日本の電源構成はどう変わる?2030年に向けたエネルギー基本計画のポイントと見通し

各国の電源構成について

各国の電源構成とは、その国がどのようなエネルギー源を利用して電気を生産しているかを示すものです。電源構成は、その国の経済や環境、安全保障などに大きな影響を与えます。例えば、化石燃料を多く使っている国は、温室効果ガスの排出量が多く、気候変動に対する責任が重くなります。また、原子力発電を多く使っている国は、事故や廃棄物の処理に関するリスクやコストが高くなります。一方、再生可能エネルギーを多く使っている国は、環境に優しく、エネルギー自給率が高くなりますが、発電量が不安定になったり、送電網の整備が必要になったりする課題もあります。


ここでは、世界の主要な国々の電源構成について紹介します。各国の電源構成は、2020年のデータに基づいています。

中国

中国は、世界最大の人口と経済規模を持つ国です。中国の電源構成は、以下のようになっています。

- 石炭: 62.8%
- 水力: 17.8%
- 風力: 9.5%
- 太陽光: 3.1%
- 原子力: 2.4%
- 天然ガス: 2.3%
- その他: 2.1%

中国は、化石燃料に大きく依存しており、世界最大の二酸化炭素排出国です。しかし、近年は再生可能エネルギーの拡大にも力を入れており、特に風力と太陽光発電では世界最大の設備容量を持っています。また、原子力発電も増やしており、現在建設中や計画中の原子炉は世界で最も多いです。

中国は、2030年までに二酸化炭素排出量をピークさせるという目標を掲げており、2050年までにネットゼロ(二酸化炭素排出量と吸収量が等しくなる状態)を達成するというビジョンも示しています。そのためには、化石燃料の削減と再生可能エネルギーの増加が不可欠です。

 アメリ

アメリカは、世界第二位の人口と経済規模を持つ国です。アメリカの電源構成は、以下のようになっています。

- 天然ガス: 40.3%
- 核力: 19.7%
- 石炭: 19.3%
- 風力: 8.4%
- 水力: 6.6%
- 太陽光: 2.3%
- その他: 3.4%

アメリカは、天然ガス原子力発電が比較的高い割合を占めており、化石燃料への依存度は中国よりも低いです。しかし、石炭発電はまだ多く、二酸化炭素排出量は世界第二位です。再生可能エネルギーは、風力が最も多く、太陽光も増加傾向にあります。

アメリカは、2020年にパリ協定から離脱した後、2021年に再加入しました。バイデン政権は、気候変動対策を重視しており、2035年までに電力部門のネットゼロを達成するという目標を掲げています。そのためには、化石燃料の代替と再生可能エネルギーの拡大が必要です。

 日本

日本は、世界第十位の人口と経済規模を持つ国です。日本の電源構成は、以下のようになっています。

- 天然ガス: 38.9%
- 石炭: 31.6%
- 再生可能エネルギー: 18.9%
- 原子力: 6.2%
- 石油: 4.2%
- その他: 0.2%

日本は、2011年の東日本大震災福島第一原子力発電所事故の影響で、原子力発電の割合が大幅に減少しました。その代わりに、天然ガスや石炭などの化石燃料の輸入量が増えました。再生可能エネルギーは、太陽光や風力などが増加しており、政府は2030年までに再生可能エネルギーの割合を22~24%にするという目標を掲げています。

日本は、2050年までにネットゼロを達成するという目標を掲げており、そのためには化石燃料の削減と再生可能エネルギーの拡大が必要です。また、原子力発電については、安全性や廃棄物処理などの課題を解決しながら、引き続き利用するという方針です。

 

石炭の使用が結構多いがどこから日本は買っているのか?

2019年のデータによると、日本の石炭輸入量の約4割がオーストラリアからでした。オーストラリアは日本にとって最大の石炭供給国であり、高品質な無煙炭や褐炭を提供しています。次に多いのはインドネシアからで、約2割の石炭を輸入しています。

まとめ

以上で、各国の電源構成について紹介しました。各国の電源構成は、その国の歴史や地理、政治などによって異なりますが、共通しているのは、気候変動対策として化石燃料の削減と再生可能エネルギーの拡大が必要であるということです。今後も各国の動向に注目していきたいと思います。