環境保護を優先:処理水の海洋放出反対運動の最新動向

米政府は東京電力福島第1原発処理水の海洋放出について、一貫して岸田政権の計画に理解を示してきた。同盟国日本の判断を尊重すると同時に「核汚染水」と呼んで放出に反対する中国をけん制する狙いもある。ただ、学界の一部からは放出に反対する声が出ているが、学界の一部とはだれを指すのか。

以下は、学界の一部として放出に反対する声を上げている人物や団体の例である。これらは必ずしも全体を代表するものではなく、あくまで個人的な見解や立場に基づくものであることを明記しておく。

- ロバート・ジェイコブス教授(広島市立大学平和研究所)
  - アメリカ出身の原子力史学者で、広島市立大学平和研究所の教授を務める。2021年4月には、福島第1原発処理水の海洋放出について、「日本政府は国際社会からの批判を無視している」と述べた。また、「放出された放射性物質は海洋生態系や人間の健康に影響を与える可能性がある」と指摘し、「日本政府は科学的な根拠や透明性に欠ける決定をした」と批判した。
  - 参考URL:https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/2021-04-14
- マイケル・ヘイデン教授(ハワイ大学マノア校)
  - アメリカ出身の海洋科学者で、ハワイ大学マノア校の教授を務める。2021年4月には、福島第1原発処理水の海洋放出について、「日本政府は国際的な合意や監視体制を欠いている」と述べた。また、「放出された放射性物質は太平洋全体に拡散し、海洋生物や人間の食物連鎖に影響を与える可能性がある」と指摘し、「日本政府は環境や人権に対する責任を果たしていない」と批判した。
  - 参考URL:https://www.hawaii.edu/news/2021/04/14/fukushima-wastewater/
- グリーンピース
  - 国際的な環境保護団体で、原子力問題にも積極的に取り組んでいる。2021年4月には、福島第1原発処理水の海洋放出について、「日本政府は最悪の選択肢を選んだ」と述べた。また、「放出された放射性物質は長期的な環境リスクや社会的な不安を引き起こす可能性がある」と指摘し、「日本政府は国内外の利害関係者との対話や協議をせずに一方的な決定をした」と批判した。
  - 参考URL:https://www.greenpeace.org/japan/press/2021/04/13-2/