ロシアの核廃棄物海洋投棄、今も深刻な影響

ロシアによる核廃棄物の海洋投棄は、1960年代から1990年代にかけて、旧ソ連時代から続けられてきた問題である。1993年には、ロシア海軍日本海に約900トンの液体と固体の放射性廃棄物を投棄したことが発覚し、国際的な非難を浴びた。その後、ロシア政府は海洋投棄を中止すると宣言したが、その実態は不明のままである。



ロシアによる核廃棄物の海洋投棄の歴史

ロシアによる核廃棄物の海洋投棄は、1960年代に始まった。当時、旧ソ連原子力潜水艦原子力砕氷船の開発を進めており、その過程で大量の放射性廃棄物が発生していた。しかし、国内の処理施設が不足していたため、海洋投棄という方法が取られた。

1966年から1992年の間に、ロシアは北太平洋北極海バルト海など、さまざまな海域に核廃棄物を投棄した。その量は、液体放射性廃棄物が12,337 Ci(455 TBq)、固体放射性廃棄物が6,812 Ci(225 TBq)に上ると推定されている。

1993年10月、ロシア海軍ウラジオストク沖の公海で、約900トンの液体と固体の放射性廃棄物を投棄した。この事態は、国際社会から大きな非難を浴びた。日本政府は、ロシアに海洋投棄の即時中止と、これまでに投棄した核廃棄物の量や内容などの情報開示を要求した。

ロシアによる核廃棄物の海洋投棄の懸念

ロシアによる核廃棄物の海洋投棄は、さまざまな懸念を呼び起こしている。

まず、放射性廃棄物が海洋環境に悪影響を及ぼす可能性がある。放射性廃棄物は、魚介類やプランクトンなどの食物連鎖を通じて、人間の健康に被害を与える可能性がある。また、放射性物質が海底に沈殿し、海洋生物の生息地を破壊する可能性もある。

次に、放射性廃棄物が再び海上に浮上する可能性がある。海洋投棄された放射性廃棄物は、海流や波浪の影響を受けて、再び海上に浮上する可能性がある。この場合、漁業や海運などの経済活動に影響を与える可能性がある。

さらに、放射性廃棄物が第三国に流出する可能性がある。海洋投棄された放射性廃棄物は、海底の亀裂や地震などによって、第三国に流出する可能性がある。この場合、国際的な紛争に発展する可能性もある。

ロシアによる核廃棄物の海洋投棄の現状

ロシア政府は、1993年11月に海洋投棄を中止すると宣言した。しかし、その実態は不明のままである。ロシア政府は、海洋投棄した核廃棄物の量や内容などの情報を明らかにしていない。また、海洋投棄を中止した理由についても、具体的には説明していない。

ロシアの核廃棄物処理問題は、国際社会の懸念材料となっている。日本政府は、ロシア政府に対し、海洋投棄した核廃棄物の量や内容などの情報開示と、海洋投棄を完全に中止するよう、引き続き要求していく必要がある。

ロシアによる核廃棄物の海洋投棄の今後

ロシアは、2020年に核廃棄物管理法の改正を行った。この改正により、核廃棄物の海洋投棄は原則禁止となった。しかし、海洋投棄の例外規定として、海洋投棄が唯一の選択肢である場合、政府の承認を得て海洋投棄を実施することができると定められている。

ロシアは、海洋投棄の例外規定を適用して、今後も核廃棄物の海洋投棄を続ける可能性がある。ロシア政府は、海洋投棄を再開する場合には、国際社会の懸念を払拭するための透明性の高い情報開示を行う必要がある。

ロシアによる核廃棄物の海洋投棄問題は、国際的な協力によって解決していく必要がある。日本政府は、国際社会と協力して、ロシア政府に海洋投棄を完全に中止するよう、働きかけていく必要がある。

中国などなんでロシアを非難しないで日本ばかりするのか?