市販薬乱用 子供について
市販薬乱用とは、処方箋なしで購入できる薬を、本来の用途とは異なる目的で使用することである。子どもの市販薬乱用は、近年増加傾向にある問題である。
厚生労働省の調査によると、2018年に市販薬を乱用した経験があると答えた子どもは、10代で2.6%、12歳未満で0.7%と、いずれも前年比で増加している。
子どもが市販薬を乱用する理由は、大きく分けて以下の3つである。
- 精神的な問題を抱えている
子どもが市販薬を乱用する最も大きな理由は、精神的な問題を抱えていることだ。不登校やいじめ、家庭内暴力など、子どもたちの心はさまざまな問題にさらされている。こうした問題に直面した子どもたちは、不安やストレス、孤独感などを感じ、市販薬でそれを解消しようとする。
- 好奇心や遊び心から
また、子どもは好奇心旺盛であり、遊び心も強い。市販薬は、ドラッグストアやネット通販で簡単に手に入るため、子どもが手軽に手を出してしまうケースもある。
- 周囲の友人や知人に勧められた
さらに、周囲の友人や知人に勧められて、市販薬を乱用するケースもある。特に、不登校やいじめなどの問題を抱える子どもは、孤独感や疎外感を感じやすく、周囲の勧めに流されやすくなる。
子どもの市販薬乱用は、さまざまな危険を伴う。
- 身体への影響
市販薬は、本来の用途で使用する場合でも、副作用や体調不良を引き起こす可能性がある。乱用すれば、そのリスクはさらに高まる。具体的には、吐き気や下痢、頭痛、めまい、不眠、幻覚、意識障害などを引き起こすことがある。
- 依存症
市販薬を乱用すると、依存症に陥る危険性がある。依存症になると、薬を摂取しないと禁断症状が現れ、日常生活に支障をきたすようになる。
- 悪用
市販薬の成分を悪用して、危険ドラッグを製造するケースも報告されている。危険ドラッグは、中枢神経に作用して、幻覚や錯乱などの精神症状を引き起こす。
子どもの市販薬乱用を防ぐためには。
子どもの市販薬乱用を防ぐための対策は、大きく分けて以下の3つです。
- 子どもの様子をよく観察する
子どもの様子をよく観察し、精神的な問題や周囲とのトラブルなど、市販薬乱用につながるような兆候がないかを見逃さない。
具体的には、以下の点に注意しましょう。
- 学校や家庭での様子に変化がないか
- 無気力や落ち込み、不眠などの症状がないか
- 急に友人関係が変わった
- ドラッグストアやネット通販で市販薬を買っている
- 市販薬を過剰に服用している
- 薬の安全性や乱用について、子どもにきちんと説明する
子どもに、薬の安全性や乱用について、きちんと説明する。薬を乱用した場合の危険性についても、具体的に伝える。
具体的には、以下の点に注意しましょう。
- 市販薬は、本来の用途で使用する場合でも、副作用や体調不良を引き起こす可能性があること
- 市販薬を乱用すると、依存症や危険ドラッグの製造につながること
- 市販薬を乱用した場合の危険性(身体への影響、依存症、悪用)
- 子どもの心のケアをする
子どもの心のケアをすることも重要である。子どもが抱える問題に耳を傾け、理解と共感を示し、適切なサポートを行う。
具体的には、以下の点に注意しましょう。
- 子どもが抱える問題について、じっくり話を聞いてあげる
- 子どもの話を否定せず、理解と共感を示してあげる
- 子どもが安心して相談できる環境を作る
また、学校や家庭、地域社会など、さまざまな関係者が連携して、子どもの市販薬乱用を防ぐための取り組みを進めることが大切です。
具体的には、以下の点が考えられます。
- 学校や家庭で、薬の安全性や乱用について、子どもに教育する
- 薬の乱用に関する啓発活動を行う
- 市販薬の販売や購入の際に、注意喚起を行う
子どもの市販薬乱用は、深刻な社会問題です。子どもの様子をよく観察し、薬の安全性や乱用についてきちんと説明するなど、子どもの市販薬乱用を防ぐための対策を講じることが大切です。
子供には注意深く、根気よく見ていかねばならぬ。
手をぬかないように。