無償労働の貨幣評価について
無償労働とは、経済的な報酬を得ることなく、社会的な貢献や個人的な充実を目的として行われる労働のことです。例えば、ボランティア活動や家事、育児、介護などが無償労働にあたります。
無償労働は、社会の福祉や絆を高める重要な役割を果たしていますが、その一方で、その価値や負担が十分に認められていないという問題があります。無償労働の貨幣評価とは、無償労働に対して市場価格に基づいた金額を割り当てることで、その経済的な寄与を見える化する試みです。この記事では、無償労働の貨幣評価の意義と方法、そして課題について考えてみたいと思います。
無償労働の貨幣評価の意義
無償労働の貨幣評価には、以下のような意義があります。
- 無償労働の社会的な重要性や尊厳を高める
- 無償労働者の自己肯定感やモチベーションを向上させる
- 無償労働の分担や支援の公平性を促進する
- 無償労働の経済的な影響や貢献を把握する
- 無償労働の政策的な評価や支援策の検討に資する
無償労働の貨幣評価の方法
無償労働の貨幣評価には、主に以下の二つの方法が用いられます。
- 代替コスト法：無償労働を同等の有償労働に置き換えた場合に必要となるコストを算出する方法です。例えば、家事や育児を家政婦や保育士に依頼した場合の賃金を用います。
- 機会費用法：無償労働を行うことで失われる収入や余暇時間の価値を算出する方法です。例えば、ボランティア活動を行う時間に仕事や趣味を行った場合の収入や満足度を用います。
無償労働の貨幣評価の課題
無償労働の貨幣評価には、以下のような課題があります。
- 無償労働の質や内容に応じた適切な市場価格の選定が困難である
- 無償労働に対する動機や感情が金銭的な評価に反映されない
- 無償労働が有償化されることでその本質や目的が変質する恐れがある
- 無償労働の貨幣評価が政策的な支援策に代わることで、無償労働の負担が増大する可能性がある
まとめ
無償労働の貨幣評価は、無償労働の社会的な価値や経済的な寄与を見える化する有用な手法ですが、同時にその方法や意味には様々な課題があります。無償労働の貨幣評価を行う際には、その目的や背景を明確にし、無償労働の多様性や特性を尊重することが重要です。
参考
内閣府が7月に出したもの
【世帯の形態別「家事・育児」に対する貨幣価値】
◆共働き
夫:123万円（家事:55.2万円、育児:67.9万円）
妻:364.4万円（家事:175.4万円、育児:189万円9
◆片働き（夫:有業、妻:無業）
夫:116.6万円（家事:45.4万円、71.2万円）
妻:524万円（家事:249.1万円、育児:274.9万円）
あくまでも、無償である家庭の家事・育児等に対して給与を払うとしたら、を推計したもの
出典
https://news.yahoo.co.jp/articles/3f9a3884e5e5f4920ec5f7cacd10e6d33386e8b7
