家相続後 1年以内に売却すべきについて
家を相続した場合、1年以内に売却することが有利な場合があります。この記事では、家相続後の売却のメリットとデメリット、売却する際の注意点や手順、売却しない場合の選択肢などについて解説します。
家相続後の売却のメリット
家相続後に売却することのメリットは主に以下の3点です。
- 相続税の節税
- 維持費や管理費の節約
- トラブルの回避
相続税の節税
家を相続した場合、その時点で評価された時価に基づいて相続税がかかります。しかし、相続した家を1年以内に売却した場合、売却価格が時価よりも低くても、その売却価格で相続税が計算されます。これは「譲渡特例」と呼ばれる制度で、相続した家が市場価格よりも低く評価されることを防ぐために設けられたものです。
例えば、相続した家の時価が5000万円であったとします。この場合、相続税は約1000万円（仮定）かかります。しかし、相続した家を1年以内に4000万円で売却した場合、相続税は約800万円（仮定）になります。つまり、200万円の節税ができるということです。
このように、相続した家を1年以内に売却することで、相続税を節税することができます。ただし、この制度を利用するためには以下の条件を満たす必要があります。
- 相続した家を1年以内に売却すること
- 売却した家が被相続人の居住用財産であること
- 売却した家が被相続人の死亡時から3年以内に取得したものであること
- 売却した家が被相続人の死亡時から6ヶ月以内に登記されたものであること
- 売却した家が被相続人またはその配偶者が居住していたものであること
- 売却した家が被相続人またはその配偶者以外の者が居住していないものであること
これらの条件を満たさない場合は、譲渡特例を利用することができません。また、譲渡特例を利用する場合は、申告書にその旨を記載する必要があります。
維持費や管理費の節約
家を所有するということは、それなりの費用がかかるということです。例えば、固定資産税や都市計画税などの税金や、水道光熱費や修繕費などの経費です。これらは毎年かかるものなので、長期的に見るとかなりの負担になります。
特に空き家になっている場合は、不動産会社や管理会社に管理を依頼する必要があります。これには管理費や委託料などがかかります。また、空き家は破損や老朽化のリスクが高く、火災や盗難などのトラブルに巻き込まれる可能性もあります。これらの場合は、保険料や補修費などが発生する可能性があります。
このように、家を所有することは、維持費や管理費などのコストがかかるということです。これらのコストを節約するためには、家を売却することが一つの方法です。家を売却すれば、これらのコストを払う必要がなくなりますし、売却代金を他の有効な投資に回すこともできます。
トラブルの回避
家を相続した場合、相続人間でのトラブルが起こる可能性があります。例えば、相続人の数が多い場合や、相続人の意見が分かれる場合です。このような場合は、家の分割や処分について話し合う必要がありますが、それがスムーズに進まないこともあります。また、相続人以外の者からのトラブルも発生する可能性があります。例えば、被相続人に借金があった場合や、被相続人と契約していた業者からの請求があった場合です。このような場合は、相続した家に対する債権者の権利を認める必要があります。
このように、家を相続した場合は、さまざまなトラブルに巻き込まれる可能性があります。これらのトラブルを回避するためには、家を売却することが一つの方法です。家を売却すれば、相続人間での分配や処分について話し合う必要がなくなりますし、債権者からの請求も受けなくなります。
家相続後の売却のデメリット
家相続後に売却することのデメリットは主に以下の2点です。
- 売却益税の課税
- 感情的な価値の喪失
売却益税の課税
家を相続した場合、その時点で評価された時価で取得したものとみなされます。その後、その家を売却した場合、売却価格と時価との差額（売却益）に対して所得税や住民税がかかります。これは「売却益税」と呼ばれる税金です。
例えば、相続した家の時価が5000万円であったとします。その後、その家を6000万円で売却した場合、売却益は1000万円となります。この場合、売却益税は約200万円（仮定）かかります。
このように、相続した家を売却することで、売却益税を支払う必要があります。ただし、以下の条件を満たす場合は、売却益税を免除されることもあります。
- 相続した家を5年以上所有していたこと
- 相続した家を自分または配偶者が居住していたこと
- 相続した家以外に自分または配偶者の所有する住宅がないこと
これらの条件を満たす場合は、相続した家を売却しても、売却益税がかからないというメリットがあります。しかし、相続した家を売却する際には、他にも注意すべき点があります。例えば、相続した家に住んでいた人がいる場合、その人の同意や立ち退き交渉が必要になることがあります。また、相続した家が古くて修繕やリフォームが必要な場合、その費用も考慮する必要があります。さらに、相続した家を売却すると、相続税の申告や納税の義務も発生します。
相続した家を売却することは、一見メリットばかりのように思えるかもしれませんが、実際には様々なデメリットやリスクも伴います。そのため、相続した家を売却するかどうかは、よく検討する必要があります。相続した家を売却する際には、専門家のアドバイスを受けることもおすすめです。
