自動車のバッテリー12.68Vでスターターが回らない時のトラブルシューティングガイド

「自動車のバッテリー12.68Vでスターターが回らない」について

 

「自動車のバッテリー12.68Vでスターターが回らない」

自動車のバッテリーは、エンジンを始動させるための重要な役割を果たしています。しかし、時にはバッテリーの電圧が正常範囲内であっても、スターターが回らないという問題が発生することがあります。特に、12.68Vという電圧は一見正常に思えるものの、実際には様々な要因が絡んでいる可能性があります。このガイドでは、バッテリーの電圧とスターターの動作に関する基本的な理解を深め、問題解決のための手順を詳しく解説します。

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 目次

1. バッテリーの基本知識  
   - 1.1 バッテリーの役割  
   - 1.2 バッテリー電圧の意味  

2. 12.68Vの状態について  
   - 2.1 電圧測定の重要性  
   - 2.2 バッテリーの充電状態  

3. スターターが回らない原因  
   - 3.1 バッテリーの劣化  
   - 3.2 接続不良  
   - 3.3 スターターモーターの故障  
   - 3.4 その他の電気系統の問題  

4. トラブルシューティング手順  
   - 4.1 バッテリー端子の確認  
   - 4.2 バッテリー電圧の再確認  
   - 4.3 スターターモーターへのアクセス  
   - 4.4 専門家への相談  

5. 予防策とメンテナンス  
   - 5.1 定期的なバッテリー点検  
   - 5.2 適切な充電方法  
   - 5.3 スターターシステムの維持管理  

6. まとめ  
   - 6.1 問題解決への道筋  
   - 6.2 今後の注意点

 

 1. バッテリーの基本知識

 1.1 バッテリーの役割
自動車のバッテリーは、エンジンを始動させるための電力を供給する重要なコンポーネントです。バッテリーは、エンジンが停止している間も電気機器に電力を供給し、必要なときにスターターモーターを動かすためのエネルギーを提供します。また、バッテリーはオルタネーターによって充電され、エンジンが稼働している間に電力を補充します。これにより、自動車の電気系統全体が正常に機能することが可能になります。

 1.2 バッテリー電圧の意味
バッテリーの電圧は、その充電状態や性能を示す重要な指標です。通常、自動車用バッテリーは12Vで設計されていますが、理想的な状態では12.6V以上が望ましいとされています。電圧が低い場合、バッテリーは劣化しているか、充電不足である可能性があります。逆に、過充電の場合も問題が発生するため、適切な電圧を維持することが重要です。

 2. 12.68Vの状態について

 2.1 電圧測定の重要性
12.68Vという電圧は、一見正常に見えるかもしれませんが、実際にはバッテリーの充電状態を正確に評価するためには、他の要因も考慮する必要があります。電圧測定は、バッテリーの健康状態や性能を判断するための第一歩です。定期的に電圧を測定し、異常がないか確認することで、早期に問題を発見し対処することができます。

 2.2 バッテリーの充電状態
バッテリーの充電状態は、その寿命や性能に大きく影響します。12.68Vは約75%から80%の充電状態と考えられますが、この状態ではエンジン始動時に十分なパワーを提供できない可能性があります。特に寒冷地では、この程度の充電ではスターターが回らないこともあります。したがって、定期的な充電とメンテナンスが重要です。

 3. スターターが回らない原因

 3.1 バッテリーの劣化
バッテリーは使用と共に劣化します。内部抵抗が増加し、必要なエネルギーを供給できなくなることがあります。このため、古いバッテリーや過去に多くのサイクルを経たバッテリーでは、正常な電圧でもスターターが回らないことがあります。

 3.2 接続不良
バッテリー端子やケーブル接続部に腐食や緩みがあると、電気の流れが妨げられます。このような接続不良は、スターターへの電力供給不足につながり、結果としてエンジン始動時に問題を引き起こすことがあります。

 3.3 スターターモーターの故障
スターターモーター自体が故障している場合もあります。モーター内部のコイルやスイッチング機構に問題があると、正常に動作しないことがあります。この場合はスターターモーター自体の交換や修理が必要です。

 3.4 その他の電気系統の問題
スターター以外にも、自動車内の他の電気系統に問題がある場合も考えられます。例えば、イグニッションスイッチやリレーなどが故障していると、スターターへ適切な信号が送られず回らないことがあります。

 4. トラブルシューティング手順

 4.1 バッテリー端子の確認
まず最初に行うべきは、バッテリー端子とケーブル接続部を確認することです。端子が緩んでいたり腐食していたりすると、接触不良となり電力供給が不足します。端子を清掃し、しっかりと固定しましょう。

 4.2 バッテリー電圧の再確認
次に、再度バッテリーの電圧を測定します。12.68Vであっても、その値が安定しているかどうか確認することが重要です。もし急激に値が下がるようであれば、バッテリー自体に問題があります。

