金融所得課税とは何か?1億円の壁とその課題について

金融所得課税とは何かについて

 

金融所得課税とは何か

金融所得課税は、投資や金融商品から得られる収入に対する課税制度です。この重要なトピックについて、以下の目次に沿って詳しく解説していきます。

https://www.tokai-tv.com/tokainews/feature/article_20211029_13036


 目次

1. 金融所得課税の定義
2. 金融所得課税の対象となる収入
3. 課税方式の種類
4. 税率と計算方法
5. 金融所得課税の特徴と課題
6. 他の課税制度との比較
7. 最近の動向と今後の展望

 

 1. 金融所得課税の定義

金融所得課税とは、預金、株式、投資信託などの金融商品から得られる所得に対して課される税金のことです[1][3]。これには、預金の利子、株式の配当金、株式や投資信託の売却益などが含まれます。

 2. 金融所得課税の対象となる収入

金融所得課税の対象となる主な収入は以下の通りです:

- 預金や債券の利子所得
- 株式の配当所得
- 株式や投資信託の譲渡所得(売却益)
- デリバティブ取引による所得[2]

3. 課税方式の種類

金融所得に対する課税方式には主に以下の3種類があります:

1. 申告分離課税: 他の所得と分離して申告する方式
2. 総合課税: 他の所得と合算して申告する方式
3. 申告不要方式: 確定申告が不要で、源泉徴収で納税が完結する方式[3]

例えば、上場株式の配当所得については、これら3つの方式から納税者が選択できます。

 4. 税率と計算方法

金融所得に対する税率は、原則として一律20.315%(所得税15.315%、住民税5%)となっています[3]。この税率は、金融所得の額に関わらず一定であり、累進課税が適用される給与所得などとは異なります。

計算方法は、対象となる金融所得に20.315%を乗じるという単純な方法です。ただし、申告方式によっては、他の所得と合算したり、損益通算を行ったりする場合もあります。

 5. 金融所得課税の特徴と課題

金融所得課税の主な特徴と課題は以下の通りです:

- 一律税率: 所得の多寡に関わらず一定の税率が適用される
- 損益通算: 申告分離課税を選択した場合、株式の譲渡損失と配当所得などの損益通算が可能
-1億円の壁: 高所得者層において所得税額負担が相対的に低くなる問題[1]
- 公平性の確保: 多様な金融商品間での課税の公平性を図る必要性[2]

 6. 他の課税制度との比較

金融所得課税は、給与所得や事業所得に適用される累進課税制度とは異なります。主な違いは以下の通りです:


7. 最近の動向と今後の展望

金融所得課税に関する最近の動向と今後の展望は以下の通りです:

- 政府による金融所得課税の見直しの検討
- 総合課税方式への移行や税率引き上げの可能性
- NISAの拡充など、資産形成を促進する制度との両立[1]

今後は、公平性を確保しつつ、国民の資産形成を阻害しない形での制度設計が求められています。金融所得課税の在り方は、日本の経済政策や税制改革の重要なテーマの一つとなっています。

Citations:
[1] https://www.orixbank.co.jp/column/article/268/
[2] https://www.fsa.go.jp/singi/shotokukazei_ittaika/siryou/20210510/02.pdf
[3] https://fsigma-co.com/japan-raises-tax-on-financial-income/
[4] https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/ronsou/60/02/hajimeni.htm
[5] https://www.smd-am.co.jp/market/ichikawa/2021/10/irepo211007/
[6] https://www.nhk.or.jp/politics/kotoba/70695.html
[7] https://minohospital.jp/kango-blog/post-2654/
[8] http://www.sllr.j.u-tokyo.ac.jp/earlierVersion/10/papers/sl-lr10.pdf