知っておくべき法的対応:SNSの誹謗中傷の開示請求とはどのような手続きで行うのか

SNSの誹謗中傷の開示請求とはどのような手続きで行うのかについて

 

SNSの誹謗中傷の開示請求とはどのような手続きで行うのか

SNSでの誹謗中傷被害に遭った場合、発信者情報開示請求を行うことで投稿者を特定し、法的措置を取ることが可能です。この手続きは複数のステップを踏む必要があり、一定の期間と費用がかかります。以下では、SNSでの誹謗中傷に対する発信者情報開示請求の手続きについて詳しく解説します。

発信者情報開示請求とは?制度の概要・手続の流れ・対応方法などを分かりやすく解説!

 目次

1. 発信者情報開示請求とは
2. 開示請求の要件
3. 開示請求の手順
4. 開示請求にかかる期間と費用
5. 開示請求後の対応
6. 注意点とアドバイス

 

1. 発信者情報開示請求とは

発信者情報開示請求とは、SNSやインターネット上で誹謗中傷を受けた際に、投稿者の身元を特定するためにプロバイダやサイト運営者に情報開示を求める手続きです[2]。この制度は、プロバイダ責任制限法第5条に基づいており、被害者が加害者に対して法的措置を取るための重要なステップとなります[1]。

主な目的は以下の2点です:
1. 誹謗中傷の投稿者を特定すること
2. 特定した投稿者に対して損害賠償請求などの法的措置を取ること

2. 開示請求の要件

発信者情報開示請求が認められるためには、以下の要件を満たす必要があります[2]:

1. 特定電気通信による情報の流通であること
2. 自己の権利を侵害されたとする者からの請求であること
3. 権利が侵害されたことが明らかであること
4. 開示を受けるべき正当な理由があること
5. 開示を求める情報が発信者情報に該当すること

特に「権利侵害の明白性」は重要な要件で、単なる嫌がらせや悪口だけでは不十分です[1]。

3. 開示請求の手順

発信者情報開示請求の基本的な手順は以下の通りです[2][3]:

1. 投稿の証拠を残す(スクリーンショットなど)
2. 弁護士に相談する
3. プロバイダに対して任意の開示請求を行う(ほとんど応じられない)
4. 裁判所に発信者情報開示請求の訴えを提起する
5. 裁判所での審理
6. 開示命令が出る(認められた場合)
7. プロバイダから情報を受け取る

4. 開示請求にかかる期間と費用

期間:
- 裁判所での手続きは通常3〜6ヶ月程度かかります[3]。
- ただし、プロバイダのログ保存期間が限られているため、迅速な対応が必要です。

費用:
- 弁護士費用:着手金と成功報酬で30〜50万円程度
- 裁判費用:訴額に応じて異なるが、数万円程度
- その他:証拠収集や書類作成の費用

具体的な費用は案件によって異なるため、弁護士に相談することをおすすめします[3]。

5. 開示請求後の対応

発信者情報が開示された後の対応としては、以下のようなものがあります:

1. 加害者に対して損害賠償請求を行う
2. 刑事告訴を検討する(名誉毀損罪や侮辱罪など)
3. 投稿の削除を求める
4. 謝罪や再発防止を要求する

具体的な対応は、開示された情報や被害の状況に応じて弁護士と相談しながら決定します。

6. 注意点とアドバイス

- 発信者情報開示請求は法的な専門知識が必要な手続きであり、自力で行うのは困難です。誹謗中傷問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめします[3]。
- 時間との勝負です。プロバイダのログ保存期間が限られているため、迅速な対応が重要です[3]。
- 開示請求が認められるためには、単なる悪口や嫌がらせではなく、明確な権利侵害があることを示す必要があります[1]。
- 開示された情報の取り扱いには十分注意し、目的外利用は避けましょう。
- 開示請求が認められても、必ずしも損害賠償請求が成功するとは限りません。総合的な戦略を立てることが重要です。

 

Citations:
[1] https://www.vbest.jp/personal/eraserequest/disclosure_request/
[2] https://www.authense.jp/defamation/disclose-request/
[3] https://www.authense.jp/defamation/column/disclosure-request/26/
[4] https://kigyobengo.com/media/useful/508.html
[5] https://keiyaku-watch.jp/media/hourei/hasshinshajohokaijiseikyu/
[6] https://www.businesslawyers.jp/articles/1306
[7] https://www.vbest.jp/personal/eraserequest/procedure_flow/
[8] https://haruta-lo.com/column/flow-of-disclosure-request/