他人のナンバープレート撮影は違法?

他人のナンバープレート撮影の違法性について

他人のナンバープレートを撮影することは、法律で禁止されているのでしょうか。この問題については、法律上明確な規定がなく、議論の余地があります。


個人情報保護法の観点から

個人情報保護法の観点から見ると、他人のナンバープレートは個人情報に該当しないとされています。個人情報保護法では、個人情報とは「特定の個人を識別することができる情報」と定義されています。ナンバープレートには、車の所有者を特定できる情報は含まれません。そのため、ナンバープレートを撮影しても、個人情報保護法に違反しないということになります。

肖像権・プライバシー権の観点から

一方、肖像権やプライバシー権の観点から見ると、他人のナンバープレート撮影が違法となる可能性があります。肖像権とは、自分の容貌をみだりに撮影されたり、その写真を公表されたりすることを禁止する権利です。プライバシー権とは、個人の私生活にわたる情報をみだりに開示されたり、収集されたりすることを禁止する権利です。

ナンバープレートは、車の所有者の氏名や住所などの個人情報を特定する情報ではありません。しかし、ナンバープレートから車の所有者の住所や職場、行動範囲などの情報を推測することは可能です。また、ナンバープレートを撮影した写真をSNSに投稿することで、車の所有者が誹謗中傷や嫌がらせの対象となる可能性もあります。

このようなことから、ナンバープレート撮影が肖像権やプライバシー権の侵害となる場合があると考えられるのです。

刑事罰の観点から

また、ナンバープレート撮影が刑事罰の対象となる場合もあります。例えば、ナンバープレート撮影が、道路交通法違反やストーカー規制法違反などの犯罪に該当する場合です。

道路交通法では、道路交通の安全を妨げる目的でナンバープレートを隠したり、見えなくしたりする行為を禁止しています。この規定に違反した場合、10万円以下の罰金が科せられます。

ストーカー規制法では、対象者に対するつきまとい行為を禁止しています。この規定に違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。

結論

他人のナンバープレート撮影が違法かどうかは、具体的な状況によって判断する必要があります。しかし、個人情報保護法の観点からは合法であるとしても、肖像権やプライバシー権の侵害となる場合や、刑事罰の対象となる場合があることを認識しておくことが重要です。

ナンバープレート撮影の注意点

他人のナンバープレート撮影を行う際には、以下の点に注意しましょう。

  • ナンバープレート撮影が、肖像権やプライバシー権の侵害となる可能性があることを認識する。
  • ナンバープレート撮影が、道路交通法違反やストーカー規制法違反などの犯罪に該当する可能性があることを認識する。
  • ナンバープレート撮影の目的を明確にする。
  • ナンバープレート撮影を行う場所や時間を考慮する。
  • ナンバープレート撮影した写真の使用方法を検討する。

ナンバープレート撮影は、悪用すると他人の権利や利益を侵害する可能性があります。適切な目的で、適切な方法で行うようにしましょう。

道交違反について

ナンバープレート撮影が道路交通法違反になる場合とは、道路交通の安全を妨げる目的でナンバープレートを隠したり、見えなくしたりする行為を行う場合です。

具体的には、以下の行為が道路交通法違反に該当します。

  • ナンバープレートを汚したり、破損させたりすること
  • ナンバープレートを覆ったり、隠したりすること
  • ナンバープレートを見えなくするようなフィルムやシートを貼ること

これらの行為は、ナンバープレートを識別できなくなるため、道路交通の安全を脅かす恐れがあります。そのため、道路交通法では、これらの行為を禁止しているのです。

違反した場合の罰則は、10万円以下の罰金です。

なお、警察官の職務質問交通違反の取り締まりにおいて、ナンバープレートを撮影されることは、道路交通法違反には該当しません。