一日合計10時間の座りすぎ 認知症の可能性について
一日合計10時間以上座りっぱなしの生活をしていると、認知症のリスクが高まるという研究結果についてお話ししたいと思います。
認知症とは、記憶力や判断力などの認知機能が低下する病気です。認知症には、アルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型などの種類があります。認知症は、加齢や遺伝などの要因によって発症する可能性がありますが、生活習慣や環境にも影響されます。
座りすぎと認知症の関係については、これまでにもいくつかの研究が行われてきました。例えば、2017年に英国で発表された研究では、中年期から高齢期にかけて一日8時間以上座っていた人は、4時間以下座っていた人に比べて、認知機能の低下が約15%高かったという結果が出ています。また、2018年に米国で発表された研究では、一日10時間以上座っている高齢者は、3時間以下座っている高齢者に比べて、アルツハイマー型認知症の発症率が2倍以上高かったという結果が出ています。
では、なぜ座りすぎが認知症のリスクを高めるのでしょうか?そのメカニズムについては、まだ完全には解明されていませんが、以下のような仮説が提唱されています。
・座りすぎによって血流が悪くなり、脳に十分な酸素や栄養素が届かなくなる。
・座りすぎによって筋肉量や代謝が低下し、血糖値や血圧が上昇する。これらは脳血管障害やインスリン抵抗性を引き起こし、脳細胞の損傷や老廃物の蓄積を促進する。
・座りすぎによって運動量や社会的交流が減少し、脳を刺激する機会が減る。これによって神経伝達物質や神経成長因子などの分泌が減少し、脳の可塑性や学習能力が低下する。
これらの仮説からわかるように、座りすぎは脳の健康にとって有害な影響を及ぼす可能性があります。しかし、それは必然的な結果ではありません。座りすぎを防ぐためには、以下のような工夫をすることが有効です。
・仕事や勉強などで長時間座る場合は、30分から1時間ごとに立ち上がってストレッチや散歩をする。
・テレビやパソコンなどの画面を見る時間を減らし、読書や手芸などの趣味や家事などの活動に時間を割く。
・運動習慣をつける。特に有酸素運動は、脳に酸素や栄養素を送り、神経伝達物質や神経成長因子の分泌を促す効果があります。
・社会的交流を増やす。友人や家族と話したり、趣味やボランティアなどのグループに参加したりすることで、脳を刺激し、ストレスを軽減する効果があります。
座りすぎは、認知症だけでなく、心臓病や糖尿病などの生活習慣病のリスクも高めると言われています。座りすぎは、現代社会の大きな問題ですが、それを改善することは決して難しくありません。少しの意識と工夫で、座りすぎを減らし、脳の健康を守りましょう。
そうはいっても
座るのが職業の人はどうするの
座るのが長い職業の人は、みんな認知症か?
この質問は、多くの人が気になるかもしれません。座るのが長い職業とは、例えば事務員やプログラマー、運転手などです。これらの職業の人は、一日の大半を椅子に座って過ごします。しかし、座りすぎは健康に悪いと言われています。では、座りすぎは認知症にも影響するのでしょうか?
認知症とは、記憶力や判断力、思考力などが低下する病気です。認知症になる原因は、脳の神経細胞が死んだり、機能が低下したりすることです。脳の神経細胞は、血液や酸素、栄養素などを必要とします。しかし、座りすぎると、血流が悪くなったり、血圧が上がったりすることがあります。これによって、脳に十分な血液や酸素が届かなくなる可能性があります。また、座りすぎると、運動不足になりやすく、肥満や糖尿病などの生活習慣病にかかりやすくなります。これらの生活習慣病も、脳の血管を傷つけたり、炎症を起こしたりすることで、認知症のリスクを高めると言われています。
では、座るのが長い職業の人は、みんな認知症になるのでしょうか?答えはノーです。座る時間が長いだけでは、必ずしも認知症になるとは限りません。認知症になるかどうかは、他にも多くの要因が関係します。例えば、年齢や遺伝子、教育水準や社会的活動などです。また、座っている間でも、脳を刺激することで、認知症の予防に役立つ可能性があります。例えば、読書や勉強やパズルなどです。
しかし、それでも座りすぎは避けた方が良いでしょう。座りすぎは、認知症だけでなく、心臓病や腰痛などの他の病気の原因にもなります。座る時間を減らすためには、以下のような工夫をしてみましょう。
- 一時間に一度は立ち上がって伸びをする
- 階段を使う
- 水分補給をする
- 正しい姿勢で座る
- 座っている時も足や手を動かす
以上のように、座るのが長い職業の人は、みんな認知症になるわけではありませんが、座りすぎは健康に良くありません。適度に動くことで、認知症や他の病気を予防しましょう。