NHKのインターネット受信料徴収は違法?弁護士が解説する法的な見解と対策

NHKのインターネット受信料徴収について

 

NHKは、インターネットで放送を受信できる機器を持っている人にも受信料を支払うよう求めています。しかし、この徴収方法には多くの問題点があります。この記事では、NHKのインターネット受信料徴収について、その背景、法的根拠、反対意見、影響などを分析していきます。

まず、NHKのインターネット受信料徴収の背景について見ていきましょう。NHKは、放送法に基づいて、放送を受信できる機器を持っている人に対して、放送事業の費用として受信料を徴収しています。これは、NHKが公共放送として中立性や多様性を保ち、国民の知る権利や表現の自由を守るために必要な財源だと主張しています。しかし、近年では、インターネットの普及に伴って、スマートフォンやパソコンなどでNHKの放送を視聴できる人が増えています。NHKは、これらの機器も放送法の対象となると考えており、2020年10月からインターネットで放送を受信できる機器を持っている人にも受信料を請求するようにしました。これにより、NHKは受信料の増収を見込んでいます。


次に、NHKのインターネット受信料徴収の法的根拠について考えてみましょう。NHKは、放送法32条第1項により、「放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、当該設備に係る一定の契約をすること」と定められているとしています。また、同条第2項により、「前項の契約は、日本放送協会が定める規約により行われる」とされています。そして、NHKは自らの規約で、「放送を受信することができる機器」という用語を「テレビジョン放送及びラジオ放送の電波を直接的または間接的に受信することができる機器」と定義し、「直接的または間接的」という表現に「インターネット等通信回線経由であっても含まれる」と解釈しています。つまり、NHKは自らの規約でインターネットで放送を受信できる機器も対象としたというわけです。

しかし、この法的根拠には疑問が残ります。まず、放送法32条第1項の「放送」や「受信設備」などの用語は明確に定義されておらず、インターネットで放送を視聴する行為が本当に含まれるかどうかは不明確です。また、同条第2項の「規約」はあくまでも契約上のものであり、法律上の効力はなく、NHKが一方的に解釈や変更をすることができるものではありません。さらに、インターネットで放送を受信できる機器は、テレビやラジオとは異なり、放送を受信することが主目的ではなく、他の用途にも使われるものです。したがって、インターネットで放送を受信できる機器を持っているだけで、実際にNHKの放送を視聴しているとは限りません。このように、NHKのインターネット受信料徴収の法的根拠は十分ではないと言えます。

 

法律的にはどうなの

NHKのインターネット受信料徴収について、法的な見解を述べたいと思います。NHKは、放送法32条第1項に基づき、インターネットで放送を受信できる機器を持っている者は、受信契約を結ぶことを義務付けています。しかし、この法的根拠には疑問が残ります。

まず、放送法32条第1項の「放送」や「受信設備」などの用語は明確に定義されておらず、インターネットで放送を視聴する行為が本当に含まれるかどうかは不明確です。インターネットで放送を視聴する場合、実際にはNHKのサイトやアプリにアクセスしてストリーミング動画を見ることになりますが、これは放送法の意味する「放送」に該当するのでしょうか。また、「受信設備」とは何を指すのでしょうか。スマートフォンやパソコンなどのインターネットで放送を受信できる機器は、テレビやラジオとは異なり、放送を受信することが主目的ではなく、他の用途にも使われるものです。したがって、これらの機器を「受信設備」と呼ぶことが適切なのか疑問です。

次に、放送法32条第2項により、NHKは規約に基づき受信料の額や支払い方法などを定めることができます。しかし、この「規約」はあくまでも契約上のものであり、法律上の効力はなく、NHKが一方的に解釈や変更をすることができるものではありません。実際に、NHKは2019年10月からインターネット受信料を徴収することを発表しましたが、その際に規約を改定しました。この改定では、インターネットで放送を受信できる機器を持っている者はすべて受信契約の対象とされました。しかし、この改定は消費者の利益や意思を無視したものであり、契約上の合意や公正さに欠けるものだと言えます。

さらに、インターネットで放送を受信できる機器を持っているだけで、実際にNHKの放送を視聴しているとは限りません。NHKはインターネット受信料徴収の対象者を特定するために、「インターネット視聴調査」という名目で消費者にアンケートを送っていますが、これはプライバシーの侵害だと言えます。消費者は自分が何を見ているかをNHKに報告する義務はありませんし、見ていないことを証明する義務もありません。また、インターネット視聴調査は任意回答ですが、それが明示されていない場合も多くあります。これは消費者に対して不当な圧力や誘導をかけていると言えます。

このように、NHKのインターネット受信料徴収の法的根拠は十分ではないと言えます。インターネットで放送を受信できる機器を持っている者は、NHKの放送を視聴しているとは限らないし、視聴しているかどうかをNHKに報告する義務もありません。NHKは消費者の利益や意思を尊重し、インターネット受信料徴収の見直しをすべきです。NHKが勝手に決めて違法な受信料取り立てに突っ走るのはいかがなものか?