大谷翔平のグローブ 寄贈中途半端について
大谷翔平のグローブ寄贈、中途半端の批判は妥当か?
2023年11月9日、メジャーリーグのロサンゼルス・エンゼルスに所属する大谷翔平選手が、日本国内の全小学校約2万校に、各3個、合計約6万個のグローブを寄贈すると発表した。このニュースは大きな話題となり、大谷選手の社会貢献精神を称賛する声が相次いだ。
しかし、一方で「なぜ3個も寄贈するのか」「中途半端な寄贈では意味がない」といった批判の声も上がった。
なぜ3個も寄贈するのか?
大谷選手は、グローブを寄贈する理由について、「野球を通じて元気に楽しく日々を過ごしてもらえたら嬉しいです」とコメントしている。また、ニューバランス社は、「大谷選手は、幼少期から野球を楽しんでいた経験から、日本全国の各小学校へ3つのジュニア用野球グローブ(右利き用2個、左利き用1個、小学校低学年用サイズ)を寄贈することで、子どもたちが楽しくキャッチボールをする場面を想像しています」と説明している。
この説明によると、3個寄贈する理由は、以下の2つと考えられる。
- 右利きと左利きの子どもが、それぞれ2個ずつグローブを受け取ることができるようにするため。
- 小学校低学年から野球を始める子どもも、グローブを受け取ることができるようにするため。
中途半端な寄贈では意味がない?
3個寄贈する理由は理解できるものの、それでも「中途半端な寄贈では意味がない」という批判は、一定の根拠があると考えられる。
まず、3個のうち1個は左利き用だが、日本では左利きの割合は約10%程度である。そのため、左利き用のグローブは、実際には10%しか使われないことになる。
また、小学校低学年用サイズのグローブは、すぐにサイズアウトする可能性が高い。そのため、せっかくグローブを受け取っても、すぐに使い物にならなくなる子どももいるだろう。
さらに、3個のグローブが、どのような形で学校に届くのか、どのような形で子どもたちに分配されるのか、といった点も不明である。そのため、せっかくグローブを寄贈しても、適切に活用されずに、ただの飾り物になってしまう可能性もある。
中途半端な寄贈にならないために
大谷選手のグローブ寄贈は、その意義は高く評価できるものである。しかし、上記のような課題を踏まえ、より効果的な寄贈にするために、以下のような工夫が考えられるだろう。
- 右利き用と左利き用の割合を、日本全国の左利きの割合に合わせる。
- 小学校低学年用サイズのグローブの代わりに、成長に合わせてサイズが調整できるグローブを寄贈する。
- グローブの寄贈だけでなく、野球の指導やイベントの開催など、子どもたちが野球に親しむための支援を併せて行う。
大谷選手が今後、これらの課題をどのように解決していくのか、注目していきたい。