相続の話し合いのタイミングは?生前・死亡後どちらがおすすめ?

相続の話し合い 家族いつについて

 

相続の話し合い 家族といつするべきか

相続は、誰もが経験する可能性がある人生の重大な出来事です。相続が発生すると、遺産の分割や相続税の申告など、さまざまな手続きが必要になります。これらの手続きを円滑に進めるためには、相続人同士で話し合いを行い、遺産の分割方法や相続税の申告方法などを決めることが重要です。


相続の話し合いは、いつするべきなのでしょうか。相続発生後の話し合いのタイミングは、大きく分けて「死亡後」と「生前」の2つがあります。

死亡後

死亡後に相続の話し合いをする場合は、相続人が集まるタイミングが目安となります。一般的には、四十九日の法要の頃に話し合いを行うことが多いようです。四十九日の法要は、仏教において故人が成仏するための儀式であり、相続人全員が集まる機会となります。そのため、四十九日の法要をきっかけとして、相続の話し合いを行うのがよいでしょう。

ただし、四十九日が過ぎてしまっても、相続の話し合いを始める遅すぎることはありません。相続税の申告期限は、相続の開始から10か月以内と定められています。そのため、相続が発生してから10か月以内に、相続の話し合いを終えられるようにスケジュールを立てておくことが大切です。

生前

生前に相続の話し合いをする場合は、親が元気なうちに行うことが理想です。生前であれば、親の意向を直接聞くことができ、相続人同士の話し合いも円滑に進みやすいでしょう。また、生前に相続の話し合いをしておけば、遺言書を作成しておくこともでき、相続トラブルを防止することにもつながります。

ただし、親が相続について話し合いをすることに抵抗を感じる場合もあるかもしれません。そのような場合は、親が相続について関心を持つようなきっかけづくりを行うことが大切です。例えば、相続セミナーに参加したり、相続に関する書籍を渡したりするなどして、親に相続について考えてもらうように促しましょう。

相続の話し合いのポイント

相続の話し合いでは、以下の点に注意しましょう。

  • 遺産の現況を把握する

まずは、遺産の現況を把握することが大切です。遺産には、現金や不動産などの有形資産だけでなく、保険金や退職金などの無形資産も含まれます。遺産の現況を把握するためには、相続登記や相続税申告の際に必要な書類を集め、遺産の種類や価額を整理しましょう。

  • 相続人の希望を話し合う

遺産の現況を把握したら、相続人の希望を話し合います。相続人は、遺産をどのように分けたいのでしょうか。相続税の負担を軽減するために、遺産を分割する方法もあります。相続人の希望を十分に聞き取り、納得できる方法を探しましょう。

  • 話し合いをスムーズに進める

相続の話し合いは、感情的になりやすい場面です。そのため、話し合いをスムーズに進める工夫が必要です。例えば、話し合いの前に、それぞれの意見をまとめておくとよいでしょう。また、話し合いの場所や時間を決めておくことも大切です。

相続の話し合いは、相続トラブルを防止するためにも重要なことです。家族といつ話し合いを行うかは、遺産の状況や相続人の状況などによっても異なります。それぞれの状況に合わせて、適切なタイミングで話し合いを行うようにしましょう。

生前の遺言書について

遺言書とは、遺言者が亡くなった後に、遺産をどのように分割するかを決める書類です。遺言書を作成しておくと、遺産の分割を巡るトラブルを防ぐことができます。

遺言書には、大きく分けて「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類があります。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、遺言者が自分で作成する遺言書です。作成にあたっては、以下の要件を満たす必要があります。

  • 遺言書の全文を、遺言者が自筆で作成する
  • 遺言書に、遺言者の氏名、作成日付を記載する
  • 遺言書に、遺言者の印鑑を押す

自筆証書遺言は、作成が簡単で、費用もかかりません。ただし、作成に不備があると、遺言書として無効になる可能性があるため、注意が必要です。

公正証書遺言

公正証書遺言は、公証役場で公証人が作成する遺言書です。作成にあたっては、以下の手続きが必要です。

  • 公証役場に行き、遺言の作成を申し込む
  • 公証人の面前で、遺言の内容を宣言する
  • 公証人が遺言書を作成して、遺言者と証人に署名押印してもらう

公正証書遺言は、作成に不備がなく、確実性が高くなっています。ただし、作成に費用がかかります。

遺言書の作成の流れ

遺言書を作成する場合は、以下の流れで進めます。

  1. 遺言書の種類を決める
  2. 遺産の現況を把握する
  3. 遺言の内容を検討する
  4. 遺言書を作成・保管する

遺言書の種類を決める

まず、遺言書の種類を決めます。自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらが良いかは、以下の点から検討します。

