白内障は、目の水晶体が濁ることによって視界が悪化する病気です。この疾患は、特に高齢者に多く見られ、視力の低下や見え方の変化を引き起こします。白内障の症状や見え方について理解することは、早期発見や適切な治療につながります。本稿では、白内障の見え方について詳しく解説し、その特徴や症状を明らかにします。

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 目次

1. 白内障とは
   - 定義と原因
   - 水晶体の役割

2. 白内障の症状
   - かすみ目
   - 二重視
   - 光のまぶしさ

3. 白内障の進行と見え方の変化
   - 初期段階の症状
   - 中等度・重度の症状

4. 白内障の診断と治療法
   - 診断方法
   - 治療選択肢

5. 生活への影響
   - 日常生活での困難
   - 予防策と注意点

 

 1. 白内障とは

定義と原因
白内障は、水晶体が濁ることによって視力が低下する病気です。最も一般的な原因は加齢であり、これを「加齢性白内障」と呼びます。水晶体の中のタンパク質が変性し、透明度が失われることで視界がぼやけるようになります。その他にも、糖尿病やアトピー性皮膚炎、外傷などが原因となることがあります[1][4].

水晶体の役割
水晶体は目の中で光を集め、網膜に焦点を合わせる役割を担っています。正常な水晶体は透明で、光をスムーズに通過させますが、白内障によって濁ると光の通過が妨げられ、視力が低下します[1][2].

 2. 白内障の症状

かすみ目
白内障の初期症状として最も一般的なのが「かすみ目」です。物がぼやけて見えたり、視界全体がかすんだりすることがあります[5].

 二重視
進行した白内障では、ものが二重に見えることがあります。この現象は、水晶体の濁りによって光の屈折が正しく行われないために起こります[5][6].

 光のまぶしさ
白内障患者は、特に明るい光や夜間の運転時に強いまぶしさを感じることがあります。このまぶしさは、濁った水晶体によって光が乱反射するためです[2][5].

3. 白内障の進行と見え方の変化

初期段階の症状
初期段階では視力の低下は緩やかですが、外側から中心に向かって水晶体が徐々に濁っていきます。この段階では、自覚症状はあまりないこともあります[3][5].

中等度・重度の症状
中等度から重度になると、視力低下が顕著になり、日常生活に影響を及ぼします。特に中心部が濁ると、「まぶしくなる」「くすんだように見える」などの症状が現れます[1][2].

 4. 白内障の診断と治療法

 診断方法
白内障の診断には、視力検査や屈折検査、眼底検査などが行われます。これらの検査によって水晶体の濁り具合や視力の状態を把握します[3][6].

治療選択肢
治療法としては、外科手術によって濁った水晶体を取り除き、その代わりに人工レンズを挿入する方法があります。軽度の場合は目薬や内服薬で進行を抑えることも可能ですが、根本的な治療には手術が必要です[4][6].

 5. 生活への影響

 日常生活での困難
白内障による視力低下は日常生活に大きな影響を与えます。特に運転や読書など、細かい作業が困難になることがあります[2][5].

 予防策と注意点
白内障を予防するためには、禁煙や紫外線対策、バランスの取れた食事などが推奨されます。また、定期的な眼科検診を受けることで早期発見につながります[4][6].

 

Citations:
[1] https://www.santen.com/jp/healthcare/eye/library/cataract/museum/about_cataract
[2] https://www.matsubaraganka.com/%E9%99%A2%E9%95%B7/%E3%81%BF%E3%81%88%E3%81%AB%E3%81%8F%E3%81%84%EF%BC%81%E3%82%82%E3%81%97%E3%81%8B%E3%81%97%E3%81%A6%E7%99%BD%E5%86%85%E9%9A%9C%E3%81%8C%E3%81%99%E3%81%99%E3%82%93%E3%81%A0%E3%81%8B%E3%82%82%EF%BC%9F/
[3] https://senshinkai-clinic.jp/column/article/134/
[4] https://www.oura-eyeclinic.com/cataracts/cataracts_cause_prevention/
[5] https://gen-gen-cocoro-eye.jp/column/cataract-symptoms/
[6] https://www.hosp.kaizuka.osaka.jp/info/column/ganka_cataract.html
[7] https://j-eyebank.or.jp/doc/class/class_23-2.pdf
[8] https://www.hosp.ncgm.go.jp/aboutus/medicalnote/s033/001/index.html

 

補足

どのような目薬が効くのか

白内障の治療に用いられる目薬には、主に以下の2種類があります。

ピレノキシン製剤
ピレノキシン(製品名:カタリン、カリーユニ)は、白内障の進行を遅らせるために使用される点眼薬です。この薬は、白内障を引き起こす原因物質である「キノイド物質」との結合を防ぐことで、水晶体内のタンパク質の変性を抑制します。特に、初期の皮質型白内障に対して効果が期待されており、混濁面積が20%以下の状態であれば進行抑制効果が確認されています[1][3].

 グルタチオン製剤
グルタチオン(製品名:タチオン)は、抗酸化作用を持つ点眼薬で、水晶体内のタンパク質が酸化するのを防ぐことで白内障の進行を抑える役割があります。白内障が進行するにつれて体内のグルタチオンが減少するため、この薬を用いることでその量を補い、視力低下を防ぐことが期待されています[1][4].

効果と注意点
これらの点眼薬は、白内障を根本的に治すものではなく、進行を遅らせることが目的です。効果には個人差があり、点眼治療中でも病状が進行する場合がありますので、定期的な経過観察が必要です。また、点眼開始年齢や白内障の進行程度によっても効果が異なるため、医師と相談しながら適切な治療法を選択することが重要です[1][3].

 

Citations:
[1] https://www.nagamine-eye.com/cataracts_surgery/eye-drops/
[2] http://www.jscr.net/ippan/page-012.html
[3] https://www.oura-eyeclinic.com/cataracts/eye_treatment/
[4] https://senshinkai-clinic.jp/column/article/148/