ISロシアシリアで戦闘について
ISロシアシリアで戦闘
2023年11月、シリア内戦終結の兆しが見えない中、新たな火種が燻り始めています。それは、イスラム過激派組織「IS」とロシア軍の戦闘激化です。またロシア国内の攻撃もあった。
かつてシリアの大半を支配していたISは、アメリカを中心とした国際連合軍の掃討作戦により勢力を弱体化させていました。しかし、近年再び活動を活発化させ、シリア東部を中心に勢力拡大を図っています。
一方、ロシアは2015年からシリア内戦に介入し、アサド政権を支援してきました。しかし、ISの復活はロシアにとっても脅威であり、両者の戦闘は激しさを増しています。
この戦闘は、シリア内戦の複雑さをさらに増し、新たな人道危機を引き起こす可能性もあります。
本記事では、ISとロシアの戦闘状況、戦闘の背景、そして今後の展望について詳しく解説します。
もくじ
1 ロシア軍によるシリア内戦への介入
1-1 主な戦闘地域
2 戦闘状況と影響
3 国際社会の反応
4 今後の展望
4-1 参考情報
ISロシアシリアで戦闘
1 ロシア軍によるシリア内戦への介入
介入の目的
ロシア軍は2015年9月からシリア内戦に介入し、アサド政権を支援しています。主な目的は以下の3つです。
1. アサド政権の維持
アサド政権はロシアにとって重要な同盟国であり、その崩壊は中東におけるロシアの影響力低下につながる可能性があります。
2. ISILの掃討
ロシアはISILを国際的なテロ組織とみなしており、その勢力拡大を阻止するためにシリアでの戦闘に参加しています。
3. 中東における影響力拡大
シリア内戦への介入は、ロシアが中東における存在感を高め、アメリカの影響力に対抗する手段の一つとされています。
投入戦力
ロシア軍は航空戦力、艦艇、地上部隊などを投入し、シリア政府軍と共同で反政府勢力やISILと戦闘しています。
航空戦力
戦闘機
爆撃機
ヘリコプター
艦艇
地上部隊
特殊部隊
戦車部隊
歩兵部隊
共同作戦
ロシア軍はシリア政府軍と密接に連携し、作戦を遂行しています。
空爆
砲撃
地上攻勢
ロシア軍とシリア政府軍の共同作戦により、ISILは大きな打撃を受け、シリア政府軍は優勢に戦いを進めています。
1-1 主な戦闘地域
イドリブ県
シリア北西部に位置するイドリブ県は、最後の主要な反政府勢力拠点となっています。ロシア軍とシリア政府軍は、2019年からイドリブ県に対して空爆や砲撃を継続しており、激しい戦闘が続いています。
アレッポ県
シリア北部の大都市アレッポ周辺は、2012年から2016年まで反政府勢力と政府軍による激しい戦闘が行われた地域です。ロシア軍は2015年から介入し、政府軍の支援を行いました。現在は政府軍が支配していますが、依然として戦闘が断続的に発生しています。
シリア中部にある古代都市パルミラは、2015年にISILによって占拠されました。ロシア軍とシリア政府軍は2016年にパルミラを奪還しましたが、2017年に再びISILに占拠されました。その後、2017年3月に再び奪還され、現在は政府軍が支配しています。
2 戦闘状況と影響
ロシア軍の介入により、シリア政府軍は優勢に戦いを進めており、ISILの勢力は大きく後退しています。 2023年12月現在、ISILはシリア国内の領土をほとんど失い、残存勢力はゲリラ戦を展開しています。
しかし、戦闘は依然として継続しており、民間人の犠牲者も増え続けています。 2023年11月には、ロシア軍の空爆でイドリブ県にある病院が誤爆され、数十人の民間人が犠牲となりました。
戦闘による影響はシリア国内にとどまらず、周辺国にも及んでいます。 シリア内戦から逃れた難民は、トルコ、レバノン、ヨルダンなどの周辺国に避難しており、これらの国の社会に大きな負担となっています。
シリア内戦は、世界全体に深刻な影響を与えている国際問題です。 国際社会は、戦闘の早期終結と人道支援の強化に向けて努力していく必要があります。
3 国際社会の反応
ロシア軍のシリア内戦への介入は、人権侵害、代理戦争、政治的解決の遅れなど様々な批判を受けています。
人権侵害
ロシア軍は空爆や砲撃によって民間人犠牲者を多数出しており、戦争犯罪の疑いも指摘されています。 2023年1月には、イドリブ県でロシア軍の空爆により数十人の民間人が死亡した事件が発生し、国際社会から強い批判が浴びせられました。