  • 費用
  • 作成の難易度
  • 確実性

遺産の現況を把握する

遺言書を作成するためには、遺産の現況を把握する必要があります。遺産には、現金や不動産などの有形資産だけでなく、保険金や退職金などの無形資産も含まれます。遺産の現況を把握するためには、相続登記や相続税申告の際に必要な書類を集め、遺産の種類や価額を整理しましょう。

遺言の内容を検討する

次に、遺言の内容を検討します。遺言の内容としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 遺産の分割方法
  • 遺留分
  • 遺言執行者の指定

遺産の分割方法としては、法定相続分による分割、遺贈による分割、代襲相続人による分割などがあります。遺留分とは、法定相続人に対して最低限保障される相続分です。遺言執行者とは、遺言の執行を任される人です。

遺言書を作成・保管する

最後に、遺言書を作成・保管します。自筆証書遺言を作成する場合、遺言書は、遺言者が亡くなった後に見つからなければ意味がありません。そのため、遺言書は、安全な場所に保管するようにしましょう。

遺言書の作成を依頼する

遺言書の作成を依頼する場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談するのがおすすめです。専門家に依頼すれば、遺言書の作成をサポートしてもらえますし、遺言書の有効性も高まります。

遺言書の作成のポイント

遺言書を作成する場合、以下の点に注意しましょう。

  • 遺言書の内容は、遺言者の意思を明確にしたものにする
  • 遺言書は、字が読みやすく、誤解のないように作成する
  • 遺言書は、正確な日付を記載する
  • 遺言書は、複数枚にわたる場合は、全てのページに署名押印する

遺言書は、遺言者の意思を実現するために重要な書類です。慎重に作成するようにしましょう。

公正証書遺言の作成費用は、公証役場の手数料と、弁護士や司法書士などの専門家に依頼した場合の報酬の2つから構成されます。

公証役場の手数料

公証役場の手数料は、遺言の対象とする財産の価額によって異なります。

遺言の対象とする財産の価額 手数料
500万円以下 1万円
500万円を超えて1,000万円以下 3万円
1,000万円を超えて3,000万円以下 5万円
3,000万円を超えて5,000万円以下 7万円
5,000万円を超えて1億円以下 9万円
1億円を超えて 11万円

また、遺言書の枚数によっても手数料が加算されます。遺言書の枚数が4枚を超える場合は、1枚ごとに250円の手数料がかかります。

専門家に依頼した場合の報酬

弁護士や司法書士などの専門家に依頼した場合の報酬は、事務所によって異なります。一般的な相場としては、10万円から20万円程度です。

例えば、遺言の対象とする財産が1,000万円で、遺言書の枚数が3枚の場合、公証役場の手数料は5万円、専門家に依頼した場合の報酬が15万円であれば、合計で20万円の費用がかかります。

公正証書遺言は、作成に費用がかかりますが、作成に不備がなく、確実性が高くなっています。また、公証役場で作成するため、遺言書の保管も安心です。

自分でパソコンでつくろうかな。

遺言書の種類によって、パソコンで作成してもよいかどうかが異なります。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、遺言者が自分で作成する遺言書です。2019年1月1日の民法改正により、財産目録のみパソコンやワープロで作成することが可能になりました。ただし、遺言書の本文は、遺言者が自筆で作成する必要があります。

公正証書遺言

公正証書遺言は、公証役場で公証人が作成する遺言書です。公正証書遺言は、すべて公証人が作成するため、パソコンで作成することはできません。

結論

遺言書をパソコンで作成する場合は、自筆証書遺言の財産目録のみに限られます。遺言書の本文をパソコンで作成すると、遺言書として無効になる可能性があります。

ということです。