高齢者の熱中症対策について知ろう!

高齢者の熱中症について

熱中症とは、暑さによって体温調節がうまくできなくなり、体温が上昇してしまう状態のことです。熱中症になると、めまいや頭痛、吐き気、けいれんなどの症状が現れます。重症化すると、意識障害やショック、臓器障害などを引き起こし、命に関わることもあります。


高齢者は、若い人に比べて熱中症になりやすいと言われています。その理由は、以下のようなものが挙げられます。

- 体温調節機能の低下:加齢によって汗をかく量や皮膚の血流が減り、体温を下げる能力が低下します。
- 水分摂取量の不足:喉の渇きを感じにくくなったり、トイレの回数を減らしたいと思ったりして、水分を十分に摂取しないことがあります。
- 疾患や薬の影響:高血圧や糖尿病などの慢性疾患や、利尿剤や降圧剤などの薬は、水分や塩分の排出を促進し、脱水や電解質異常を引き起こす可能性があります。
- 環境や生活習慣の問題:エアコンの使用を控えたり、外出を避けたりすることで、暑さに慣れないことや運動不足になることがあります。

高齢者の熱中症を予防するためには、以下のような対策が必要です。

- 水分や塩分の補給:喉が渇いていなくてもこまめに水分を摂取しましょう。特に汗をかいたときや食事後は、スポーツドリンクや麦茶などの塩分を含む飲み物を飲むと良いです。
- 適度なエアコンの使用:室温を28度前後に設定し、湿度も60%以下に保ちましょう。直接風が当たらないように注意し、扇風機と併用すると効果的です。
- 適切な服装:薄手でゆったりした服を着ましょう。色は白や淡色が好ましく、黒や濃色は避けましょう。帽子や日傘などで日差しを遮ることも大切です。
- 運動や外出の注意:暑い時間帯(午前10時から午後4時)は運動や外出を控えましょう。外出する場合は、水分や塩分を持参し、休憩を取りながら歩きましょう。
- 健康管理:慢性疾患や薬の影響については、医師や薬剤師に相談しましょう。体調が悪いときは無理をせず、安静にしましょう。

高齢者の熱中症は、早期に発見して適切な処置をすれば回復できることが多いです。しかし、自覚症状がないこともあるので、周囲の人が注意深く観察することが重要です。熱中症の疑いがある場合は、速やかに水分や塩分を与え、涼しい場所に移動させましょう。意識がない場合や呼吸や脈が乱れている場合は、すぐに救急車を呼びましょう。

高齢者の熱中症は、予防が最も大切です。暑さに負けないように、水分や塩分の補給、エアコンの使用、適切な服装、運動や外出の注意、健康管理などを心がけましょう。そして、自分だけでなく、周囲の高齢者にも気を配りましょう。一人でも多くの高齢者が、健康で快適な夏を過ごせるように願っています。