非正規雇用2,090万人89%正社員望まないという衝撃の事実

正規雇用2,090万人89%正社員望まないについて

 

正規雇用者は、日本の労働力の約4分の1を占める大きなグループです。しかし、彼らの多くは正社員になりたくないという意識を持っています。この記事では、非正規雇用者が正社員になりたくない理由や背景、そしてその影響について考察します。


正規雇用者が正社員になりたくない理由

厚生労働省の「平成30年度非正規雇用労働者実態調査」によると、非正規雇用者のうち89%が「現在の雇用形態で満足している」と回答しています。また、正社員への転換を希望する人はわずか7.5%にとどまっています。この数字は、平成22年度の調査では17.9%だったことから、10年間で大幅に減少しています。

では、なぜ非正規雇用者は正社員になりたくないのでしょうか?調査結果から見えてくる主な理由は以下の通りです。

- 現在の仕事内容や職場環境に満足している
- 正社員になると責任やプレッシャーが増えると感じる
- 正社員になると自由な時間やプライベートが減ると感じる
- 正社員になるとキャリアアップやスキルアップの機会が減ると感じる
- 正社員になると収入が減ると感じる

これらの理由から、非正規雇用者は自分のライフスタイルや価値観に合った働き方を選択しており、正社員になることに魅力を感じていません。また、正社員への転換を希望する人の中でも、実際に転換できる人は少数です。調査では、転換を希望する人のうち、転換できた人は2.8%、転換できそうもない人は62.6%でした。これは、非正規雇用者が正社員への登用制度や試験制度について十分に知らなかったり、職場や上司から転換を支援されなかったりすることが原因と考えられます。

 

正規雇用者が正社員になりたくない背景

正規雇用者が正社員になりたくない意識を持つ背景には、日本の労働市場社会保障制度の変化が関係しています。以下では、その主要な要因を紹介します。

- 労働市場の流動化
  - 日本では、バブル崩壊後から長期的な不況やグローバル化の影響で、終身雇用や年功序列制度が崩れ始めました。その結果、企業はコスト削減や柔軟性確保のために、非正規雇用者の採用や派遣労働の活用を進めました。一方、労働者も、自分のキャリアやスキルを高めるために、転職や起業などの選択肢を増やしました。これらの動きによって、労働市場は流動化し、正社員と非正規雇用者の間の壁が低くなりました。
- 社会保障制度の改革
  - 日本では、少子高齢化財政赤字の問題に対応するために、社会保障制度の改革が進められました。その中で、非正規雇用者にも社会保険や年金などの制度が拡充されました。例えば、2008年には、非正規雇用者も加入できる厚生年金基金が創設されました。また、2016年には、非正規雇用者も雇用保険の失業給付や再就職支援などのサービスを受けられるようになりました。これらの改革によって、非正規雇用者の社会的な安定性や保護性が向上しました。
- 働き方の多様化
  - 日本では、インターネットやスマートフォンなどの技術の発展やコロナ禍の影響で、働き方が多様化しました。例えば、テレワークやフリーランスなどの在宅勤務や自営業が増えました。また、ワークライフバランス自己実現などの価値観が高まりました。これらの傾向によって、非正規雇用者は自分に合った働き方を選べるようになりました。

 

正規雇用者が正社員になりたくない影響

正規雇用者が正社員になりたくないという意識は、個人や企業、社会に様々な影響を及ぼします。以下では、その主要な影響を紹介します。

- 個人への影響
  - 非正規雇用者が正社員になりたくないという意識は、個人にとってプラス面とマイナス面があります。プラス面としては、自分のライフスタイルや価値観に合った働き方を選べることで、仕事や生活に満足感や幸福感を得られる可能性があります。また、自分のキャリアやスキルを高めることで、市場価値や収入を向上させることもできます。マイナス面としては、非正規雇用者は正社員に比べて給与や待遇が低く、雇用が不安定であることが多いです。そのため、将来的な貯蓄や資産形成が困難になったり、病気や老後などのリスクに対処できなくなったりする可能性があります。

- 企業への影響
  - 非正規雇用者が正社員になりたくないという意識は、企業にとってもプラス面とマイナス面があります。プラス面としては、非正規雇用者は正社員よりも人件費や福利厚生費が低く、労働市場の変動に柔軟に対応できることで、コスト削減や経営効率の向上に貢献できます。また、非正規雇用者は多様な経験やスキルを持っていることが多く、新しいアイデアや刺激を企業にもたらすこともできます。マイナス面としては、非正規雇用者は正社員に比べてモチベーションや忠誠心が低く、教育や研修の投資効果が低いことが多いです。そのため、企業の生産性や品質、イノベーションなどに悪影響を与える可能性があります。さらに、非正規雇用者の増加は社内の格差や不満を生み出し、組織の一体感やコミュニケーションを阻害する可能性もあります。