スタッドレスタイヤ寿命3年とはについて
スタッドレスタイヤの寿命は、一般的に使用開始から3年~5年程度とされています。これは、スタッドレスタイヤのゴムが経年劣化し、本来の性能を発揮できなくなるためです。
スタッドレスタイヤのゴムは、通常のタイヤのゴムよりも柔らかく、雪道やアイスバーンなどの滑りやすい路面でグリップ力を高めるために、細かい突起(スタッド)が施されています。しかし、ゴムは経年劣化によって硬化し、スタッドも摩耗して突起が少なくなると、グリップ力が低下してしまいます。
また、スタッドレスタイヤは、通常のタイヤよりも重量があり、摩擦熱が発生しやすいという特徴があります。そのため、使用頻度や走行距離が多いほど、ゴムの劣化が早まります。
スタッドレスタイヤの寿命を判断する方法は、主に以下の3つがあります。
- 溝の深さ
溝の深さが1.6mm以下になると、雪道やアイスバーンでのグリップ力が著しく低下するため、交換のタイミングとなります。
スタッドレスタイヤのスリップライン
出典https://www.taiyakan.co.jp/shop/shimada/tech/showcase/572761/
スタッドレスタイヤには、タイヤの溝底にスリップラインと呼ばれる突起が設けられています。スリップラインは、タイヤの溝が1.6mm以下になったことを視覚的に確認するためのものです。スリップラインが露出した場合は、タイヤの交換が必要です。
スリップラインは、タイヤの側面から見て、溝底の突起がタイヤの側面から見える程度に減った状態です。タイヤのスリップラインが露出すると、タイヤの性能が著しく低下するため、早めに交換するようにしましょう。
- 見た目
ゴムが硬化して亀裂やひび割れが見られるようになったら、交換のタイミングとなります。
- 製造年数
スタッドレスタイヤの製造年数は、タイヤの側面に刻印されています。5年以上経過したものは、ゴムの劣化が進んでいる可能性があるため、交換を検討しましょう。
スタッドレスタイヤを長持ちさせる方法
スタッドレスタイヤを長持ちさせるためには、以下の点に注意しましょう。
- 適切な空気圧を保つ
空気圧が低すぎると、ゴムが変形して摩耗が早まります。また、空気圧が高すぎると、乗り心地が悪くなるだけでなく、タイヤが変形してパンクしやすくなります。
- 急発進・急ブレーキを避ける
急発進・急ブレーキは、タイヤに大きな負担をかけ、ゴムの劣化を早めます。
- 雪道やアイスバーンでの走行を控える
雪道やアイスバーンでの走行は、タイヤの摩耗を早めます。
- 定期的に点検・整備を行う
タイヤの溝の深さや見た目、製造年数などを定期的に点検し、劣化が見られたら早めに交換しましょう。
補足
スタッドレスタイヤを夏に履く時の注意点
スタッドレスタイヤは、雪道やアイスバーンなどの滑りやすい路面での安全運転のために開発されたタイヤです。しかし、夏の乾いた路面では、夏タイヤに比べて以下のようなデメリットがあります。
- 滑りやすくなる
スタッドレスタイヤのゴムは、夏タイヤに比べて柔らかく、摩擦熱が発生しやすいという特徴があります。そのため、夏の路面で走行すると、ゴムが柔らかくなりすぎて、滑りやすくなります。
- バーストしやすくなる
スタッドレスタイヤは、夏タイヤに比べて摩擦熱が発生しやすいため、炎天下で走行すると、タイヤがバーストしやすくなります。
- ブレーキの利きが悪くなる
スタッドレスタイヤは、夏タイヤに比べて排水性が悪いため、雨の路面で走行すると、ブレーキの利きが悪くなります。
- ハンドルが取り回しにくくなる
スタッドレスタイヤは、夏タイヤに比べて接地面積が広いため、コーナーリング時にハンドルが取り回しにくくなります。
- 燃費が悪くなる
スタッドレスタイヤは、夏タイヤに比べて転がり抵抗が大きくなるため、燃費が悪くなります。
そのため、スタッドレスタイヤを夏に履く場合は、以下の点に注意が必要です。
- 速度を落とす
スタッドレスタイヤは、夏タイヤに比べて滑りやすいため、通常よりも速度を落として走行するようにしましょう。
- 急発進・急ブレーキを避ける
急発進・急ブレーキは、タイヤに大きな負担をかけ、滑りの原因になるため、避けるようにしましょう。
- 水溜まりには注意する
水溜まりでは、水がタイヤと路面の間に入り込み、滑りやすくなるため、注意が必要です。
- 定期的に点検・整備を行う
タイヤの溝の深さや見た目、製造年数などを定期的に点検し、劣化が見られたら早めに交換しましょう。
また、スタッドレスタイヤは夏タイヤに比べて重量があるため、燃費の悪化やハンドルの取り回しにくさが気になる場合は、夏タイヤへの早期交換を検討しましょう。