 4.3 スターターモーターへのアクセス
スターターモーターへのアクセスを行い、その状態を確認します。配線やコネクタに損傷や腐食がないかチェックし、不具合箇所を特定します。また、モーター自体にも異常音や熱などの兆候がないか確認しましょう。

 4.4 専門家への相談
上記手順で問題が解決しない場合は、自動車整備士など専門家への相談を検討しましょう。専門的な知識と経験を持つ技術者による診断と修理が必要になる場合があります。

 5. 予防策とメンテナンス

 5.1 定期的なバッテリー点検
定期的な点検は、自動車のトラブルを未然に防ぐために非常に重要です。少なくとも年に一度は専門家による点検を受けることを推奨します。また、自分でも目視点検や簡単な測定器具を使用してチェックすることも有効です。

 5.2 適切な充電方法
バッテリーは適切な方法で充電することが大切です。過充電や不完全充電は避けるべきであり、自動車メーカー推奨の充電器を使用することがおすすめです。また、長期間使用しない場合は定期的な充電も考慮しましょう。

 5.3 スターターシステムの維持管理
スターターシステム全体の維持管理も重要です。配線やコネクタ類は定期的に点検し、不具合箇所は早めに修理または交換しましょう。また、新しい部品への交換時には純正品または高品質な部品を選ぶことで長寿命化につながります。

6. まとめ

 6.1 問題解決への道筋
自動車のバッテリーとスターターシステムについて理解し、トラブルシューティング手順を踏むことで、多くの場合問題解決につながります。日常的なメンテナンスと早期発見・対処によって、大きなトラブルを未然に防ぐことが可能です。

 6.2 今後の注意点
今後、自動車メンテナンスには特に注意しましょう。特に寒冷地ではバッテリー劣化が進みやすいため、季節ごとの点検・メンテナンスを怠らず行うことが重要です。また、新しい技術や製品情報にも目を向けておくことで、自分自身でできるメンテナンス範囲も広げていくことができます。

 

補足

内部抵抗の計測の仕方

内部抵抗の計測は、バッテリーや電子機器の性能評価において重要な手段です。以下に、内部抵抗を測定する方法を詳述します。

 内部抵抗の計測方法

 1. 測定準備
- 機器の準備: 内部抵抗測定器(またはマルチメーター)を用意します。特に、直流内部抵抗測定が可能な機器を選ぶことが重要です。
- 接続部の確認: 測定するバッテリーの端子や接続導体に酸化被膜がないか確認し、必要に応じて清掃します。接続不良は測定誤差を引き起こすため、注意が必要です[2]。

 2. 測定手順
- 電流設定: 測定するバッテリーの仕様に応じた放電電流を設定します。例えば、リチウムイオン電池の場合、放電タイプに基づいて適切な電流値(I1, I2)を選択します[1]。
- 放電と電圧測定:
  - 初めに設定した電流値I1で30秒間放電し、その時点での電圧U1を測定します。
  - 次に、電流値をI2まで上昇させ、5秒間放電した後に電圧U2を測定します[1]。

 3. 内部抵抗の計算
内部抵抗Rdcは以下の式で求められます:

$$
R_{dc} = \frac{U_1 - U_2}{I_2 - I_1}
$$

この計算によって得られるRdcが内部抵抗の値となります。

 4. 注意事項
- ゼロ調整: 測定前に内部抵抗測定器のゼロ調整を行うことが重要です。これを怠ると、大きな誤差が生じる可能性があります[2][4]。
- 環境条件: 測定は通常、バッテリーが浮動充電状態で行いますが、UPS接続時などはリップル電流の影響を受けるため、注意が必要です[2]。
- 経時変化の記録: 定期的に同じ箇所で測定を行うことで、内部抵抗の経時変化を把握しやすくなります[2]。

 5. 結論
内部抵抗の計測は、バッテリーや電子機器の健康状態を評価するための重要な手段です。正確な測定には適切な準備と手順が必要であり、注意深く実施することが求められます。

Citations:
[1] https://www.chemitox.co.jp/business/battery/battery_test_index/dc_internal_resistance_measurement?doing_wp_cron=1716286889.4182031154632568359375
[2] http://www.denchi.info/publication/IPS_TS-006.pdf
[3] https://www.yrl.com/column/tm/expert_electronic-measurement_03.html
[4] https://www.hioki.co.jp/file/cmw/userguides/4350/pdf/?action=browser&lang=jp&log=0
[5] https://apec.aichi-c.ed.jp/kyouka/rika/butsuri/2018/denziki/teikoukito/naibuteikoh.htm
[6] https://www.youtube.com/watch?v=-CXBw-kGTt0
[7] https://www.matsusada.co.jp/column/tester.html
[8] https://www.hioki.co.jp/jp/products/listUse/?category=33