ゲーセン倒産や休廃業2年連続増加について
ゲーセン倒産や休廃業2年連続増加
消えゆく街の遊び場:ゲーセン倒産・休廃業2年連続増加
かつて子供たちの遊び場として賑わったゲーセン。しかし近年、その数は年々減少している。帝国データバンクの調査によると、2023年度のゲームセンターの倒産・休廃業は過去5年間で最多の18件となり、2年連続で増加している。
100円投入ゲームの売上は100円だが、景品やメダル払い戻しなどに60円を支出。残りの40円から人件費、電気代、賃料などを支払う必要がある。近年の人件費や光熱費の高騰が収益をさらに圧迫し、経営を苦しめている。
コロナ禍や景気低迷も追い打ちをかけ、客数が減少。コロナ対策として筐体消毒などのコスト増加も経営を圧迫している。
生き残りをかけて、eスポーツ、VR/AR、クレーンゲームなどに注力したり、カフェ併設、アルコール提供など、新たなサービスを展開するゲーセンも現れている。
時代の変化に対応し、新たな価値を提供することで、生き残りをかけているゲーセン。未来への挑戦が始まっている。
「ゲームセンター」倒産・廃業、2年連続増 100円売上で利益「6円」 コスト増で利益少なく | 株式会社帝国データバンクのプレスリリース
もくじ
1. 苦境に立たされるゲーセン業界:2年連続増加の倒産・休廃業
1-1. 100円売上6円利益:厳しい収益構造
1-2. コロナ禍と景気低迷:追い打ちとなる逆風
2. 生き残り戦略:多様化するゲーセン
3. 未来への挑戦:時代の変化に対応する
3-1. 参考資料
ゲーセン倒産・休廃業2年連続増加:100円売上6円利益の厳しい現実
1. 苦境に立たされるゲーセン業界:2年連続増加の倒産・休廃業
2023年度、ゲームセンターの倒産や休廃業は、計18件発生。前年度(15件)に続いて2年連続で増加し、過去5年間で最多を更新しました。
10年間で8000店近く減少、直近5年間では3割減と、かつて子供たちの遊び場として賑わっていたゲーセンが次々と姿を消しています。
この状況は、深刻な収益構造の問題と、コロナ禍や景気低迷の影響が重なった結果と言えます。
100円投入ゲームの売上は100円だが、景品やメダル払い戻しなどに60円を支出。40円の利益から、人件費、電気代、賃料などを支払う必要がある。近年の人件費や光熱費の高騰が収益をさらに圧迫している。
コロナ禍や景気低迷の影響を受け、客数が減少。コロナ対策として筐体消毒などのコスト増加も追い打ちをかけている。
かつては子供たちの遊び場として賑わっていたゲーセン。時代の変化に対応し、新たな価値を提供することで、生き残りをかけているのです。
1-1. 100円売上6円利益:厳しい収益構造
ゲームセンターの収益構造は非常に厳しいものです。100円投入ゲームで100円の売上を上げても、景品やメダル払い戻しなどに60円を支出。残りの40円から、人件費、電気代、賃料などを支払う必要があります。近年の人件費や光熱費の高騰は、さらに収益を圧迫しています。
100円ゲームで6円しか利益が出ない状況では、経営は非常に困難です。多くのゲームセンターは、複数の店舗を運営したり、プライズ景品を卸売りしたりするなど、様々な工夫を凝らして経営を維持しています。
しかし、コロナ禍や景気低迷の影響で客数が減少している状況では、経営を維持することが難しくなっているゲームセンターも少なくありません。今後、ゲームセンター業界はさらに淘汰が進み、生き残るためには、新たな収益モデルの構築が不可欠となるでしょう。
1-2. コロナ禍と景気低迷:追い打ちとなる逆風
外出自粛や景気低迷の影響を受け、ゲーセンの客数は減少しています。
- 外出自粛により、娯楽施設への訪問が控えられ、ゲーセンの利用機会が減少
- 景気低迷により、娯楽費への支出が減少し、客単価の低下
さらに、コロナ対策として筐体消毒などのコストが増加しています。
- 消毒液やマスクなどの購入費用
- スタッフの消毒作業による人件費増加
これらの逆風は、厳しい収益構造に苦しむゲーセン業界にとって、さらなる打撃となっています。
参考資料
2. 生き残り戦略:多様化するゲーセン
かつて子供たちの遊び場として賑わったゲーセンは、時代の変化に対応し、新たな価値を提供することで、生き残りをかけているのです。
1. オンラインゲームとの差別化
- eスポーツ: プロ選手による大会開催、観戦イベントなど
- VR/AR: 没入感の高いゲーム体験を提供
- クレーンゲーム: 限定景品、高額景品、フィギュアなど
2. フード・ドリンク充実
- カフェ併設: ゲーセンに長時間滞在する顧客層を取り込む
- アルコール提供: 大人向けの顧客層を取り込む
3. キッズ向けアミューズメント施設への転換
- 遊具、イベント、託児サービスなど
4. 地方では、地域住民向けのサービス提供
- 高齢者向けゲーム教室、健康増進プログラムなど
これらの戦略により、ゲーセンは新たな顧客層を獲得し、収益を向上させているのです。
3. 未来への挑戦:時代の変化に対応する
かつて子供たちの遊び場として賑わったゲーセン。しかし、時代とともにその姿は大きく変化し、近年は淘汰の波が押し寄せています。2023年度もゲームセンターの倒産や休廃業は過去5年間で最多を更新。10年間で8000店近く減少、直近5年間では3割減と、厳しい状況が続いています。
こうした状況下で生き残りをかけているゲーセンは、時代の変化に対応し、新たな価値を提供する努力をしています。
1. オンラインゲームとの差別化
オンラインゲームが主流となる現代において、ゲーセンは独自の体験を提供することで差別化を図っています。具体的には、eスポーツ、VR/AR、クレーンゲームなど、オンラインゲームでは味わえない体験を訴求しています。
2. フード・ドリンク充実
単なる遊び場から、滞在型のエンターテイメント空間へと進化するゲーセンも増えています。カフェを併設したり、アルコールを提供したりすることで、より幅広い層の顧客を獲得しています。
3. キッズ向けアミューズメント施設への転換
少子高齢化の影響を受け、子供向けのサービスに特化するゲーセンも増えています。キッズ向けアミューズメント施設への転換することで、家族連れなど新たな顧客層を開拓しています。
4. 地方では、地域住民向けのサービス提供
地方では、地域住民向けのサービスを提供することで、コミュニティの拠点としての役割を担うゲーセンも登場しています。高齢者向けのゲーム教室や、地域のイベント開催など、地域活性化に貢献する取り組みが行われています。
これらの取り組みは、時代の変化に対応し、新たな価値を提供することで、ゲーセンの未来を切り開くための挑戦と言えるでしょう。
3-1. 参考資料
- 帝国データバンク:2023年度 ゲームセンターの倒産・休廃業が過去5年間で最多: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000847.000043465.html
- TREND NEWS CASTER:ゲームセンター、2年連続で倒産・休廃業が増加 100円投入6円しか利益が出ない厳しい状況: https://news.nicovideo.jp/watch/nw14695237?news_ref=ranking_ranking
- FNNプライムオンライン:ゲームセンターの倒産・休廃業が過去最多…100円投入で6円しか利益が出ない厳しい収益構造: https://www.jiji.com/jc/article?k=000000847.000043465&g=prt