「謎の天体が20分周期で電波発信、何なのか」について
「謎の天体が20分周期で電波発信、何なのか」
宇宙の深遠な謎が、新たな発見によってさらに深まりました。天文学者たちを困惑させる奇妙な天体が発見され、従来の天体物理学の理論に挑戦状を突きつけています。約20分周期で強力な電波を発信し続けるこの天体は、既知の天体カテゴリーには当てはまらず、科学者たちに新たな疑問を投げかけています[1][2][3]。
1. 謎の天体GPM J1839-10の発見
2. 従来の理論では説明できない特徴
3. 30年以上続く安定した電波発信
4. 天体物理学への影響と今後の研究
1. 謎の天体GPM J1839-10の発見
2022年7月から9月にかけて、オーストラリアの「マーチソン広視野アレイ」による観測で、GPM J1839-10と名付けられた謎の天体が発見されました[2]。この天体は、約22分(正確には18分11秒)ごとに30秒から300秒続く強力な電波を放射する特異な性質を持っています[2][4]。この発見は天文学者の注目を集め、既知の天体カテゴリーには当てはまらない新たな謎として浮上しました。
2. 従来の理論では説明できない特徴
GPM J1839-10の特徴は、従来の天体物理学の理論では十分に説明できません。通常、パルサーのような周期的に電波を発する天体の閃光間隔は1分からミリ秒と非常に短いのですが、この天体は約1320秒(約22分)という長い間隔で電波を発しています[1]。さらに、電波バーストには約400秒の空白期間があり、その間に30秒から300秒の電波バーストが発生するという複雑な挙動を示します[1][4]。また、電波の強度は2桁も変動し、細かいサブバーストも観測されています[3][4]。
3. 30年以上続く安定した電波発信
研究チームがアーカイブデータを調査したところ、GPM J1839-10からの電波信号は少なくとも1988年まで遡って確認されました[1][2][4]。これは、この天体が33年以上にわたって安定した電波発信を続けていることを示しています。アメリカ国立電波天文台のVLAは1998年から、インドのGMRTは2002年からこの天体からの電波をとらえていたことも判明しました[2]。この長期にわたる安定した電波発信は、GPM J1839-10の特異性をさらに際立たせています。
4. 天体物理学への影響と今後の研究
GPM J1839-10の発見は、天体物理学に大きな影響を与える可能性があります。現在、この天体の正体について最も有力な説は、「死の谷を越えた」マグネター(強力な磁場を持つ中性子星)であるというものです[2]。しかし、これほど長周期で電波を発するマグネターは理論上観測できないはずであり、既存の理論に挑戦状を突きつけています[2]。
今後の研究では、GPM J1839-10のようなオンとオフの状態を確実に捉えるため、30分以上の継続観測が必要とされています[4]。また、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使用した詳細な観測も期待されています[4]。さらに、この天体の特徴が高速電波バースト現象の一部である可能性も指摘されており、複数の天文現象の解明につながる可能性があります[2]。
この謎の天体の研究は、マグネターや白色矮星などの既知の天体に関する理解を深めるだけでなく、宇宙に存在する未知の天体や現象の発見につながる可能性を秘めています。
Citations:
[1] https://gigazine.net/news/20230721-long-period-radio-transient-active/
[2] https://blog.goo.ne.jp/mobarider/e/27d12e820ec47f3b199f0711f578b3b3
[3] https://note.com/aratama315/n/n7725d4d3cfe0
[4] https://gadget.phileweb.com/post-47461/
[5] https://www.gizmodo.jp/2023/07/mysterious-space-object-magnetar-radio-waves.html
[6] https://sorae.info/astronomy/20230813-gpm-j1839-10.html
[7] https://sorae.info/astronomy/20240621-neutron-star.html
[8] https://kodohapi.com/triviav36/
あとがき
他の国では観測していないのか
GPM J1839-10は、オーストラリアのマーチソン広視野アレイによって発見された天体で、約1万5000光年離れた位置にあります。この天体は、21分周期で強力な電波を発信し続けており、観測された電波は少なくとも33年間にわたるものです。これまでの観測では、アメリカのカール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡(VLA)やインドの巨大メートル波電波望遠鏡(GMRT)など、複数の国で行われています[1][2][3]。
他の国でも観測が行われており、特にオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)や南アフリカのMeerKAT電波望遠鏡が追加観測を実施しています。これにより、GPM J1839-10の特異な性質や長期間にわたる電波放出のメカニズムについての理解が深まることが期待されています[2][3][4][6]。今後も国際的な協力による観測が進むことで、この謎の天体に関するさらなる情報が得られるでしょう。
日本では観測はないようです。
[1] https://blog.goo.ne.jp/mobarider/e/27d12e820ec47f3b199f0711f578b3b3
[2] https://sorae.info/astronomy/20230813-gpm-j1839-10.html
[3] https://news.infoseek.co.jp/article/sorae_124040/
[4] https://ja.wikipedia.org/wiki/GPM_J1839-10
[5] https://www.weblio.jp/content/GPM+J1839-10
[6] https://www.buzzfeed.com/jp/shigeyukihando/gpm-j1839-10
[7] https://voi.id/ja/teknologi/295304