中国のEV墓場につて
中国では、近年、電気自動車（EV）の大量廃棄問題が深刻化している。2019年以降、中国国内の少なくとも6都市で、膨大な数のEVが雑草やゴミの中に放置されている光景が報じられ、その様子は「EV墓場」として世界的に注目を集めた。
出典
EV墓場が生まれた背景
EV墓場が生まれた背景には、主に以下の3つの要因がある。
- 中国政府のEV普及政策
中国政府は、2010年頃から、大気汚染やエネルギー問題の解決に向け、EVの普及を積極的に推進してきた。具体的には、EVの購入者やメーカーに対して、補助金や税制優遇などの支援策を打ち出した。その結果、中国のEV市場は急速に拡大し、2022年には世界最大のEV市場となった。
- カーシェアリング事業の撤退
中国では、EV普及の初期段階で、カーシェアリング事業が活況を呈した。政府の補助金や、都市部での充電インフラの整備が進んだことなどが背景にある。しかし、2019年頃から、競争の激化や利用者の減少などにより、多くのカーシェアリング事業者が撤退に追い込まれた。その結果、大量のEVが余剰となり、廃棄されるようになった。
- EVの品質問題
中国のEVメーカーの中には、技術力や品質管理が十分でない企業も存在する。そのため、バッテリーの寿命が短い、故障が多いなどの問題が発生し、EVの信頼性が低下している。また、EVの価格も、ガソリン車と比べて依然として高いという課題もある。
EV墓場の課題
EV墓場は、環境汚染や資源の浪費など、さまざまな問題を引き起こしている。中国政府は、2020年から、EVの廃棄・リサイクルに関する規制を強化し、EV墓場の解消に取り組んでいる。しかし、EVの大量廃棄は依然として深刻な問題であり、解決にはさらなる努力が必要だ。
EV墓場の課題を解決するために
EV墓場の課題を解決するためには、以下の対策が考えられるだろう。
- 中国政府による規制の強化
中国政府は、EVの廃棄・リサイクルに関する規制をさらに強化し、EV墓場の解消を図る必要がある。具体的には、EVの製造や販売業者に、廃棄・リサイクルの責任を負わせることや、廃棄されたEVの安全な処理を義務づけるなどの措置が必要だ。
- EVの品質向上
EVメーカーは、バッテリーの寿命や信頼性を向上させるなど、EVの品質向上に努める必要がある。また、EVの価格をガソリン車に近づけることも、普及を促進するために重要だ。
- 消費者の意識向上
消費者は、EVの購入や利用の際には、廃棄・リサイクルに関する情報を確認するなど、環境に配慮した行動を心がける必要がある。
中国のEV墓場は、EVの普及がもたらす環境問題のひとつの象徴である。EVが、持続可能なモビリティとして普及するためには、EVの廃棄・リサイクルに関する問題を解決することが不可欠だ。
ロシアにEVが輸出されているが
EVのインフラはロシアは整備されているのか心配だ。
