ナゼ美容室の倒産が急増しているのか?業界の現状と未来を探る

ナゼ美容室の倒産が急増しているのかについて

 

ナゼ美容室の倒産が急増しているのか

美容室の倒産が急増している背景には、さまざまな経済的要因が影響しています。2024年の初めから4月にかけて、美容室の倒産件数は前年同期比で48.3%増の46件に達し、これは過去10年間で最多の記録です。この傾向は続くと予想され、年間の倒産件数は2019年の105件を上回る可能性が高まっています。

「美容室」の倒産件数、前年比1.5倍で過去最多ペースで急増 「赤字」経営は約4割に コスト高と節約志向が影響か (2024年9月3日) - エキサイトニュース


 目次

1. 倒産件数の増加
   - 2024年の倒産状況
   - 過去との比較

2. 主な原因
   - コロナ禍からの回復とその影響
   - 人件費や資材費の高騰
   - 競争の激化

3. 経営環境の変化
   - 顧客の節約志向
   - ヘアスタイルのトレンド変化

4. 今後の展望
   - 値上げと顧客離れのリスク
   - 美容室の淘汰と生き残り戦略

 

1. 倒産件数の増加

   - 2024年の倒産状況

2024年1月から4月の間に、美容室の倒産件数は46件に達し、前年同期比で48.3%の増加を記録しました。この数値は、過去10年間で最も多いものであり、特に2018年と2019年の32件を上回る結果となっています。このペースが続くと、年間の倒産件数は2019年の105件を超える可能性が高いとされています。

   - 過去との比較

過去のデータと比較すると、コロナ禍以前の2019年までの1〜4月の倒産件数は30件前後で推移していましたが、2020年以降は28件、23件、22件と低水準が続いていました。しかし、2023年には31件に増加し、2024年には初めて40件を超えたことから、業界全体の厳しさが浮き彫りになっています。

2. 主な原因

   - コロナ禍からの回復とその影響

コロナ禍からの回復期において、美容室は一時的に顧客が戻りつつありましたが、経済の不安定さや物価高が影響し、再び厳しい状況に直面しています。特に、円安や資材費の高騰が経営を圧迫し、倒産が増加する要因となっています。

   - 人件費や資材費の高騰

美容室はもともと過小資本で運営されていることが多く、人件費や美容資材の価格上昇が直接的な経営負担となっています。これにより、経営の安定化が難しくなり、多くの美容室が赤字経営に陥っています。

   - 競争の激化

美容室の数が多く、参入障壁が低いため、競争が非常に激しいです。このため、顧客の獲得が難しくなり、価格競争に巻き込まれることで、利益を確保することが困難になっています。

3. 経営環境の変化

   - 顧客の節約志向

物価高の影響で、顧客は支出を抑える傾向にあり、特に高単価の施術メニューが敬遠されるようになっています。この傾向は、特にパーマやカラーリングなどの施術に顕著であり、カットの需要はあるものの、全体的な売上は減少しています。

   - ヘアスタイルのトレンド変化

最近のトレンドとして、洗髪しやすいショートカットが人気を集めており、これにより高単価の施術が減少しています。顧客のニーズに応じたサービス提供が求められる中で、従来のスタイルからの転換が必要とされています。

4. 今後の展望

   - 値上げと顧客離れのリスク

美容室はコストをカバーするために値上げを余儀なくされていますが、顧客がその価値を感じなければ、顧客離れが進むリスクがあります。このため、値上げの際には顧客との信頼関係を強化することが重要です。

   - 美容室の淘汰と生き残り戦略

今後は、強い競争環境の中で、集客力やブランディング力を高める努力が求められます。SNSを活用したマーケティングや顧客のニーズに応じたサービスの提供が、淘汰される美容室と生き残る美容室の分かれ目になるでしょう。

 

補足

690円カットで頑張っている店もあるが