APD(聴覚情報処理障害)の治し方について
APD(聴覚情報処理障害)とは、聴力検査で異常がないにもかかわらず、聞き取りが困難な障害です。雑音下での聞き取り、複数人での会話、指示を理解する、言語を理解する、など、さまざまな場面で聞き取りにくさを感じます。
APDの治し方については、2023年現在のところ確立されていません。しかし、症状の改善を期待できる方法として、以下の3つが挙げられます。
- 環境調整
- 補聴手段の利用
- 聴覚トレーニング
1. 環境調整
APDの症状を改善するためには、聞き取りやすい環境を整えることが大切です。具体的には、以下の方法が挙げられます。
- 話者との距離を縮める
- 騒音を減らす
- 会話をするときは、話者の顔を向ける
- 聞き取りにくい場合は、要約や繰り返しを求める
2. 補聴手段の利用
APDの症状によっては、補聴器やデジタル補聴器などの補聴手段を利用するのも有効です。補聴器は、音量を大きくしたり、雑音を抑えたりすることで、聞き取りを改善します。デジタル補聴器は、音声の明瞭度を高めたり、複数の人の会話を聞き取りやすくしたりする機能を備えています。
3. 聴覚トレーニング
聴覚トレーニングは、聞き取りの力を鍛えるトレーニングです。聴覚トレーニングには、以下のようなものがあります。
- 音の聞き分け
- 音の順番を覚える
- 音と音の違いを覚える
- 指示を理解する
- 複数人での会話を聞き取る
聴覚トレーニングは、APDの症状を改善するだけでなく、聞き取り力を向上させる効果も期待できます。
APDの治し方に関する研究
APDの治し方に関する研究は、現在も進められています。近年では、脳の可塑性を利用した治療法の開発が進んでいます。脳の可塑性とは、脳の機能や構造が変化する能力のことです。脳の可塑性を利用した治療法では、特定の刺激を与えることで、聴覚情報処理の機能を改善することを目指しています。
また、APDの症状を改善するための薬の開発も進められています。しかし、現在のところ、APDの症状を完全に治すことができる治療法は確立されていません。
APDの症状を改善するためにできること
APDの治し方は確立されていません。しかし、症状の改善を期待できる方法はいくつかあります。環境調整や補聴手段の利用、聴覚トレーニングなど、自分に合った方法を見つけて、症状の改善に取り組みましょう。
また、APDの症状を理解してくれる周囲の協力も大切です。聞き取りにくさを感じたら、周囲の人に伝えて、理解と協力を求めましょう。
以下に、APDの症状を改善するためにできることをまとめます。
- 環境調整を行う
- 補聴手段を利用する
- 聴覚トレーニングを受ける
- 周囲の理解と協力を得る
APDの症状を理解して、適切な対処をすることで、日常生活をより快適に過ごすことができるようになります。
ちなみに
APD(聴覚情報処理障害)でも、適切な対処をすることで就業は可能です。
APDの症状によって、就業に困難を感じる場面はありますが、以下のような方法で対処することができます。
- 職種や職場環境の選択
APDの症状によって、向き不向きの職種や職場環境があります。例えば、雑音が多い環境や、複数人での会話が多い環境は、APDの症状を悪化させる可能性があります。そのため、雑音が少ない環境や、一人で仕事ができる環境など、自分の症状に合った職種や職場環境を選ぶことが大切です。
- 補聴器やデジタル補聴器の利用
補聴器やデジタル補聴器は、音量を大きくしたり、雑音を抑えたりすることで、聞き取りを改善します。そのため、APDの症状が軽度であれば、補聴器やデジタル補聴器の利用で、就業に必要な聞き取り力を補うことができます。
- 周囲の理解と協力
APDの症状を理解してくれる周囲の協力も大切です。聞き取りにくさを感じたら、周囲の人に伝えて、理解と協力を求めましょう。例えば、会議や打ち合わせの際に、要約や繰り返しを求めたり、資料を事前に渡してもらったりするなどの配慮をお願いすることができます。
以下に、APDでも就業が可能な職種や職場環境をいくつか紹介します。
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データ入力やプログラミングなど、一人で黙々と作業ができる仕事
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メールやチャットなど、文字でのやり取りがメインの仕事
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在宅勤務やテレワークなど、オフィス以外の場所で働ける仕事
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障害者雇用枠を利用して働く
APDの症状によって、就業に困難を感じる場面はありますが、適切な対処をすることで、自分にあった仕事を見つけて、就業することは可能です。