レーザーで稲妻曲げる実験の衝撃!雷の制御が現実になるかも

レーザーで稲妻曲げる実験について

 

稲妻は、雷雲の中で発生する放電現象である。通常は、雷雲の中で帯電した荷電粒子が、地面や他の物体に引き寄せられて放電する。この放電は、数千万ボルトの電圧と数十万アンペアの電流で、数十万度にも達する高温を伴う。稲妻は、落雷や雷鳴などの被害を引き起こすことがある。

2023年1月、スイスのジュネーブ大学とEPFL、フランスのエコール・ポリテクニーク、ドイツの科学レーザー企業であるTRUMPFによる共同研究チームが、レーザーで稲妻を曲げるという驚くべき実験に成功した。この実験は、2021年7月から9月にかけて、スイスのジュネーブ近郊で行われた。

実験では、1秒間に1000回の高出力パルスを発射できるレーザーを、雷雲に向けて照射した。レーザーが空気を照射すると、空気が超高温になり、分子がイオン化して電子を放出した。この電子が雷の放電経路となり、雷はレーザーに沿って曲がった。

実験の結果、雷は避雷針に当たる前に約60mにわたってレーザーに沿ったルートをたどることが確認された。これは、避雷針の機能が大幅に向上することを意味する。

この実験は、稲妻の研究や避雷針の開発に大きな進歩をもたらす可能性がある。

レーザーで稲妻を曲げる原理

レーザーで稲妻を曲げる原理は、非常に単純である。レーザーを空気中に照射すると、空気が超高温になり、分子がイオン化して電子を放出する。この電子が雷の放電経路となり、雷はレーザーに沿って曲がる。

レーザーで稲妻を曲げるために、以下の3つの条件を満たす必要がある。

  1. 十分な出力を持つレーザー
  2. 空気を超高温にできるレーザー
  3. 雷雲にレーザーを照射できる装置

実験で使用されたレーザーは、TRUMPF社製の「TruMicro 5000」である。このレーザーは、出力が1メガワットを超え、空気を超高温にすることができる。また、レーザーを空に向けて照射する装置も開発された。

レーザーで稲妻を曲げることの可能性

レーザーで稲妻を曲げることは、以下の2つの点で大きな可能性を秘めている。

  1. 避雷針の機能向上
  2. 稲妻の研究

避雷針は、雷の被害を防ぐために使用される。しかし、避雷針は雷雲から地面までの距離が長い場合、雷が避雷針を避けて地面に落下することがある。レーザーで稲妻を曲げることができれば、雷雲から地面までの距離が長い場合でも、雷を避雷針に誘導することができる。

また、レーザーで稲妻を曲げることは、稲妻の研究にも役立つ。レーザーで稲妻を曲げることで、雷の放電経路をより詳しく調べることができる。これにより、雷の発生や進路に関する理解が深まる可能性がある。

今後の展望

レーザーで稲妻を曲げる実験は、まだ初期段階である。今後は、実験条件をさらに改善し、より実用的な技術として開発していく必要がある。

具体的には、以下の課題を克服する必要がある。

  • レーザーの出力をさらに高めることで、より長い距離で雷を曲げることができるようになる。
  • レーザーを空に向けて照射する装置を小型化することで、より広い範囲で雷を曲げることができるようになる。

これらの課題を克服することができれば、レーザーで稲妻を曲げる技術は、避雷針の開発や稲妻の研究に大きな貢献をもたらす可能性がある。

他にこの半導体レーザーの応用例をあげておきます。

半導体レーザーの応用例

半導体レーザーとは、半導体材料に電流を流すことで発光するレーザーのことです。半導体レーザーは、小型で高効率なのが特徴で、さまざまな分野で応用されています。ここでは、半導体レーザーの応用例をいくつか紹介します。

光通信
光通信とは、光ファイバーを使って情報を伝送する通信技術のことです。光ファイバーは、光を反射させて中に閉じ込めることで、長距離にわたって光を伝えることができます。光通信では、半導体レーザーが情報を光に変換する送信源として使われます。半導体レーザーは、高速で安定した発光が可能で、多くの情報を高品質で伝送することができます。

光ディスク
光ディスクとは、CDやDVDなどのデータ記録媒体のことです。光ディスクでは、半導体レーザーがデータの読み書きに使われます。半導体レーザーは、波長が短くて集束力が高いので、微細なデータを記録することができます。また、半導体レーザーは、色(波長)を変えることで、同じ面積により多くのデータを記録することもできます。

医療
医療分野では、半導体レーザーが診断や治療に使われます。例えば、眼科では、半導体レーザーが白内障や近視などの手術に使われます。半導体レーザーは、正確に組織を切除したり修正したりすることができます。また、皮膚科では、半導体レーザーがシミや毛穴などの美容治療に使われます。半導体レーザーは、肌の奥まで届いてコラーゲンの生成を促したりメラニンを分解したりすることができます。

以上、半導体レーザーの応用例を挙げてみました。半導体レーザーは、その特性や性能によって、多くの分野で活躍しています。今後も、半導体レーザーの技術は進化し続けるでしょう。