中国、原発処理水を海に放出へ 安全性確保は?

中国は、世界第2位の原子力発電大国であり、2023年現在、55基の原子炉が稼働している。また、現在建設中の原子炉も28基あり、今後も原子力発電への依存度を高めていく方針である。

中国の原子力発電所では、使用済み核燃料から取り出した高レベル放射性廃棄物を、地下深くに埋設する方法で処分している。しかし、使用済み核燃料から出る低レベル放射性廃棄物や、原子炉の運転中に発生する汚染水の処分については、まだ確立された方法がない。


中国では、原子力発電所の汚染水を海に放出する計画が進められている。この計画は、2025年から、中国東北部にある大連市の秦山原子力発電所で、毎年約10万トンの汚染水を海に放出するというものである。

この計画には、国際原子力機関IAEA)も承認しており、中国政府は、汚染水の放出は安全であると主張している。しかし、この計画は、周辺国の反発を招いており、国際的な議論の対象となっている。

中国の原発処理水の放出計画について、以下の3つの観点から検討する。

  • 安全性の観点
  • 環境への影響の観点
  • 国際的な影響の観点

安全性の観点

中国政府は、汚染水の放出は安全であると主張している。その根拠として、以下のような点を挙げている。

  • 汚染水から、放射性物質トリチウムを除去する技術が確立されている。
  • 放出する汚染水のトリチウムの濃度は、国際的に認められている基準を下回る。
  • 放出する汚染水は、海水に希釈されるため、人や環境への影響はほとんどない。

しかし、これらの主張に対しては、以下のような疑問や懸念が指摘されている。

これらの疑問や懸念を踏まえると、中国の原発処理水の放出が完全に安全であるとは言い切れない。

環境への影響の観点

汚染水が海に放出されると、生物濃縮によって、食物連鎖を通じて、人体に影響を与える可能性がある。また、汚染水が海水に吸収され、海洋環境に悪影響を及ぼす可能性もある。

中国政府は、汚染水の放出によって、人体や海洋環境に悪影響を与えることはないとしている。しかし、汚染水が放出された後の海水のモニタリングは、長期にわたって継続して行われなければならない。

国際的な影響の観点

中国の原発処理水の放出計画は、周辺国の反発を招いている。特に、韓国や日本は、中国の原発処理水が自国の海洋環境に悪影響を及ぼす可能性があるとして、強く反対している。

中国政府は、周辺国の懸念を理解し、適切に対応していくとしている。しかし、周辺国の不信感を払拭するのは、容易ではない。

まとめ

中国の原発処理水の放出計画は、安全性、環境への影響、国際的な影響など、さまざまな観点から検討する必要がある。中国政府は、これらの課題を克服し、安全かつ責任ある形で汚染水を処分していく必要がある。

中国も同じことやるのなら日本への反対抗議は自分に返ってこないのか

心配だ。