摂食障害 入院基準を知っていますか?自分の状態をチェックする方法

摂食障害 入院基準について

 

摂食障害とは、体重や体型に対する強いこだわりや恐怖感を持ち、食事量を制限したり、過食や嘔吐などの異常な食行動を繰り返したりする病気です。摂食障害は、心理的な問題や社会的な要因が関係しており、身体的にも重篤な合併症や死亡の危険性があります。

摂食障害の治療には、外来治療や入院治療がありますが、どちらも栄養療法と精神療法の両方が必要です。栄養療法では、適切なカロリー量とバランスの良い食事を摂ることで、体重を回復させることが目的です。精神療法では、自分の体重や体型に対する認識や評価を改善し、自己肯定感や自尊感情を高めることが目的です。

摂食障害の入院治療は、外来治療では体重の回復が難しい場合や、著しい低体重や身体合併症がある場合に必要となります。入院治療の目的は、生命の危機にある患者さんの命を救うことや、迅速に体重を増やすことです。入院治療では、医師や栄養士などのチームで治療に当たります。

入院治療の流れは以下のようになります。

- 入院当日:入院時に行われる治療の説明と注意事項が説明されます。その後、栄養状態のチェックや血液検査などの検査を行います。また、初期輸液としてビタミンB製剤などを点滴します。
- 入院1〜4日:毎日血液検査や尿検査を実施します。また、1日おきに体重測定を実施し、治療の進捗をチェックします。血液検査の結果を受けて、点滴治療や内服薬の服薬などを行います。
- 入院5〜10日:行動制限療法の準備を始めます。食事も少しずつカロリー量を増やしていきます。この期間に医師から退院時の目標体重を設定・説明してもらいます。
- 入院11〜28日:輸液療法が終了し、バイタルサインや意識レベルが安定したら、行動制限療法をスタートします。行動制限療法とは、体重の増加にあわせて行動制限を一つずつ外していく方法です。体重が増えることで、できることが増えるため、達成感を感じ、摂食障害を克服するモチベーションも高まります。
- 入院29日〜:BMIが16を超えたら、徐々に退院に向けた準備を進めます。外食や外泊訓練、栄養指導などを受けながら、退院後の生活について話し合います。

摂食障害の入院治療は、患者さんにとって大きなチャレンジですが、信頼できる医療スタッフや家族のサポートを受けながら、回復に向けて頑張ってください。

参考文献:

- 日本摂食障害学会監修『摂食治療ガイドライン
- 摂食障害の入院治療とは? http://www.sessyokusyougai-clinic.com/ed/hospitalization.html
- 摂食障害慶應義塾大学病院 KOMPAS https://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000583.html