴

ウゴービは、GLP-1受容体作動薬と呼ばれる薬剤である。GLP-1は、体内で食欲を抑える働きを持つホルモンである。ウゴービは、GLP-1の作用を長時間持続させる作用がある。

臨床試験では、ウゴービを投与した患者の体重が、プラセボ(偽薬)を投与した患者に比べて、平均で約10%減少したという結果が得られている。

ウゴービの保険適用の背景

日本では、肥満症の患者数は約3,000万人と推定されている。肥満症は、心血管疾患や2型糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクを高めるため、早期の治療が重要である。

しかし、これまで日本では、肥満症の治療薬として保険適用されていたのは、食欲を抑える作用のあるオルリスタットと、脂肪の吸収を抑える作用のあるゼニカルのみであった。これらの薬剤は、副作用として下痢や便秘などの症状が起こることがあるため、長期間の使用が難しいという課題があった。

ウゴービは、GLP-1受容体作動薬という新しいタイプの肥満症治療薬である。GLP-1受容体作動薬は、食欲を抑えるだけでなく、血糖値を下げる作用もあるため、肥満症と生活習慣病の両方を治療できるというメリットがある。

ウゴービの保険適用による影響

ウゴービの保険適用により、肥満症の患者は、長期にわたって安全に治療を受けることが可能になった。また、ウゴービは、食欲を抑える作用が強いため、従来の肥満症治療薬よりも効果的な治療が期待されている。

ウゴービの保険適用は、肥満症の治療の選択肢を広げ、患者のQOL(生活の質)の向上につながることが期待される。

ウゴービの適正使用

ウゴービは、効果的な治療薬である一方で、副作用として膵炎や低血糖などの症状が起こることがある。そのため、ウゴービを安全に使用するために、以下の点に注意する必要がある。

  • 医師の指示に従って、正しく使用すること
  • 定期的に医師の診察を受け、副作用の有無をチェックすること
  • 膵炎や低血糖などの症状が現れた場合は、すぐに医師の診察を受けること

ウゴービの今後の課題

ウゴービは、肥満症の治療に新たな選択肢を提供した画期的な薬剤である。しかし、ウゴービの長期的な安全性や効果については、さらなる研究が必要である。

また、ウゴービの保険適用により、肥満症の治療が過度に行われてしまう可能性もある。そのため、適正な使用を促すための啓発活動が重要である。

ウゴービの保険適用の概要

  • 対象となる患者:BMIが35以上、またはBMIが27以上で肥満に関連する健康障害が2つ以上ある患者
  • 保険適用開始日:2023年11月22日
  • 公定価格:1回あたり1876円、3201円、5912円、7903円、1万740円

ウゴービの保険適用に関する議論

ウゴービの保険適用については、以下の点について議論があった。

  • ウゴービの長期的な安全性や効果について、さらなる研究が必要であるという意見
  • ウゴービの保険適用により、肥満症の治療が過度に行われてしまう可能性があるという意見

これらの議論を踏まえて、厚生労働省は、以下の条件を満たす患者を対象に、保険適用を決定した。

  • BMIが35以上、またはBMIが27以上で肥満に関連する健康障害が2つ以上ある患者

BMIが35以上という条件は、肥満症の重症度を示すBMIの基準値に基づいている。BMIが35以上の場合、肥満症による健康リスクが高まるため、早期の治療が重要である。

BMIが27以上で肥満に関連する健康障害が2つ以上ある患者という条件は、肥満症による健康リスクをより具体的に示すものである。肥満に関連する健康障害には、高血圧、脂質異常症2型糖尿病などがあり、これらの疾患を2つ以上併発している場合、肥満症による健康リスクはさらに高まる。

これらの条件は、ウゴービの長期的な安全性や効果を十分に検証するとともに、肥満症の治療が過度に行われないようにするための配慮である。

ウゴービの保険適用のメリット

ウゴービの保険適用により、肥満症の患者は、長期にわたって安全に治療を受けることが可能になった。また、ウゴービは、食欲を抑える作用が強いため、従来の肥満症治療薬よりも効果的な治療が期待されている。

ウゴービの保険適用は、肥満症の治療の選択肢を広げ、患者のQOL(生活の質)の向上につながることが期待される。

ウゴービの保険適用の課題

ウゴービは、効果的な治療薬である一方で、副作用として膵炎や低血糖などの症状が起こることがある。そのため、ウゴービを安全に使用するために、以下の点に注意する必要がある。

  • 医師の指示に従って、正しく使用すること
  • 定期的に医師の診察を受け、副作用の有無をチェックすること
  • 膵炎や低血糖などの症状が現れた場合は、すぐに医師の診察を受けること

また、ウゴービの保険適用により、肥満症の治療が過度に行われてしまう可能性もある。そのため、適正な使用を促すための啓発活動が重要である。

今後の課題

ウゴービの保険適用は、肥満症の治療に大きな進歩をもたらした。しかし、ウゴービの長期的な安全性や効果については、さらなる研究が必要である。

また、ウゴービの保険適用により、肥満症の治療が過度に行われてしまう可能性もある。そのため、適正な使用を促すための啓発活動を進めていくことが重要である。

具体的には、以下の点が課題として挙げられる。

  • ウゴービの長期的な安全性や効果について、さらに研究を進め、その結果を公表すること
  • ウゴービの適正使用を促すための啓発活動を、医療関係者だけでなく、国民全体に向けて行うこと

これらの課題を解決するために、厚生労働省や医療関係者、国民が連携して取り組んでいくことが重要である。

ちなみに BMIが27以上とは

BMIとは、体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数値で、肥満度を示す指標のひとつです。

日本肥満学会では、BMIが22未満を「低体重」、22以上25未満を「普通体重」、25以上30未満を「肥満」、30以上を「高度肥満」と定義しています。

したがって、BMIが27以上ということは、肥満の基準値を超えていることを意味します。

BMIが27以上になると、心血管疾患、2型糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクが高まります。また、睡眠時無呼吸症候群や関節疾患などのリスクも高まります。

そのため、BMIが27以上の場合は、肥満症の治療を検討することが重要です。

具体的には、食事療法や運動療法などの生活習慣の改善を図り、それでも効果が不十分な場合は、薬物療法や外科手術などの治療を行うことがあります。

なお、BMIはあくまでも肥満度を示す指標のひとつであり、肥満症かどうかを判断する際には、他の検査結果なども考慮する必要があります。

160㎝70kgの人のBMI

70/(1.6x1.6)=27.3