ゼロヨンから0-100に移行する自動車の加速性能 ~その背景と今後の展望~

ゼロヨンから0-100に変遷について

自動車の性能を示す指標として、ゼロヨン加速と0-100km/h加速は、長きにわたって人気を博してきた。しかし、近年では、0-100km/h加速がゼロヨン加速に取って代わる傾向にある。その背景には、自動車の性能向上や安全基準の強化、そして自動車に対する価値観の変化などが挙げられる。

ゼロヨン加速の歴史

ゼロヨン加速は、停止状態から400mの距離を走り切るのに要する時間を計測する方法である。19世紀後半にアメリカで開発されたとされており、当初は馬車の性能を示す指標として用いられていたという。

自動車の誕生後、ゼロヨン加速は自動車の性能を示す指標としても用いられるようになった。1900年代初頭には、10秒台後半のゼロヨン加速が実現し、1960年代には8秒台のゼロヨン加速が達成された。

1970年代以降は、排気ガス規制や安全基準の強化により、自動車のエンジン出力や車重が抑制されるようになった。そのため、ゼロヨン加速の記録は伸び悩むようになった。

0-100km/h加速の歴史

0-100km/h加速は、停止状態から100km/hに加速するのに要する時間を計測する方法である。ゼロヨン加速と比べて、計測距離が短いため、よりダイナミックな加速性能を示す指標として人気を博している。

0-100km/h加速は、1970年代以降、自動車の性能向上に伴い、徐々に記録が伸びていった。1980年代には10秒台後半、1990年代には9秒台、そして2000年代以降は8秒台が当たり前となってきた。

ゼロヨンから0-100への移行

ゼロヨンから0-100への移行の背景には、以下の3つの要因が挙げられる。

  1. 自動車の性能向上

自動車のエンジン出力や車重の向上により、ゼロヨン加速の記録は徐々に伸びていった。しかし、排気ガス規制や安全基準の強化により、その伸びは鈍化し、0-100km/h加速との差は縮まっていった。

  1. 安全基準の強化

自動車の安全基準が強化されたことにより、車重が増加し、ゼロヨン加速の記録が伸びにくくなった。

  1. 自動車に対する価値観の変化

近年、自動車に対する価値観は、性能や燃費だけでなく、安全性や快適性も重視されるようになった。そのため、ゼロヨン加速よりも、0-100km/h加速や日常の走行性能を重視する傾向が強まっている。

0-100km/h加速の今後

今後も、自動車の性能向上や安全基準の強化は続くと考えられる。そのため、0-100km/h加速の記録は、さらに伸びていくと予想される。

また、電動化の進展により、EVやPHEVなどのゼロエミッション車が普及していくと考えられる。EVやPHEVは、エンジン車と比べて加速性能に優れるため、0-100km/h加速の記録がさらに伸びる可能性もある。

まとめ

ゼロヨン加速から0-100km/h加速への移行は、自動車の性能向上や安全基準の強化、そして自動車に対する価値観の変化などが背景にある。今後も、0-100km/h加速は、自動車の性能を示す指標として、ますます重要性を増していくと考えられる。

補足

0-100の世界記録

スイスとドイツの学生チームが繰り広げる、0-100km/h加速の記録競争

出典

https://news.yahoo.co.jp/articles/77852b6c907e13099734566bf72095f5fa7444d4/images/000

 

スイスの学生チーム「AMZ」が、世界最速の電気自動車(EV)の0-100km/h加速記録を0.956秒で更新した。これは、従来の記録を3分の1近く更新する驚異的なタイムである。

AMZが製作したEV「マイセン」は、重量わずか140kgで、最高出力約325psを発生する。また、発進直後から強力なトラクションを確保するため、掃除機のようなものを開発して、吸引力によって車両を地面に押さえつけるという工夫をしている。

AMZは、2014年と2016年にも新記録を樹立していたが、昨年ドイツのグリーンチームに記録を破られていた。グリーンチームの記録は1.461秒で、AMZの記録を約3分の2遅らせていた。

今回の記録更新は、AMZとグリーンチームによる苛烈な加速競争の勝利である。今後も、両チームの競争は激しさを増していくと予想される。