【技術力だけでは生き残れない】シャープ、栄光と転落の真実:日本の企業が救えなかった理由とは?

シャープ優秀な技術を持っていたのになぜ日本の企業は助けることができなかったのかについて

 

シャープ優秀な技術を持っていたのになぜ日本の企業は助けることができなかったのか

 

かつて日本の家電業界を牽引し、世界を舞台に革新的な技術を世に送り出してきたシャープ。液晶ディスプレイや太陽電池など、その技術力はまさに世界トップレベルであり、多くの人々を魅了してきました。

しかし、2010年代に入り、シャープは経営危機に陥り、鴻海精密工業(ホンハイ)の傘下に入ってしまうことになります。いったい何がシャープをそこまで追い詰めたのでしょうか?

本稿では、シャープが日本の企業に救えなかった背景にある複合的な要因を紐解き、日本のものづくりが直面する課題について考察していきます。


もくじ

1. 栄光と転落:シャープの歴史を振り返る
2. 技術力だけでは生き残れない:経営危機の要因
    2.1 液晶テレビ市場の急変と韓国勢の台頭
    2.2 太陽電池事業への巨額投資と失敗
    2.3 経営戦略の誤算:多角化と海外市場への挑戦
    2.4 日本の企業文化と経営体制:長期視点の欠如
    2.5 政府・金融機関の支援不足:官民一体の連携の難しさ
3. 教訓と未来展望:日本のものづくりが進むべき道
    3.1 グローバル競争力強化の必要性
    3.2 迅速な意思決定と長期的な視点
    3.3 イノベーションと事業再構築の重要性
    3.4 官民一体の連携による産業育成
4. 結論:シャープの事例から学ぶもの

 


シャープ:栄光と転落、そして未来への挑戦

1. 栄光と転落:シャープの歴史を振り返る

1912年、早川徳次によって創業されたシャープは、電卓や白黒テレビなど、革新的な商品を次々と世に送り出し、日本を代表する家電メーカーとして成長を遂げました。特に、液晶ディスプレイ事業では先駆者として世界市場を席巻し、その技術力は世界中から称賛されました。

しかし、2000年代後半に入ると、液晶テレビ市場の急激な価格下落と韓国メーカーの台頭、太陽電池事業への巨額投資の失敗、多角化戦略の行き詰まりなどが重なり、経営危機に陥ります。2016年には鴻海精密工業の傘下に入り、その歴史に幕を下ろしました。

2. 技術力だけでは生き残れない:経営危機の要因

シャープの経営危機は、単一の要因ではなく、複合的な要因が絡み合って起こりました。以下、主要な要因を5つ挙げ、それぞれ詳細を説明します。

2.1 液晶テレビ市場の急変と韓国勢の台頭

2000年代後半、液晶テレビ市場は価格競争が激化し、韓国のサムスン電子LGエレクトロニクスなどの台頭によって、シャープは大きな打撃を受けました。高価格帯の製品に注力していたシャープは、価格競争力を失い、市場シェアを急速に失ったのです。

2.2 太陽電池事業への巨額投資と失敗

次世代エネルギー事業として期待されていた太陽電池事業に、シャープは巨額投資を行いました。しかし、技術開発や市場開拓に時間がかかり、収益化が遅れました。さらに、中国メーカーの台頭によって価格競争が激化し、巨額の損失を計上することになります。

2.3 経営戦略の誤算:多角化と海外市場への挑戦

外市場での拡大や多角化経営を目指したシャープでしたが、どれも成功に繋がらなかった。買収した海外企業の業績不振や、新規事業への投資失敗などが経営を圧迫しました。

2.4 日本の企業文化と経営体制:長期視点の欠如

日本の企業文化は、長期的な視点での経営や意思決定が苦手と指摘されています。シャープも短期的な利益を優先するあまり、長期的な視点での投資や事業再構築が遅れたと言われています。

2.5 政府・金融機関の支援不足:官民一体の連携の難しさ

シャープは経営危機に陥った際、政府や金融機関から十分な支援を受けることができませんでした。韓国政府は、サムスン電子LGエレクトロニクスなどの国内企業に対して積極的な支援を行っていたため、シャープとの差が顕著となりました。

3. 教訓と未来展望:日本のものづくりが進むべき道

シャープの経営危機は、日本の家電メーカー全体にとって警鐘となりました。日本の企業が生き残るためには、以下のようなことが必要不可欠です。

3.1 グローバル競争力強化の必要性

韓国や中国などの企業と渡り合えるよう、グローバル競争力強化が必須です。コスト削減や品質向上だけでなく、独自技術の開発やブランド力の強化も重要になります。

3.2 迅速な意思決定と長期的な視点

変化の激しい市場環境に対応するためには、迅速な意思決定と長期的な視点の両立が求められます。短期的な利益だけでなく、長期的な成長戦略に基づいた経営判断が必要となります。

3.3 イノベーションと事業再構築の重要性

生き残るためには、常に新しい技術や商品を生み出すイノベーションが不可欠です。また、競争力のない事業は思い切って撤退し、新しい事業への投資を積極的に進める必要があります。

3.4 官民一体の連携による産業育成

政府や金融機関が民間の企業活動を支援し、官民一体となって産業育成を進めることが重要です。特に、研究開発や海外展開への支援は不可欠です。

4. 結論:シャープの事例から学ぶもの

シャープの栄光と転落は、日本のものづくりの光と影を象徴しています。この事例から教訓を学び、グローバル競争を勝ち抜ける強靭な企業へと変革していくことが、日本のものづくりの未来にとって重要です。

シャープは銀行に嫌われた結果海外に持っていかれた。

日本人であれば何で助けられないのだろうか。

ニッサンも日本企業は嫌いフランスに持っていかれた。

助けるどころではないほど日本企業は疲弊しているという事か。

 

補足

カシオ計算機半導体工場を作る計画があったようだが

作らない事で長寿な会社となった。

液晶も深入りしなかった。

自分も東南アジアで一緒に過ごした仲間同士であったのだが

あの暑かった東南アジア時代

生産を海外に逃げ込むには限界があった。