代理戦争
ロシアとアメリカはシリア内戦でそれぞれ異なる勢力を支援しており、代理戦争の様相を呈しています。 ロシアはアサド政権を支援し、アメリカは反政府勢力を支援しています。 この代理戦争は、シリア内戦の複雑さをさらに増し、解決を困難にしています。
政治的解決の遅れ
ロシア軍の介入は、シリア内戦の政治的解決を遅らせる要因になっているとの指摘もあります。 ロシアはアサド政権を支援しており、政治的解決に向けた妥協を拒否する可能性があります。
参考情報
シリア内戦 - Wikipedia
ロシア軍のシリア介入 - BBCニュース
シリア内戦の現状と課題 - 国際協力機構
4 今後の展望
シリア内戦は複雑な状況にあり、ロシア軍の介入もその複雑さをさらに増しています。今後、シリア内戦がどのように終結し、ロシア軍がどのような役割を果たしていくのかは、国際社会の大きな関心事です。
考えられるシナリオとしては、以下の3つが挙げられます。
長期化する泥沼化: シリア政府軍と反政府勢力の戦闘が長期化し、泥沼化する可能性があります。
アサド政権の勝利: ロシア軍の支援によってアサド政権が勝利し、内戦が終結する可能性があります。
政治的解決: 国際社会の介入によって政治的な解決が模索され、内戦が終結する可能性があります。
いずれのシナリオにおいても、ロシア軍はシリア内戦における重要なプレーヤーであり続けることが予想されます。 ロシア軍がシリアでどのような役割を果たしていくのかは、中東の情勢に大きな影響を与えるでしょう。
参考情報
シリア内戦 - Wikipedia
ロシア軍のシリア介入 - BBCニュース
シリア内戦の現状と課題 - 国際協力機構
4-1 参考情報
シリア内戦 - Wikipedia
シリア内戦に関する詳細な情報が掲載されています。歴史、各勢力、国際社会の関与など、幅広い内容を網羅しています。
ロシア軍のシリア介入 - BBCニュース
ロシア軍のシリア介入について、BBCニュースの視点から解説されています。最新情報や分析記事などが掲載されています。
シリア内戦の現状と課題 - 国際協力機構
国際協力機構によるシリア内戦の現状と課題に関する分析レポートです。政治、経済、人道支援など、様々な観点から考察されています。
補足
ISによるロシア攻撃が発生した理由とは
1. ISのイデオロギーと戦略
ISは、イスラム教スンナ派の過激派組織であり、世界的なイスラム国家の樹立を目指しています。
ロシアは、シリア内戦においてアサド政権を支援しており、ISにとって敵対する勢力です。
ISは、ロシアに対する攻撃を、イスラム教徒への迫害に対する報復、および世界的なイスラム国家建設に向けた聖戦の一環と位置づけています。
2. ロシアのシリア介入に対する反発
ISは、ロシアのシリア介入が、シリアのスンニ派イスラム教徒の苦境を招いていると主張しています。
ロシア軍による空爆は、多くの民間人犠牲者を出しており、シリア国民の反発を招いています。
ISは、ロシアに対する攻撃を、シリア国民の苦境を訴え、ロシアのシリア介入を阻止するための手段と捉えています。
3. ロシア国内のイスラム教徒への差別
ロシア国内には、約2000万人のイスラム教徒が居住しており、差別や偏見に直面していると言われています。
ISは、ロシア国内のイスラム教徒への差別を扇動し、ISへの支持を拡大しようとしています。
ロシアに対する攻撃は、ロシア国内のイスラム教徒への不安を煽り、社会の分断を助長する可能性があります。
4. 国際社会の対応
国際社会は、ISの脅威に対抗するため、軍事作戦や経済制裁などの対策を実施しています。
しかし、ISは依然として活動を継続しており、攻撃を実行する能力を維持しています。
国際社会の対応が不十分であることが、ISの活動を助長している可能性があります。
ISによるロシア攻撃は、国際社会にとって深刻な課題です。
国際社会は、ISの脅威に対抗するため、より効果的な対策を講じる必要があるでしょう。
参考資料
ISILのロシアに対する攻撃の背景と目的:
IS、ロシア機撃墜「報復」声明 シリア:
ロシアでイスラム教徒迫害=ISが動画: