誤嚥性肺炎 死因 順位について
誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液などが誤って気道内に入ってしまう「誤嚥」が原因で発症する肺炎です。誤嚥性肺炎は、日本人の死因の第6位にランクインしており、高齢者にとっては重大な問題です 。この記事では、誤嚥性肺炎の死因順位や原因、予防方法について紹介します。
誤嚥性肺炎の死因順位
厚生労働省が発表した2019年の日本人の死因統計によると、誤嚥性肺炎は2.9%の割合で死因の第6位となっています。誤嚥性肺炎は、高齢者に多く見られる疾患であり、70歳以上の肺炎患者の約70%が誤嚥性肺炎であるとされています。また、誤嚥性肺炎の死亡率は高く、入院した高齢者の約20%が死亡するという報告もあります。
誤嚥性肺炎の原因
誤嚥性肺炎の原因は、食べ物や唾液などに含まれる細菌が気道内に入り込み、肺に感染を起こすことです。誤嚥性肺炎の原因菌としては、肺炎球菌が最も多く、その他にもクレブシエラ菌、MRSA、緑膿菌、インフルエンザ菌などが挙げられます。
誤嚥を引き起こす要因としては、加齢に伴う嚥下機能の低下や嚥下障害が主なものです。嚥下障害の原因としては、脳卒中やパーキンソン病などの神経系疾患や口腔内の乾燥や歯周病などの口腔系疾患があります。また、食事形態や姿勢、食事介助などの外的要因も誤嚥を促進する可能性があります。
誤嚥性肺炎の予防方法
誤嚥性肺炎を予防するためには、以下のような方法が有効です。
- 肺炎球菌ワクチンの予防接種：肺炎球菌ワクチンは、65歳以上の方が公費で受けられる予防接種です。肺炎球菌による感染を防ぐことができます。
- 姿勢の工夫：食事中や就寝中には、頭部を少し上げておくことで気道を確保することができます。食事中には顎を引いた姿勢で食べることも重要です。
- 嚥下機能の評価とトレーニング：嚥下機能の低下や障害がある場合は、医療機関で評価を受けることが必要です。嚥下機能のトレーニングとしては、舌や口腔の運動やレジスタンストレーニングなどがあります。
- 口腔ケアの実施：口腔内の清潔を保つことで、細菌の増殖を防ぐことができます。歯みがきや口腔洗浄などの口腔ケアを日常的に行うことが大切です。
- 食事形態の適切な選択：嚥下機能に合わせて、食事の硬さや量、速度などを調整することが必要です。食事形態は、医療機関で評価を受けて決めることが望ましいです。
まとめ
誤嚥性肺炎は、高齢者に多く見られる肺炎であり、日本人の死因の第6位になっています。誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液などに含まれる細菌が気道内に入り込み、肺に感染を起こすことで発症します。誤嚥性肺炎を予防するためには、肺炎球菌ワクチンの予防接種や姿勢の工夫、嚥下機能の評価とトレーニング、口腔ケア、食事形態の適切な選択などが有効です。誤嚥性肺炎は重篤な疾患ですが、予防可能なものでもあります。日常生活で気をつけることで、誤嚥性肺炎のリスクを低減することができます。
