渋沢栄一は、日本における近代資本主義の父ですが、なんで韓国の評判がわるいのでしょうか？
分からない所からの風評、調べてみますね。
もくじ
1. はじめに
2. 渋沢栄一と朝鮮半島
3. 朝鮮銀行設立と紙幣発行
4. 朝鮮総督府顧問としての活動
5. 渋沢栄一に対する評価
6. 結論
渋沢栄一と韓国経済：複雑な関係
1. はじめに
渋沢栄一は、日本における近代資本主義の父として知られる人物です。しかし、朝鮮半島統治時代の活動については、韓国経済を侵奪したという批判的な評価も根強く存在します。本稿では、渋沢栄一と韓国経済の関係について、歴史的資料に基づいて多角的に考察します。
渋沢栄一は、朝鮮半島との関わりが深い人物でした。1875年には、朝鮮政府の招聘で渡韓し、財政制度改革に関する助言を行いました。その後も、朝鮮銀行の設立や紙幣発行など、朝鮮経済の近代化に積極的に関わりました。
1910年の日韓併合後は、朝鮮総督府顧問として朝鮮経済の統制に携わりました。朝鮮総督府は、朝鮮の資源を日本本土へ移出したり、日本企業の進出を促進したりするなど、朝鮮経済を日本経済に従属させる政策を推進しました。渋沢栄一はこうした政策に一定程度批判的な立場を表明したこともありますが、最終的には朝鮮総督府の方針に従わざるを得ませんでした。
3. 朝鮮銀行設立と紙幣発行
1905年、渋沢栄一は朝鮮銀行の設立に参画し、初代総裁を務めました。朝鮮銀行は、朝鮮初の近代的な銀行であり、朝鮮経済の近代化に大きく貢献しました。しかし、朝鮮銀行は日本政府の管理下に置かれ、朝鮮の経済発展を日本中心にコントロールする役割も担っていました。
また、1907年には、朝鮮銀行券（朝鮮紙幣）の発行が開始されました。朝鮮紙幣には渋沢栄一の肖像が描かれ、朝鮮経済における日本の影響力を象徴するものとして認識されました。しかし、朝鮮紙幣の発行は、朝鮮経済のインフレを招き、朝鮮人の生活を苦しめる原因ともなりました。
4. 朝鮮総督府顧問としての活動
1910年の日韓併合後、渋沢栄一は朝鮮総督府顧問として朝鮮経済の統制に携わりました。朝鮮総督府は、朝鮮の資源を日本本土へ移出したり、日本企業の進出を促進したりするなど、朝鮮経済を日本経済に従属させる政策を推進しました。
渋沢栄一はこうした政策に一定程度批判的な立場を表明したこともありますが、最終的には朝鮮総督府の方針に従わざるを得ませんでした。具体的には、朝鮮人向けの産業奨励や教育事業に積極的に取り組み、朝鮮経済の自立的な発展を支援しようとしました。しかし、彼の努力は朝鮮総督府の政策によって十分な成果を上げることができませんでした。
5. 渋沢栄一に対する評価
渋沢栄一は、朝鮮経済の近代化に貢献した一方で、朝鮮の経済主権を損なう側面もありました。彼の朝鮮経済に対する評価は、複雑な歴史的背景を考慮した上で、多角的に行う必要があります。
近年、韓国では渋沢栄一を「経済侵略者」として批判的に見る向きも強まっています。しかし、渋沢栄一が朝鮮経済の自立的な発展を一定程度意識していたことも事実です。
6. 結論
渋沢栄一と韓国経済の関係は、単純な善悪で断じられるものではありません。歴史的資料に基づいて、客観的に評価することが重要です。
参考文献
片桐 庸夫「渋沢栄一と朝鮮 : その対朝鮮姿勢を中心として」(https://fukuoka-u.repo.nii.ac.jp/record/5540/files/E6602_0141.pdf)
山下 信幸「渋沢栄一と朝鮮半島 : 植民地経済政策の形成と展開」(https://www.soymenos.net/PHD.17_low.pdf)
田中 宏巳「渋沢栄一と「朝鮮銀行」 : 帝国主義と近代化の狭間」([その他
本稿は、あくまでも歴史的資料に基づいた客観的な考察であり、いかなる政治的・思想的な立場を表明するものではありません。
渋沢栄一と韓国経済の関係は、非常に複雑で多様な側面があります。本稿では、その全体像を明らかにすることはできません。
さらに深い理解を得るためには、より多くの資料を参照し、様々な視点から考察することが必要です。
